表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

序文

近年、サブカル界で一大ジャンルとして急成長しているのが「異世界転生もの」である。


「ソードアート・オンライン」

「ログ・ホライズン」

「Re:ゼロから始める異世界生活」

「この素晴らしい世界に祝福を!」

「オーバーロード」

「灰と幻想のグリムガル」

「魔法科高校の劣等生」

「アウトブレイク・カンパニー 」

「幼女戦記」

「ナイツ&マジック」

「異世界食堂」


などなど枚挙に暇がなく、

ここ数年間でラノベからマンガ、アニメなど様々な媒体で大量生産され、

「ポスト日常系」をうかがう勢いである。

こうした作品の多くがWeb小説原作であり、

そもそも「異世界転生もの」は小説投稿サイト「小説家になろう」で生まれたムーブメントで

一連の作品は「なろう系」とも呼ばれている。


RPG風ファンタジー、ロボット、グルメなど題材はバラバラだが、

異世界が舞台であれば何を取り上げてもよいので、かなりの多様性がある。


ファンタジーとの違いは

ファンタジーが現実世界とは完全に隔離された空想世界であるのに対し

「異」世界は「現実」世界との対比であって、

世界観でも現実世界との繋がりを認めているということにある。

そもそも異世界転生もの自体は

「聖戦士ダンバイン」「犬夜叉」など昔から伝統的にあるもので、

現代の異世界転生ムーブメントの特徴は

現実世界をひどく悲観的に描くことで

異世界を素晴らしい理想郷とするところにあるように思う。


以前の作品であれば等身大の主人公が

希望も絶望もある異世界での出来事を通して成長し、

何らかの形で現実世界に還元しようとするところが、

異世界転生ものの主人公はそのほとんどが恵まれた容姿や才能を

あらかじめ持っており、辛く厳しい現実世界に未練がなく戻ろうとしない。

こうした内容ではダンバインの「東京上空三部作」のような

異世界と現実世界が交わる名場面は出てこないわけで

主人公の葛藤もなければ

異世界ものとしての物語の醍醐味がないと感じてしまい

舞台が異世界に変わっただけで

いわゆる従来のハーレム系や日常系と変化がないように感じてしまう。


しかし、こうした特徴を持って「異世界転生は現代の浄土信仰」と呼ぶ意見があり、

この指摘は核心を突いていると感じたため、

一旦、視点を広げて「アニメは宗教である」と仮定してその本質を見ていきたいと思う。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ