表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スティールスマイル  作者: ガブ
第一章 ゼロとレイア
25/621

episode 25 「ニコル」

ニコルは指をパチンとならす。すると硬直していた盗賊はくるりと回転して部屋を出ていった。


「ケイトちゃん。何でこっちを見てくれないの?恥ずかしいのかしら。」


ニコルの言葉を無視して以前そっぽを向くケイト。一方レイアは目の前の女性に目を奪われ動けずにいた。


「レイアちゃんは優しいわねぇ。」


そういってニコルはレイアに近づく。頭では逃げなければと解っていても、からだが言うことを聞かない。そのとき鋭い痛みがレイアの頬を襲った。


「しっかり!あいつの殺しは悩殺!男は勿論、女まであいつの魅力には逆らえない!目を合わせたら最後、あの女の虜!ここは逃げる、それしかない!」


「でも、ゼロさんが!」


「とにかく逃げる!みんな捕まったらおしまい!」


ケイトはゼロの事を心配するレイアを無理やり引っ張って部屋を出る。



「あらあら、王子様を置いていっていいのかしら?私が食べちゃうわよ。」


ニコルは二人を追いかけようとはせず、ゼロのもとへと近づく。


「何で組織を裏切ったの?まさかさっきの女の子のため?随分と人間らしくなったわね。その証拠に私の術にもかかってるし。」



「き、さまに、な、にがわ、かる、」


ニコルの問いかけに無理やり答えるゼロ。



「あら!まだしゃべれるの!さすがに下錢な盗賊とは違うわね。でも悲しいわ。すぐに盗賊たちと同じになってしまうんですもの。」


そういってニコルはゼロの頬に手をかける。そしてゆっくりと顔を近づける。



バタ!扉が開く。




「やっぱりゼロさんを置いていくなんて出来ません!」




飛び込んできたレイアが見たものは口づけを交わそうとするゼロとニコルだった。



「あら、レイアちゃん。戻ってきてくれて嬉しいわ。どうしたの?固まって、お嬢ちゃんには刺激が強すぎたのかしら?」



プツンとなにかが切れるレイア。ゼロに駆け寄りおもいっきり頬をぶっ叩く。



「破廉恥です!見損ないました!もう知りません!」



レイアは涙を浮かべて部屋を出ていく。急いでケイトも後を追う。




「あらあらお子さまね。さあ、ゼロ君続きをしましょう。」



ニコルは再び顔を近づける。が、その唇はゼロの手によって遮られる。

ゼロの目には生気が戻っており、ニコルと目を合わせても、もうそれは失われることはなかった。



「レイアを・・・泣かせたのか俺は。」



ニコルを振りほどき、二人の後を追うゼロ。一人残されたニコルは静かに闘志と殺意を燃やす。



「あら、私よりあの生娘の方がいいっていうのかしら。妬けるわねぇ。」


ニコルは部屋を出て盗賊達を集める。




「全団員に告ぐ!ゼロ、レイア、おまけの子供!今すぐとらえよ!殺してはダメ、必ず生け捕りにして!」




大声で指示を出すニコル。戦いが始まる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ