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サムライ・ソルジャー~名も無き戦士達の戦い~  作者: 佐久間五十六


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沖矢俊才の愛剣ホルネラ

 沖矢俊才の愛剣は本流根羅(ホルネラ)と言う。沖矢の父であり一刀両断流第52代師範であった沖矢広信(おきやひろのぶ)は、俊才が免許皆伝を取得した際に本流根羅を譲り渡したのである。極上物21本の一振りだ。

 刀にはランクがある。低いものから業物(わざもの)大業物(おおわざもの)極上物(ごくじょうもの)極上大業物(ごくじょうおおわざもの)の4ランクであり、極上大業物はこの世界に5本しかない。切れ味や攻撃力だけでなく、工芸品としても素晴らしい。それだけ希少価値が高く、良い剣を求めて戦う剣士もいる。

 沖矢俊才がホルネラを使いこなせる様になったのは、つい最近の事であり、実戦では幼少期より使っていた業物パパスを用いる事が多かった。実戦を重ねると、次第に俊才の剣の才能が開花。ホルネラを扱えるレベルになった。勿論、ホルネラがそこまで難易度の高い剣であった訳ではない。ただ、日本刀と言う物は、他の武器と同じで使い慣れる事により威力を発揮する物である。

 磨いて飾って置くのも一興。だが、実戦で血を味あわせる事はもっと上級な日本刀の味わい方である。不謹慎な事を言うかもしれないが、日本刀と言う物は結局の所人を殺める為の道具でしかない。工芸品として楽しむなど、平和な世の戯れ。人を殺める為のツールに日本刀は過ぎない。人類が誕生させた兵器のほとんどはツールを進化させて来た。望まぬ使用法により、人類は自ら全滅しようとまでした。それが冷徹な事実である。

 ホルネラを使い人を殺める事を沖矢俊才は何とも思っていなかった。戦場では、一人でも多くの敵兵を殺した者こそが英雄である。全くおかしな話だ。平時では人を殺める事は許されないと教わるが、戦争が始まれば敵を殺せない者に存在価値は無いに等しい。厳しい事を言うようだが、それが現実である。戦場の現実はもっと冷酷だ。その厳しさに耐えながらゼロフォースは与えられた任務をこなしていく。それが出来るのは一流の"ソルジャー"である。それが分からない内は二流以下の名も無き戦士である。

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