表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/9

4.転生王女はため息をつく。

 ---何で気付かなかったのぉぉ! 私のバカバカバカ! お兄様に会う前にずっと傍にいたじゃない。


 護衛騎士であるランディを見てマリーは頭を抱えた。


 ---彼も攻略対象キャラじゃない! 今頃気が付くなんて!


「マリー様?」

 ランディは、何か言いたそうなマリーを気遣うように見てそっと声をかけた。


「ランディ。な、何でもありません」

 気付かれないように平静を装う。

 けれど、マリーの心の中は恐慌状態だった。


 ---今からソッコーお部屋に帰りたいぃぃ。もう、部屋に篭って生活したい!


 そう叫びたいのをぐっと我慢する。

 攻略ノートは、ルーク王子の分しか作ってなかったことが悔やまれる。


 夢とはいえルーク王子に会ったあとに、アレク兄様・ランディに出会ったマリーはあらためて、ここが……今いる世界が、ゲームの中であると確信した。


 ---ここが夢だったらいいのに……。


 思わず遠い目になるマリーに、アレクが問いかける。


「どうした? マリー」

 アレク兄様に気遣われマリーは、現実に戻ってきた。


「アレク兄様、何でもありません。お兄様に会いたくてこちらまで、思わず来てしまいましたが、迷惑でしたか?」

「僕に会いに来てくれたんだね。嬉しいよ。どうか迷惑などと言わないで」


 嬉しそうに微笑むアレクに頭を撫でられる。

「何なら、マリーはずっと傍に居てくれても良いんだよ。勉強も一緒にすればいい」


 ---しまったぁぁぁ。シスコンのフラグを回収するつもりが、変態に拍車を掛けてしまったぁぁぁ。


「に、兄様。わたくしは、1人でも大丈夫です。1人でも兄様を支えられるように勉強しますわ」

「マリー! 僕を支えてくれるなんて。嬉しいよ」


 ---1人でも大丈夫アピールが、変態をもっと喜ばせてしまった。何でなのぉぉぉ。もう部屋に帰りたいぃぃぃぃ。誰か助けてっ!


「さ、マリー僕はそろそろ訓練に戻らないと。そこに座って僕の訓練を見てておくれ」

 断る間もなくテキパキと指示を出し、マリーが見学できるよう場を整えアレクはマリーの頭を撫でた。

「やっぱりマリーは、可愛いな。お茶も用意させたからゆっくり見学していて構わない。なんなら終わるまででも」

 そう言ってアレクは、名残惜しそうに訓練へと戻っていった。


 ---可愛くない! 可愛くないですからぁ! 誰かそこのシスコンを成敗してぇぇぇ。


 うっかり剣が飛んできて、アレクにあたってマトモにならないかなとマリーは思った。

読まなくても大丈夫な、心の声だだ漏れ。


・マリー…とにかく、シスコン兄様を誰か闇に葬ってくれないかな。←イマココ


・アレク…ああ、お茶を飲んでいる姿も可愛いよ、マリー。今だけは僕はマリーが手にしているカップになりたい。←イマココ


・ランディ…マリー様のアレク様を睨む目……良いあんな目で見られたい。←イマココ



皆様、読んでくださりありがとうございます。

お気づきの点ございましたら、なんなりとお申し付け下さい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ