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スキルが認識阻害(モザイク)って女神様、マニアック過ぎませんか?  作者: 道 バター
2章 現代での活動開始編
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それぞれの夜

 ショウは帰宅し、母が残しておいてくれた夕飯を軽く食べ、風呂に入り、眠りに落ちる前に真剣に自分の能力について考えを巡らせた。


 改めて誰かの秘密を知るスキルを手に入れた。


 秘密とは人に知られぬように普段は隠されている。


 隠すという行為にはそれなりの理由があるようだ。


 その行為の中には他人に見せると自分が窮地きゅうちに落ちる可能性があること、恥ずかしいこと、誰かに迷惑が掛かること等の自分や他人を守りたいという思いが源になることが多いように思う。


 隠したいという欲求は、その隠したいものを曖昧なものにしたてる行為でもあるのだろう、他人から隠したいのものの解像度を落とそうとする行為がもれなくモザイク処理に掛けた心の表現としてショウの目に現れるのだろうか。


 他人が隠しているものをのぞき込む行為自体はそのように考えるとまったく誉められた行為ではないのだろう。


 そして、他人が隠していることは本人が異常に気に掛けている事項でもある。つまりは、不正な金銭の授受、不倫の発覚等、場合によっては本人の社会的地位さえも脅かす材料にもなりえるということだ。


 昨今、SNS等で情報の拡散が可能だ。悪いイメージは当人の信用スコアを落とすだけでなく、最悪の場合、インターネット上でデータが残り続け、言わば犯罪歴のようにかせとなる事もあるのだろう。


 他人の秘密を覗けるスキルとは悪用すれば莫大な富を生み出す可能性があるものではあった。


 だが同時に、使用する本人にも負担があるスキルでもある。


 異世界でも場合によっては人間の汚い部分に触れる経験があった。世の中には平然と他人に嘘をつき、悪びれもせずに生きていける人間もいるにはいる。


 でも、結局はそんな人間を非難している自分も本人が隠し、結果的には他人を不快にさせない「隠す」という行為を無理矢理取り上げているようなものだ……、結局は到底善人ではないむしろ同類なのだろう。


 この相手の隠し事を暴くスキルは異世界でも極力使用はしたくなかった。道徳に反するからだ。だが、ある意味では相手の急所を握ることが出来る大変有用なスキルでもあった。


 異世界であれば大義名分があった。

 スキルの使用には異世界を救う為、魔王討伐の為、女神信仰の回復の為、といった意味があったからだ。


 だが、こちらの世界に来てからスキルの使用にはそのような大儀はない。


 正確には5年後に何かが起きるとの予言めいた仮説はあるが何が起こるかも不明だし、関連性がない可能性もある。


 ……考え過ぎだろうか?


 充電していた携帯端末を取り出し、巻き付けている有線のイヤホンを両耳に押し込む、腐りかけた心に最近ネットで流行りかけている有名な曲のカバー曲を再生させ、落ち着かせる。


 どことなく彼女・・・に似ている声で恋をした相手の気持ちを知りたいという歌詞が歌われている。


 いつもは聞き流す歌詞も先程の思考からか妙に頭に引っかかる。そんな良いものではないよと……、でも、純粋な気持ちでもあるその歌詞に少し共感しつつ、気になっていたことを思い出した。


 片思いをしているこの世界の誰かも、この曲に共感しているのだろうか?


 人間にとって本当は打ち明けたい恋心という隠し事もあるのだろうか?


 恋の手助けをしてみるのも良いのだろうか?

 ミホに確認してみようと考え、ショウは眠りついた。



 飾りは少ないが本棚、ベット、机等の必要最低限の調度品が揃った自身の部屋で大洗美保は異世界から持ち帰った本を片手に机に広げたノートに何かを書き込んでいた。時より、顎に手を当て、用意したハーブティーを喉に流し込み、一心不乱に思考を巡らせる。


 一区切りつき、備え付けの時計に目を向け、短い針が12時を廻っていることに気づき、「ヤバッ」とこぼした後、ベットに潜り込んだ。

面白いと思って頂けたら、嬉しいです。


道 バターを宜しくお願いします。


他にも作品をアップしています。


作者ページを見て頂くと、なんと!?すぐに見つかります(笑

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