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スティールスマイル  作者: ガブ
第四章 激突
130/621

episode 130 「最後の旅路」

翌朝、二日酔いのフェンリーを引っ張りながらゼロ、ワルター、オイゲン、ニコルは出発の準備に取りかかる。


「お嬢様を、お願い致します」


オイゲンはローズとレイアに深々と頭を下げる。


「安心してください。友達は必ず守ります」

「私は間もなく軍を率いて遠征に出なければならない。だがリザベルトと姉上が帰ってくる。安全は保証する」


もう一度二人に頭を下げ、セシルと向き合うオイゲン。


「お嬢様、どうかお元気で」


セシルはそっぽを向く。


「別れは告げませんわ。わたくしが言うことはただひとつ、必ず生きて帰ってきなさい! これは命令よ! ……成人するまでは待ってて差し上げますわ」


振り向き、涙を隠すようにオイゲンに抱きつくセシル。



リースは新調した剣をワルターに手渡す。


「兄さんの、凄く刃こぼれしてたから。友人の刀鍛冶に作ってもらったの」

「これはすごいね。手にしっくりくる」


ワルターは受け取った剣をまじまじと見つめる。


「何でもその剣にはスサノオ様の愛剣、七聖剣雷電丸の破片が埋め込まれているそうよ」

「スサノオ? あの十闘神のかい?」


さらによく剣を見ると微かに刃先が震え、微弱ながら電磁波も放っているようだ。


「ご加護とは少し違うかもしれないけれど、これもいいでしょ?」

「ああ! むしろこれがいい! ありがとうリース!」



フェンリーはケイトの頭に手を乗せる。


「……なに?」

「昨日の飯、お前も手伝ったんだろ? 結構うまかったぜ」

「……そう」

「ただ俺はもうちょっと味付けが濃い方が好きだな」

「……だから?」

「戻ってきたらまた作ってくれよ」

「ひとつ、条件がある」

「なんだ?」

「タバコやめて。私の健康と成長の妨げになる」

「成長ってどこのだよ」

「どこもかしこも!」




「ニコル、お前は無理についてくる必要はないぞ」

「クイーンが報告していれば私も裏切り者よ。それに乗り掛かった船だしね。いつ沈むかもわからない泥船だけれど」


ゼロに微笑みかけるニコル。



ゼロとレイアにもはや無駄な言葉は必要無かった。


「行ってくる」

「はい」


ゼロ、フェンリー、ワルター、オイゲン、ニコルの五人は再びハウエリスへ向かって出発した。



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