ナコ=クラインの活躍
決戦当日までにナコは何度も転移し物資調達や現場の下見をし、当日を迎えた。
ちなみに、ナコのリクエスト通りにメイはナコの身体をショウと同い年位に創ってくれていた。
当日の夜、ナコはカメラや小型無人航空機を駆使し、周辺を調査し、モニタ越しに生で動くショウを観察していた。
そして、悲劇的なショウと魔王の存在の消失シーンを確認し、思わず飛び出してしまいたくなる自身の心を呼吸で整えて鎮め、メイが消された場面ではもう、ある意味で怒りを通り越して、あきれの感情が出てきた。
ガイヤが消え、女神研メンバーが現場を去った後にメイから言われていた記憶媒体として今回使用したショウのボタンを握り、メイとガイヤの会話を確認し、沸き上がる怒りをなんとか鎮火させ、ショウと魔王が消えた場所へと歩を進める。
次第に、目には見えないのだが、匂い慣れたショウの匂いが微かにする。彼の体温さえ感じられそうだった。
ナコはある地点で歩みを止め、誰にも見えないはずの何かに問いかけた。
「ショウ、今度は私がショウを見つける」
微かに大気が揺れた気がする。
「ショウ、世界中の誰もがショウを忘れても、私は忘れない」
微かに蜃気楼のような靄が見える。
「ショウは私の中にあるショウの記憶を消した。でも、思い出したよ。だって、ショウを忘れたくないから、でも、ショウが私を忘れていたら、少し悲しいな、思い出すまでしばらく不機嫌」
微かな風が吹き、敷かれている芝を揺らすが一部の芝は微動にしない。
「ショウ、だーれだ?」
ナコはショウの存在を意識、ショウの後ろに回り、両手で目を塞いだ。
「な、ナコ……、ナコ=クラインだ」
ショウは泣き出しそうな鼻声でそう答えた。
「正解、さすがショウ、私を見付けるのが、上手」
ショウの存在が徐々にこの世界に現れる。
「な、なんでここにいる、ナコ」
「説明したいけど、取り敢えずここ、離れよ?」
ナコの返答と共に、魔王化したムーン=メイヤーの現れ暴れ出す。
なんとかその場から離れたショウ達の元にガウン姿のガイヤが現れて発狂する。
「なんてことしてくれたのあんた達!! あと、アンタ、ジェイドの刺客でしょ、いい加減にしなさいよ!!」
「私の所為じゃない」
「嘘を言うな!! なんでそのガキが動いてんのよ!! あのまま固まってくれりゃあ、良かったのに!!」
「…。」
さすがのショウもこうストレートな物言いをされると腹が立ったが、すぐにその場を離れようとする。
「何してんのよ!! もう一回押さえるの!!」
そういうとガイヤはショウを無理矢理操り、魔王に向かわせた。
が、それも想定範囲内とばかりにナコは慣れた手つきでショウの首を手刀で叩き、ショウを気絶させ、背中に抱え込み颯爽と去っていった。
あまりの手際の良さに、一瞬呆気に取られたガイヤが苛立ちながら、指を鳴らしいつもの服に着替え、他の女神研の生徒達を念話で呼び出し、その間はしょうがなく魔王を自身の力で押さえる。
「アンタ達、早く戻ってきなさいよ!!」
と言ったものの、いつの間にか目の前に現れたナコが手刀の素振りをしながら、言い放った。
「何してるの? 他の英雄達は32人全員、気絶させたよ」
ナコの言葉を聞き、顔面蒼白になりながら、ガイヤは叫ぶ。
「何してくれたのよ、あんた!! どうやって責任とんのよ、この状況!!」
「知らない。でも、まだ方法がある」
「何よ、それ!!」
「ジェイド=メイヤーを呼べば良い」
ナコはガイヤに無表情でVサインをする。
ガイヤはその言葉を聞き、一瞬気を失いそうになるが、なんとか持ち直した。
「それは絶対にイヤっ!!」
「そう? じゃあ、ジェイド=メイヤーにそう伝えとく、頑張って、ああ、後、そうだ。ジェイド=メイヤーからの伝号、伝える。……絶対に、この世界を投げ出すな!! だって、じゃあ」
ナコはそう言い残し、去ろうとするナコをガイヤが引き留める。
「待ちなさい、分かった。分かったわよ!! ジェイドを呼んで」
ナコはその言葉を聞き、ガイヤに振り向きもせずに言い放つ。
「それは人にモノを頼む、態度?」
そう言った、後、ナコは再び、歩き出す。
ガイヤは心の内に壮大な青筋を立てて、心にもないことを言う。
「すいませんでした。許して下さい。ジェイド=メイヤー様を呼んで頂けないでしょうか?」
面白いと思って頂けたら、嬉しいです。
道 バターを宜しくお願いします。
他にも作品をアップしています。
作者ページを見て頂くと、なんと!?すぐに見つかります(笑




