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スティールスマイル  作者: ガブ
第六章 神々との戦い
327/621

episode 327 「ワルターVSパーシアス」

ワルターに猛攻を仕掛けるパーシアスだが、徐々にスタミナが尽きてくる。それに引き換えワルターのスタミナは切れるようすがない。


「ハァハァ」


息が上がるパーシアス。


「どうしたんだい? 随分と苦しそうじゃないか」


ワルターが汗だくのパーシアスに声をかける。


「ふん! 余計なお世話だ!」


強がってはみるものの、パーシアスな体力は限界に来ていた。



軍には入れず、組織において身を鍛えたパーシアス。死をかけた戦いの中でその実力はメキメキと成長していった。決してパーシアス自体が体力不足というわけではない。だが組織に加え軍で基礎を鍛え、そして毎日の鍛練も欠かさないワルターの方が一枚も二枚も上手だった。



「もう引き下がってくれないか? 君たちがどういうつもりかは知らないけれど、そうすれば俺は君を殺さなくてすむ」


ワルターは完全にパーシアスを嘗めきっていた。体力も剣技もワルターの方が圧倒的に上だったからだ。だがそれは彼らの側も理解している。



「そうはいかない」



空間が突如開き、そこからイルベルトが姿を表す。そしてその空間から無数の 石が飛んでくる。


「わっ! 」


突然の出来事に驚き、反応が遅れるワルター。生まれた一瞬の隙をパーシアスは見逃さない。


「そこだ!」


パーシアスの蹴りがワルターの脇腹に炸裂する。


「あっ!」


体勢を崩したワルターに石が次々に命中していく。動かなくなったワルターを確認すると、イルベルトの空間からリラが顔を出す。


「あっけないわね」


穴から出てきた二人のもとにパーシアスが詰め寄ってくる。



「……なによ」

「手を出すな!」


ワルターとの一騎討ちに水を刺されたことに腹をたてるパーシアス。


「馬鹿馬鹿しい……そうしなきゃやられてたでしょ」


イライラするパーシアスをあしらうリラ。


「そんなことはない! あと少しで……」




凄まじい光とともに雷撃がパーシアスを貫く。パーシアスの体は衝撃で吹き飛ばされ、黒こげになる。イルベルトとリラは直ぐにきを引き締め、倒れているワルターの方を向く。



「ハハ!」



笑い出すワルター。



「効いたよ! 二人ともいい加護じゃないか! さあ、戦おう! 殺し合おうじゃないか!」


ワルターの表情が激変する。いつもの穏やかな表情はどこかへ消し飛び、戦闘狂へと変化する。



「気を付けろリラ、あれがワルターの本当の姿だ」

「ええ、あの雷は厄介ね」



ワルターの体はバチバチと音を上げている。


「来ないのかい? なら俺から行くよ」



二人の目の前からワルターの姿が消える。ワルターのいた場所には一筋の雷が残されている。


「消え……」


イルベルトの体が激しく横に揺られる。それが雷撃を帯びた蹴りだということに気がつくよりも早く次の蹴りが命中する。


「この……!」


リラは石を浮かせ、わるたーにむかって飛ばす。だがその石を飛ばす速度よりも明らかにワルターの移動速度の方が上だ。



「女性に手をあげるのはよくないけれど、許しておくれ」



リラの体は、ワルターが軽く体当たりをしただけで吹き飛ばされる。


「く……そ」


三人はワルターの前に敗北し、そのまま意識を失った。





「……フェンリーさん」


アーノルトは気絶したフェンリーを抱え、レイアの前に姿を表した。リースが必死に何かを叫んでいるが、まったく耳に入らない。


「さあ、来てもらおう。それとも隣の小娘どもも同じ目に遭わせてほしいか?」


凍てつくような殺気がレイアに突き刺さった。







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