人それぞれ
引き続き、某披露宴パーティー会場での出来事である。この度は、金曜土曜と連日の派遣会社を通じての勤務であった。
初日、若い世代の新郎友人男性7人グループのテーブルを受けもった。例により、おしぼり出し後、担当の挨拶を済ませた際に、お客様のお一人から「今日は我々たくさん飲みますから宜しく!」と言われたのでアルコール飲み物類にウエイトを置いて専らサービスに努めた。その為、どうしても料理出しが遅れ気味となった。
翌日、女性責任者よりアドバイスを受けた。「谷さん、料理出しを最優先させて下さい。温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに、というのがウチの売り・主義やり方なんです。逆ですよ」と。
なるほど! 自分はとんでもない思い違い・はき違えをしていたようだ。また同女から次の様にも言われた。「居酒屋ではないのですから…」
ここで、おもてなしの心とか気配りという言葉が重要視されてくる。礼を重んじるタイプの挙式披露宴会場である。節度をもって品位をもって接客に当たる、という事だろうか…?
それと二日目、3つのミスをおかしてしまった。疲労感からか、ビールをグラスに泡立て過ぎてしまい溢れさせてしまった。僅かの料理が未だ皿に残っているのを見落し下げようとしてしまい、お客様から「まだです」と言われ冷や汗を掻いた。最後の方でお出ししたお寿司料理がまだお済みでないのに箸と箸置きを不注意でそのまま下げてしまった。 いずれも今度は男性責任者から注意指摘を受けた。
この事につきお客様がお帰りの際にこちらから謝意を述べた。「本日は至らない点が多々ありまして誠に申し訳ございませんでした。どうぞお気をつけてお帰り下さいませ」少々ご立腹だったのか返事が無かった… 私の過失責任である。
翻す様だが、それでもだがしかし、「気にしなくていいよ。今後も頑張って」と優しく声を掛けてくれる方もいる。こんなことを言える立場ではないが、やはり人それぞれである。
その夜、帰宅した後、自室ベランダで一服しながらふと我に帰り冷静に考えてみた時、何の事はないミスの原因は極めて単純明解であった。連日の疲労で集中力が衰え、普段やらない様なミスを連発しただけの話である。言い訳かも知れないが、そう思って自分を慰めた。
どちらにしても、これも言い訳かもわからないが、最初から無難に順風満帆で失敗なくいける人なんてまずいないのである。多かれ少なかれ誰でも失態を繰り返し、百戦錬磨で切磋琢磨されていくのが現実ではなかろうか?