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スティールスマイル  作者: ガブ
第二章 モルガント帝国
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episode 39 「港の攻防」

レイリーの噂は橋の修繕作業にあたっているリザベルトの耳にも届いていた。


「死者十数名か、ゼロ殿は何をやっている。明らかにレイアの驚異ではないか。」



身支度をするリザベルト。


「行かれるのですか?」


イアン伍長が訪ねる。


「無論だ。近場の将校は全員集合せよとの命令だからな。」



「危険すぎます!大佐も敵わないほどの相手ですよ!?殺されてしまいます!」


イアンはリザベルトを止めようと必死で叫ぶ。



大佐も敵わない。その言葉に支度の手が止まるリザベルト。



「確かにそうかもしれない。だがここで行かなければ私は軍人失格だ。それにあちらにはゼロ殿もいる。きっと力を貸してくれるさ。」


リザベルトはイアンに微笑みかけ、駐屯所を出ていく。



(姉上が敵わない相手・・・か。)




兵士たちが港に着いた時、レイリーは散らばった臓物を種類別に並べていた。



「よし、大分美しくなった。やはり遊んだあとは片付けをしないと落ち着かないな。」



レイリーは満足そうに腕を組む。


その様子を見ていた若い兵士が恐怖のあまり一人でレイリーに斬りかかる。



「待て!先走るな!」




ローズの叫びも虚しく、兵士はいとも簡単にレイリーによって命を奪われる。



「またか。いつまでたっても片付けが終わらないな。もういい加減にしてくれよ。」


レイリーはグサグサと兵士の肉体にナイフをいれ、臓物を取り出す。そして取り出し終わった肉体を兵士たちの方に蹴り飛ばす。



「こんな美しくないヤツは要らないな。そっちで処理しておいてくれ。」



ローズは部下の亡骸を抱き上げる。そしてただ一言部下たちに命令を下す。



「殺せ。」




一斉に斬りかかる兵士たち。



「ふむ、今度の奴らは中々強いな。よし、ドレクから拝借した毒の威力を試してみるか。」


そう言って、何やら液体が付着したナイフを取り出すレイリー。そのナイフで兵士を切り付ける。小さな傷が付いただけだったが、その兵士は泡を吹いて倒れてしまった。


「なんだ、こういう類いか。がっかりだよ、もっともがき苦しむのかと楽しみにしていたのに。」


残念そうに肩をおとすレイリー。そのナイフを捨て、いつものナイフを握りしめる。



「さあ、かかっておいで。お前を剥製にする気はないから存分に痛め付けて殺してあげるよ。」



レイリーは四方八方にナイフを投げる。何人かの兵士はそのまま絶命するが、ナイフをやり過ごして突撃してくる者もいた。



「活きがいいな、楽しめそうだ。」


レイリーは様々な拷問器具や薬品を取り出す。そして近づいてくる兵士に手当たり次第にそれらを試す。


悲鳴をあげて倒れる兵士たち。レイリーは笑いながら作業を続ける。それを見ていた残った兵士たちはレイリーへの攻撃を躊躇してしまう。



「どうしたお前たち!この下衆を早くあの世へ送れ!」


ローズの命令も効果はない。兵士たちは仲間が拷問されているのを、ただ傍観しているだけだった。


私が行くしかないか、とボロボロの体を引きずってレイリーに向かうローズ。それを見ていやらしそうに笑うレイリー。



「おや?君は先程の兵士じゃないか。赤髪の娘は元気かい?」


ポケットからリースの髪を取り出してなめるレイリー。


「クズが!!」


ローズは再びレイリーに斬りかかる。が、簡単に避けられてまた傷口に蹴りをくらってしまう。



「女性を痛め付けるのは本当に心が痛むよ。」


レイリーのにやけ顔に怒りが溢れ出るも、もう立つことすら出来ない。



(ここまでか・・・)



タッタッタッタ


一人の兵士が走ってくる。その兵士は仲間の亡骸を飛び越えて、今まさに殺されそうなローズと止めを刺そうとするレイリーの間に割ってはいる。



「姉上に何をする!」



「リザベルト!」



現れたのはリザベルトだった。レイリーはリザベルトの登場に多少驚きつつも、新たなおもちゃの登場に歓喜する。



「威勢がいい娘は大好きだ。」







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