女神研究会、爆誕!
ショウは辺りを見渡し、もう一つの扉の隙間からこちらを覗き見しているミホを見つけ、その扉まで歩き、扉を開ける。
「何してるの?」
「いや、なんか入りづらくて、落ち着くまで覗いてた」
「おい・・・・」
ショウがしゃべり切らない間に、クミがミホに声を掛ける。
「ミホ先輩、コンチハ」
「うん、コンチハ」
「イサミ先輩は?」
「もう少しで来る」
「りょうかーい」
そう返事をした後、クミは携帯を再度構え画面に集中し始めた。
「…」
「モザモザ、座ったら?」
「ああ、……大洗さん?もしかして、ずっとそう呼ぶつもり?」
「ダメ?」
近くのイスに座りながらショウは答える。
「まあ、今更、さん付けは嫌だけどさ、君はだめなの君は?」
「君はイサミが使ってる」
「別に呼び名はかぶって良いんだよ」
「嫌?」
「まあ、そこまでではないけど」
「じゃあ、いいじゃん」
「……はい」
いつの間にか、クミは携帯から顔を放して、ショウ達を見ながら尋ねてきた。
「ミホ先輩と茂在先輩はどういう関係ですか?」
「えっ?ただのクラスメイトだよね?」
ショウは同意を求めてミホの顔を見たがミホはショウの顔を見た後、言った。
「ちゃんと知り合ったのは最近だけど、……気心の知れた友達」
クミはミホの言葉を聞き、ショウの顔を見る。
「そうなんっすね」
「うん」
ショウはミホの言葉を聞き、何とも言えない心持ちになりながらも、聞きたかったことを聞こうと口を開いた瞬間、タイミング悪く、扉のノックする音の後に教室の扉が開かれた。
「すまない。遅れてしまった。うん、部員は全員、揃っているな。では始めようか」
「やっぱりこの子も部員なの!?」
「そうだぞ、モザイ君」
「モザイクンって、ウケる」
「ウケる」
「ウケないよ!!」
「ウケるのか……」
「だから、ウケないって!!」
「それより、イサミ先輩この部活って結局何する部活なんですか?女神研究会って名前からして謎なんですけど」
「いきなり核心だな、クミ。まあ、端的に言うと、女神様の存在を世に広める活動をすることだ」
「はあ、女神様って誰ですか?もしかしてうちら3人ですか?」
「そんな訳ないだろう、女神様ってのはこの人のことだ」
自意識過剰気味なクミの言葉を流しつつ、イサミは鞄から携帯端末を取り出し、ある画像を、クミに見せた。
ちなみに後から聞いたが、画像は生写真を貰った生徒に許可を得てカメラで撮影したらしい。
「誰ですか?想像してた女神よりも大分幼いんですが、というかどこら辺が女神なんですか?」
「ジェイド・メイヤーというお名前の女神様だ。それ以上は説明できない」
「そうですか……、つまりのこの子のファンクラブのような活動をする、みたいな感じですか?」
「まあ、概ねそんな感じだ」
クミはイサミとミホを見ながら言う。
「はあ、このメンバーでそんなことをするんですか?おしくないですか?」
面白いと思って頂けたら、嬉しいです。
道 バターを宜しくお願いします。
他にも作品をアップしています。
作者ページを見て頂くと、なんと!?すぐに見つかります(笑