25/50

連邦軍士官教育

　日本連邦軍の士官のほとんどが横須賀にあるNDA連邦軍士官学校で教育を受けた者達である。

更に上の連邦軍大学校は連邦軍士官学校で100位以内の者にしか受験資格は無く、その上豊富な部隊経験と少尉以上の階級の者にしかチャンスは無い。出世欲の強い者が必死で勉強する理由にもなる。彼等はエリートであり、沖矢の様な叩き上げのスペシャリストとは、そもそもスタートラインが違う。

　陸上方面軍も海上方面軍も航空方面軍も海兵師団も、全てはNDA連邦軍士官学校を卒業した、優秀な士官によって構成されている。いつの時代もいつの世も組織を率いるのは、一部のエリートであると相場が決まっている。組織の中には出世欲の薄い者もいる。その逆もいる事は確かである。そうした優秀な人材を育てる為の連邦軍大学校だ。上に行けば行くほど、その責任は重みを増す。であったとしても、連邦軍の士官である責任を全うする為の能力を士官教育だけで身に付けさせるのは、ほんの僅かでしかないだろう。

　狭き門を突破して連邦軍の士官の座を射止めたとしても、そこで終わりではない。無論、優秀な人材による判断がいつも正しいとは限らない。それでも、連邦軍の現場で指揮を採るのは上級士官にしか出来ない。それが出来ないならば、士官学校や連邦軍大学校の存在意義はない。真の幹部は、現場で的確な指揮を採れる。

　判断材料は色々あるだろう。その中で何が正しくて何が間違いなのかを、きちんと判断する事が求められる。人それぞれ差はあるが、誰がどの様に判断をしたとしても、正しい方向に向かう様な判断力が求められる。