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竜神っ子のパパはニンゲン  作者: ハルこぎつねる
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プロローグ

念願の自家用車を所有することができた。

 学業の空き時間を見つけてはアルバイトをやり繰りし、生活費や娯楽費を除いた金銭を貯金していたのだ。

 その貯金がやっと購入資金まで辿りつき、中古車の購入まで至った。


 これで行動範囲が広がることができる、と心を弾ませながら休日に暇を作り、目的地がないまま旅行することにした。

 交通状況に合わせて車を走らせていても,車内にある自分だけの空間と時間が楽しませてくれる。

 車を手に入れて正解だったな,と思ったときだ。


 ポーンッ,と車に備え付けられていたカーナビゲーションの音がなり,案内を開始します、と言い出す。

 

「あれ、故障かな」


 設定した覚えのないナビに軽く首を傾げそうになる。

 画面上には少し離れたところまで目的地にある。大分山の中だ。

 明日は学業ないし燃料も満タンであり、いく時間はたっぷりある。 


「長距離運転は親の車で慣れているしちょっと行ってみるか」


 不思議と設定した覚えのないナビゲーションに案内されるがまま車を走らせる。



 数時間車を走らせていき、山のところに入っていく。

 すでにすれ違う車がなく後続車両もいなくなっていた。ところどころ民家っぽい家は見かけても空家のようだ。消滅集落のところに入ってきてしまっているようだ。

 だんだんと空が夕焼け近くになっていても木々が道の上を覆い被さってきて薄暗く感じる。

 引き返す勇気も必要なのかもしれない。

 しかし、画面上ではすぐそこまで目的地に近づいてきていたことで興味本位が勝り、不安と緊張になりながら車を走り進めていく。

  

 目的地周辺に到着しました、案内を終了します、とナビから聞こえたことで、フッーと一息吹く。緊張がほぐれたような気がした。


 車のすぐ近くには古びた鳥居と階段あった。


「あー、ここの集落の神社かな」


 何かに引かれるように車から出て足を進め、しばらく人の手がついてない階段を登っていく。

 草が生い茂る、苔も生えまくりで足元を掬われそうだ。

 なんとか登り切ると、目に入ったのは、もう人の手入れはされてないように見えても何者かによってそれがなされているような神社だった。


「存在を知らせるために呼ばれたかな」


 神秘的というかなんというか、あまりよくない気もしたけれど何かの縁だろうと思い、参拝だけでもしておこうと思えた。

 少し清掃をした方がいいのかもしれないが、日が落ち始めてきたし帰りが怖かったので足早に神社に近づき参拝し始めた。



 神社に参拝していると中から呼ばれているような気がしてきた。

 無意識に足を進めてしまい、神社の中に入り込んでしまう。

 心の中では、まずい、と思ってても体と意思があっていなかった。


 中には何か祀られいるように思えた。

 人とは違う姿、竜といったような姿にーー。


 急に意識が遠くなり体がふらつき、床に手と膝をつける。

 慣れない長時間運転で気がつかないうちに疲労が溜まってしまったのだろうか。

 車のところに戻って仮眠を取ろう、考えた。だが、体に力が入らず、むしろ抜けているような気もした。

 マズい、と思った時には倒れ込んでしまい、そのまま目を閉じてしまった……。

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