メイの秘密
ショウは目を覚ました。
そして、眠る前の記憶が凄く曖昧であった。
上体を起こすとそこは病院のベットであり、胸元で誰かが眠っていた。
眠っている誰かとはぼやっとした雰囲気と髪に、つぶらな瞳、口元は食事をするとき以外は布を巻いて隠して、口数がとても少なそうな少女であった。
思わずその利発そうな頭を撫でていると寝ていた誰かは意識を取り戻し、つぶらな瞳を見開いた。
「おはよう、ショウ」
「おはよう、ナコ」
「ふふふ、ショウだ」
ナコはショウに思わず抱きつく。再会を喜ぶ二人の部屋に誰かが近付き、扉をノックする。ショウが返事をすると、聞きなれた声が聞こえた。
「入っても宜しいでしょうか?」
「ええ、どうぞ、もちろん」
「そうですか、では失礼しますね」
そう言った後、病室の引き戸が開いた音がし、コツコツという落ちついた足音と共にベットと入り口を仕切るカーテンを迂回して、現れたのは黒い瞳に黒髪で長い髪を後ろで括っている。頭の上には月桂冠を被り、背は高くなり、上品さと高貴さに妖艶さを漂わせるドレスを着、右手にやや装飾が増えた杖を持ち、他をひれ伏させるオーラと近寄り難さが増した高校生位に見える女性がいた。
「誰ですか?」
「そうなりますか、モザイ君。正直ちょっと傷つきます」
「やっぱりメイか?」
「そうですよ。モザイ君」
メイは相変わらず微笑しながら答える。
「雰囲気、変わったね」
「ええ、実はこの度、ジェイド・ムーン=メイヤーになりました。力が増した分、見た目も成熟したのだと思います」
「そうなんだね。じゃあ、もう少し畏まった方が良いですね」
「そのような気遣いは不要ですよ、モザイ君。貴方のお陰でこの力を得たといってもほぼ間違いないと思っています」
「そうですか? なら、まあ……、普通に話すよ」
「ええ、その方が私も気兼ねがないです。ちなみに、この世界も今の所は私が管理しています。脅威も去りました」
「じゃあ、この世界の魔王は消えたってことでいいんだね」
「そうなりますね」
「じゃあ、このスキルも不要か」
そう言ってショウは袖机に置いてた生徒手帳を持ち、ギフトカードを取り出す。
「そうですね」
「まあ、正直、だいぶ説明が欲しかったけどね」
「本当はもう少し平穏に過ごして頂ければとも思っていました。ただ、説明が不足していたことも否めません」
そう言ってショウはカードから目を離し、メイを見た。すると彼女からある意味、見慣れた何かが見る。
メイの胸元を覆い尽くす黒いモザイクだった。
「えっ!?」
メイは何かを隠している。これ以上に何を隠す必要があるのだろうか。
彼女の隠し事だ重大な内容に違いない。
……想像するだけで冷や汗が出てくる。
「どうしました、モザイ君?」
ナコもショウの異変に気づく、抱きついた姿勢から一度身体を離し、ショウに向き合う。そして、メイの存在にもやっと気づいた。
「ショウ、どうしたの? あっ女神様、おはよう」
「ええ、ナコ=クライン、おはようございます。改めて、今回は非常に助かりました。後ほど、報償を渡しますね」
「分かった」
メイがナコに気を取られている隙にショウはメイの秘密を探ろうとすると、メイはショウに向かって人差し指を口元に一本立て、顔を赤くし照れながら、珍しく弱々しい口調で言う。
「こ、これだけは貴方には秘密……、です」
メイのその言葉と共に、スキルが消え、ショウのギフトカードにはイサミ以上に数値が高い謎のパラメータが現れた。
不信感で一杯だったショウの心は安堵感に包まれたが、同時に動悸がやや激しくなり、顔がコチラも赤くなってきている。
今までに色々な人様の秘密を見てきたが、ある意味で尊いと思えた、いつかは誰かに伝えたい秘密を隠す態度によく似ている。
「い、いつかは教えてくれるのかな、その秘密?」
「……そういう事を言うと嫌いなりますよ、……ショ、ショウ君」
夢かとも思えたが、ショウは変わらず顔がまだ赤いメイの態度を見、ひどく安心した。
これにてこのお話はおしまいです。
これから、ラブコメが始まりそうな雰囲気ですが……
今現在、全然、構想はありません(笑
でも、発想的にそれも面白いそうですね。
ちなみに、ナコの気持ちがだいぶこもった手刀のせいで傷んだ首を擦っているイサミとミホとクミとミイシャを出そうかなとも思いましたが、最後の雰囲気が壊れそうなので、止めました(笑
ちなみに、モロは手刀が効かなかったのでクロロホルムで気絶させられている設定です(笑
※10分位は実際気絶するまで掛かるみたいですが……
止まってしまっている作品もありますので、ちょっとづつでも時を動かそうと試行錯誤して参ります。
面白いと思って頂けたら、嬉しいです。
では、また他の作品で
道 バターでした。




