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スティールスマイル  作者: ガブ
第六章 神々との戦い
339/621

episode 339 「やらなきゃやられる」

ジャンヌは簡単に避けられるはずの攻撃をまともに受け、その場に倒れる。


「リザベルト、なぜここに……」

「私も言いたいことはたくさんあるが、今はそれどころではない。姉上を連れて早くここを出なければ」


気を失ったジャンヌを担ぎながらリザベルトが駆け出す。だがメディアに操られた兵士たちはそれを遮り、刃を向けてくる。




「さてさてどうする? 仲間を傷つけるか?」


リザベルトの登場に多少驚いたものの、その驚きさえも楽しむヘルメス。


リザベルトはじりじりと詰め寄られていく。


「ゼロ、まさか手を出すわけではないだろうな?。彼らは操られているだけだ」


ナイフを抜くゼロに対して確認するリザベルト。だがゼロはナイフを納めようとはしない。



「リザベルト、今はお前たちの事情に構っている余裕はない。この兵士たちはどうやらジャンヌを標的としてインプットされている。ジャンヌを連れてここを抜けると言うならば、戦いは避けられないぞ」


ゼロの言葉は充分に理解できる。だがリザベルトに助けてくれと訴えかけてくる、辺りに散らばる兵士の死体が。



「だが!」



兵士に手を出すことを躊躇するリザベルト。そんなリザベルトに兵士たちは容赦なく襲いかかってくる。


「つ!」

「リザベルト!」


ゼロが助けに入ろうとするが、とても間に合わない。リザベルト自身も完全に不意をつかれ、まったく反応できない。



「まったく、世話のかかる妹ね」



兵士たちの攻撃を背中に背負われるジャンヌが受ける。


「姉上!」

「ま、それは私もおんなじね」


ジャンヌはそのまま兵士を凪ぎ払う。兵士は血を流して倒れ、そのまま動かなくなる。


「あ、姉上!」


ジャンヌの行動に顔をひきつらせるリザベルト。ジャンヌはリザベルトの背中から飛び降り、ほかの兵士に斬りかかる。


「ゼロ君の言うとおりよ。貴方の気持ちもわかるけど、やらなければやられるの」


ジャンヌは襲いくる兵士たちをどんどん斬り捨てていく。足の所有権を取り戻し、ついでに傷まで回復したジャンヌに対抗できる兵士は存在せず次々に地面に倒れ、森の養分になっていく。ゼロもジャンヌに加戦したことで

兵士たちは直ぐに全滅し、かろうじて生き残った者たちも拘束される。



「……」



リザベルトはやりようのない感情をぐっと内に押し込める。


「リズ、あなたの気持ちはわかるわ。私を恨みたければそうすればいい。でもね、一応敵は他にいる」


そう言うとジャンヌは何もない空を睨み付ける。



「でしょ? ヘルメス」


ヘルメスはニヤリと笑う。


「いいだろう。予定とは少々違うが、俺が自ら奪ってやる。お前たち三人ともな」



ヘルメスの目の前に扉が現れる。ヘルメスはそれに手をかけ、ゆっくりと開く。扉はいざないの森に続いており、開いた先にはジャンヌたちの姿があった。


「お出ましか……」


突然現れたヘルメスに多少驚くゼロだったが、それは直ぐに戦闘への緊張へと変わる。



「諸君、俺がヘルメスだ。始めに言っておく、お前たちは俺がいただく」



ヘルメスは紋章に手を触れる。するとそこからさまざまな武器が姿を現す。


「頼むから死んでくれるなよ? 蘇生は出来ないんだ」


困ったような笑顔を向けながら、ヘルメスは三人に敵意を向ける。


「あら、お気遣い感謝するわ。でもあなたは殺すわよ?」



ジャンヌはヘルメスに向かって飛び出した。







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