★一日目
ここは、アジアの日本。俺は今、そこの高等学校にいる。
「はーい、みんなぁ注目。今日は、このクラスに転校生が来ます。」
眼鏡の女教師が、大声で生徒達へ言った。教室が、ガヤガヤしてうるさい。
「えーと、外国から来た、天野太郎君です。」
太郎って…、カニ先輩、変な名前つけたなぁ…。
「帰国子女だー!」
「ねぇ、ちょっとかっこよくない。」
「男かよ!」
ほんと、うるさい。カニ先輩が言うには、この中に悪魔がいるらしいんだけど、本当にいるのか?
「じゃあ、天野君。あそこの席に座ってね。」
女眼鏡先生が、一番後ろの席を指差した。
俺は、その席に座った。
「天野君。あたし宮野桜って言うんだ。よろしく。」
右隣りの子が話しかけて来た。
って、髪がピンク!?日本人って髪の色って黒だったよな?
「よ、よろしく。宮野さん。」
「俺は、坂田ひろきって言うんだ。よろしくな。」
今度は、左隣りの奴が話しかけて来た。
っ!?色黒っ!!日本人って黄色人種だったよな?
「桜に言ってやれよ。髪の色センスないぞって。」
あー、やっぱり染めてるんだ。
「うっさいな、黒人!あんたの肌の色の方が異常よ!!」
どっちもどっちってカンジ…
二人が、ケンカ(?)してる間に俺は、教室の生徒達を見てみた。
うわー、ふつー。目立つのは、この二人だけか…。悪魔もうまく潜入してるなぁ…。この中から探すの手間がかかりそー。
***
結局、一日が過ぎた。
一日経ってわかった事は、一つ。
俺、ここではモテるわ…
天界では、みんなレベルが高くて全くモテなかった俺だけど、人間界に降りてみたら、モッテモテ。
んで、今、同じクラスの一人暮らししている女子の部屋に誘われている。いや、別にいやらしい気など無いぞ、うん。これは、調査だ。うん、そうだ。
「天野君て、どこの国にいたの?」
「韓国。」
アジア支部なんで、アジア以外よくわからん。
「あははー、結構近いじゃん。ヨーロッパのどこかと思ったよ。」
「石川さんは、外国行った事とかある?」
一応、話題を振っておく。
「カナは、まだ行ったことないよ。」
下の名前、“カナ”って言うんだ。へぇ〜。
「はい、カナの家到着〜。」
そこには、立派なマンションがあった。
………
「やっぱ、今日は、あがるのやめとく。」
「えー、なんでー。カナの事嫌いなの?」
「そうじゃないよ。ただまだ俺、石川さんのことよく知らないしさ。また今度ってことで。」
「…うん、わかった〜。約束だよ。」
「うん。約束。」
そして、俺は、カニ先輩が借りたアパートに戻ることにした。
***
誰かに見張られてた。一体誰なんだ?
俺は、今、アパートでタバコを吸いながら考えごとをしていた。
さっき、石川カナの部屋に入ろうとした時、明らかに誰かに見られてた。今回のターゲットか?それだったら、それで別に構わないけど、監視課の奴等だったらかなり面倒。なぜなら、天使は人間と淫らな行為を行ってはいけないのだ。(天使は、聖なる存在なので、悪い印象を与えるのは全て禁止。)違反は、厳しく罰せられる。
あ〜ん、せっかくモテてんのに、これじゃあ台無しじゃん。早めに仕事終わらしてから、天界でマイハニーに癒してもーらお。
もう眠ろっと…
zZZ...