表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/25

リゾートホテルでバイト!

夏季期間限定にて、神奈川県内の某リゾートホテルの深夜フロント業務員としてアルバイトを始めた。言うまでもない。金欠病だからだ。

この夏休み期間は特に繁忙期で、それこそ猫の手も借りたいという内容のホテルである。「より良い場所・空間」の標語で売出しのリゾート! 近くには海水浴場もある。週末を問わず、連日老若男女を問わず家族連れ等が押し寄せて来る。

その中で、当然ながらそこで働くホテルスタッフ達は、日々激務に忙殺される。なかなかお客様に十分満足して頂けるサービスを提供できるまでいかない。何事も、完璧には成し得ないのが現状である。

フロントを例に取れば、集中して列ができる状態であり、一方で内線・外線電話も鳴り響いている。身体は一つしかないから、どうしたところでこれらを同時に捌くことは不可能である。もちろん人手が足りないという事情もそこにある。

フロントマン&フロントウーマンは、瞬間的に3つぐらいの行うべき事柄を同時に抱え込む。2,3秒の間に… そして瞬時にその遣るべき事に、優先順位を付けて判断する。そういう職場である。油断や予断は、正直許されない。一般的に、リゾートホテルにありがちな傾向である。

当然、各々のスタッフの実務能力が問われる。その個人個人の人間性や器が問題となってくる。一般常識や、当ホテルのシステムその他周辺の地理や観光地などについても熟知していなければならない。個人のそれまでの人生経験や人間修行にも関わってくる。

またスタッフ同士でも、いわゆる相性が悪い、馬が合わないというのがある。これはどうしたところで避けようがない。それはどの世界でも同じである。連携プレーとかチームワークとも言い換えることができる。


ホテル総務課の横に(改善・提案用紙)なる物が置かれていた。深夜勤務10日経過の時点で、以下の内容のものを作成して提出してみた。日も経っていないので、未だ回答はない。


起案-平成23年8月1日 件名-フロントマン・フロントウーマンの接客のあり方について

所属名-宿泊部宿泊課(アルバイト) 氏名-谷 栄光

*改善・提案内容

フロントにアルバイトとして入って、わずか一週間ですが、第一印象として思うところを記します。

ことリゾートホテルにおいては、シテイ・ビジネスホテルの様な事務的なフロントの応対ではなく、もっと心のこもった言わゆる「おもてなしの心」がなくてはならないと実感いたします。その接客姿勢・態度・言葉遣いや電話応対について、一見してリゾートホテルのそれではない! と確信して認められます。

当ホテルの目指す理念が「より良い場所」というのであれば、フロントを代表に接客に当たるスタッフ達は、もっと朗らかで明るくメリハリの効いた反応を示さなければならない。それによってお客様は、「ああ、いいホテルだった。フロントを始めスタッフの応対が良かった。また再度、ここを訪れたい」という気持ちになり、リピーターの確保に繋がるのです。


先日とある朝、支配人が偶々カウンター内で一時だけ接客されているのを拝見しましたが、その声のボリュームといい全てが、「ああ、さすが支配人! プロだなあ…」と痛感いたしました。


偉そうな事を書いてしまいましたが、これまでやってきた一リゾートホテル元フロントマンとしての正直な意見でした。

参考までです。以上です。



*上記改善・提案による効果(メリット)

上記記載の通り、当ホテルに対するお客様の印象が当然良くなってリピーターを呼び、口コミでまた別のお客様を呼ぶという効果が期待できます。


(追伸) 日々、職務に忙殺され、なかなか上記の様な接客が不能という状況は理解できますが、出来るだけその方向性で改善していく個人個人の意気込みが必要不可欠かと思われます。




ところが翌日、私は考えを改めた。その夜は、課長と係長と私の3人トリプルの勤務体系であった。その2人の接客等の様子を見てビックリしてしまった。

2人共、何とスマートで柔軟で癒し系の接客をすることか…!!

上を見ても切りがないし、下を見ても切りがないという事をマジマジと実感した!

ああいう確立されたできた人物もちゃんと存在するんだと、ある種の安心感や希望の様なものが持てた! 嬉しい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ