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サムライ・ソルジャー~名も無き戦士達の戦い~  作者: 佐久間五十六


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選ばれてここにいる

 ゼロフォース隊長の十文字は、納得がいかなかった。もっと早く制圧を出来ていれば、もっとスムーズに制圧を出来ていればと。どこまでも向上心の塊の様な男であった。

 しかしながら、冷静に考えれば、初陣であれだけ出来れば御の字である。実際イージス艦制圧をたった18人で一人の犠牲者を出す事無く600人の中国海軍兵士を殺ったのだから。相手にとってこれ以上の脅威は核兵器位だろう。仮にも相手は訓練を受けた屈強な兵士である。女子供や犬畜生ではないのだ。

 それでも十文字隊長の言い分も分からなくは無かった。部隊としてはまだまだ未完。目指すべき目標はもっと高い位置にある。これからゼロフォースは更なる困難な任務を任されるだろう。だからこそ、ここで満足してしまっては、大きな成長は見込めない。十文字隊長はそう考えたに違いない。ゼロフォースに入隊した16人のポテンシャルを考えれば、こんなものではないはずだ。そんな事は分かり切っていた。

 だからこそ、あえて甘えを捨てる事で強くなる事が求められた。そしてゼロフォースに足りないのは、そうした甘えをどこまで捨てられるか。自分に厳しく出来るかと言う事が重要なのであった。十文字隊長は語る

 「いいか?俺達は選ばれてここにいる。この任務についている。日本連邦軍の中で18人しかなれないこの部隊が不可能だ。と言ってしまえば、日本連邦は諦めるしかない。諦めると言う事でもし仮に日本連邦が不利益を被る様な事があるとしたら、その責任は誰が負う?日本連邦の国民ではないのか?我々ゼロフォースは日々タイトでハードな訓練を行っているのは、少しでも日本連邦が不利益を被る様な事から、そのリスクから避ける為にやっている訳である。だとすれば任務を振り返る事に意味はある。そして何よりも日本連邦軍にとってゼロフォースは最後の砦だと言う事である。その自覚が無い者はゼロフォースにはいないと信じている。」

 十文字隊長が貪欲なのは、何も己の為だけではない。ゼロフォースと言う部隊の特殊性を考慮すれば、このくらいの貪欲さは必要なのだ。そして隊長がこれだけハードな内容を求めても、しっかり付いてこられる者こそ、本物のゼロフォース兵士であると言う事だろう。

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