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スティールスマイル  作者: ガブ
第五章 最後の戦い
195/621

episode 195 「亜空間」

ゼクスたちの目の前に現れる亜空間。ゼクスの作ったミニブラックホールはこの空間へと吸い込まれたようだ。


「空間操作? そんな加護聞いたこと無いな。貴様、何者だ」


空間を閉じ、ライズの質問に答えるイルベルト。


「何度も言わせるなよ。それとも別の表現がほしいのか? 俺は組織のエージェント、イルベルト。十闘神ネスから力を受け取った」


ポンポンポンとイルベルトの周りに小さな黒い空間が現れる。空間はイルベルトだけではなく、リラの近くにも現れる。


「何これ!」


驚くシオン。


「リラ!」

「ええ。わかった」


リラはシオンに砕かれた岩の欠片をその空間に向かって飛ばす。するとイルベルトの周りの空間からその欠片が現れ、ゼクスたちを襲う。


「クソ! うざってぇ!」


ゼクスたちにダメージを与えるほどの威力はないが、イルベルトに近づくこともできない。




「はぁああ!」


シオンがリラに殴りかかる。空間への欠片の補給を中断し、シオンに向かって欠片を飛ばす。だがこの程度の欠片ではシオンの歩みを止めることはできない。


『氷牙!』


氷を纏った拳をリラにぶつけようとするが、リラの力によってシオンの拳は止まってしまう。体がおかしな方向にねじ曲げられ、激痛がはしるシオン。


「うぅ!」

「あら、ダンスが上手なのね」


体に力を込めて必死に逃れようとするが、体が折られないように抵抗するのがやっとのシオン。


「あなたはそこで苦しんでいて。私は任務を遂行するわ」

「ダメ!」


シオンの叫び虚しく、硬直するシオンの横を通りすぎ、気絶するリザベルトに近づくリラ。リザベルトに手をかけようとしたその時、リラの後ろから冷気がやって来る。


「冷たい……でもだから何?」


体に違和感を覚えながらも構わずリザベルトに手を伸ばすリラ。リザベルトの腕をつかむも、次の瞬間体が動かなくなる。


「か……あ」


体の中にまで冷気が入り込み、呼吸すら困難になるリラ。必然的にシオンを縛る力も無くなる。


「氷牙拳法、肆の形!」


体をガチガチにしながらも何とか後ろを振り返るリラ。シオンが走りよって来るのがわかる。


(動かない……! 岩を砕く威力、このままじゃ……)



『氷連脚!』



シオンの足がリラぶつかる瞬間、リラの足元に穴があき、そこに吸い込まれていく。


「わっ!」


シオンの蹴りは空をきる。勢い余って地面に激突し、辺り一面を吹き飛ばす。



イルベルトのもとへと飛ばされたリラ。


「助かったわ、イルベルト」


そう言いながら吐血するリラ。脇腹に目をやると肉がえぐれ、血が吹き出していた。


(かすっただけで、この威力……)


「リラ、しっかりしろ。まだやれるな?」

「ええ……」


イルベルトは亜空間から包帯を取り寄せ、リラに応急処置を施す。


石の欠片が止んだため、ようやくイルベルトに近づくことができるゼクスたち。


まず先頭をきったのはライズだった。軽快な足取りでイルベルトに近づき、負傷しているリラに向かって攻撃を繰り出す。


「卑怯だな」


ライズの目の前に亜空間を出現させるイルベルト。ライズの拳は空間にのまれ、彼の後方から現れた空間から出てくる。自らの拳で自らの後頭部を殴り付けるライズ。


「ぐっ!」


ふらついた隙に再び出現した亜空間に飲み込まれ、どこかへと消えるライズ。


「大佐! ライズが消えタ!」


ロイが叫ぶ。


「うるせぇ! 見りゃわかる! 警戒しろ!」


ゼクスが叫び返すが、ロイからの返事はない。姿かたちもない。


「テメェ!」


「事情が変わった。望み通り相手をして殺る」


イルベルトの頭上に今までに無いほど大きな空間が開く。その中にはゼクスたちが攻撃してきたものが蓄積されていた。


「クソが!」

「これは返してやる。死ね」


すべての攻撃がゼクス目掛けて放たれた。






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