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★Add一日目


レンタル一日目。


俺は今、天園から離れた場所に来ている。どうやら特殊部隊の集まる場所は、人にあまり知られない様に普通の住宅街にあるらしい。


俺は、昨日カニ先輩から渡された地図を頼りに特殊部隊の基地を探してる。


えーと、ここだよな?


そこには、どこから見ても怪しい真っ黒な家があった。別に家の形は普通なんだけど、真っ黒って…


ピンポーン


とりあえずインターホンを押した。



誰も出てこない。勝手に入っていいのか?


ガチャ


「お邪魔しまーす。」


中に入ってみると、広いけど何にもない一室だった。


ヒュン

ドォーン!


俺の真上から何か落ちて来た。俺は、前方に前転してぎりぎり躱した。


「うぁ〜、アブねぇ…」


そこを見てみると、長い槍をもったロン毛の男がいた。槍は、地面に刺さっている。

避けなかったら死んでるぞ…


「誰だ!?」

ロン毛は、叫ぶ。

「あの…、悪魔対抗課からレンタルでお手伝いに来ました。タロエルです。」



ロン毛は、じーと俺を見てる。


「知らん!」

地面に刺さっている槍を引き抜き突いて来た。

「うわっ!!」

躱す。が、腹にかすり、服が切れる。

「え、ちょっ、待って下さいよ!天使長命令で来たんですよ!」

「俺は知らん。」

再び、ロン毛が槍で突いてくる。俺は、鞄を手放し思い切り後ろに飛んで逃げる。

「クソ、何で連絡がいってないんだよ!」

俺は、飾りの様に置いてある地球儀を持った。

「先に攻撃したお前が悪いんだからな!」

地球儀を左手で持ち振りかぶって…

「喰らえ!“170kmワールド”!」

地球儀を思い切りロン毛に投げる。

ロン毛は、横に飛んで避けた。

「甘い!“スライダー”!!」

投げるモノに回転をかけて投げる事によって曲げる技術。

地球儀は、ロン毛が避けたと同時、絶好のタイミングで曲がる。


ロン毛の避けた方と逆方向に…


「…」

「…」


痛い空気が流れる。ハズい…。穴があるなら入りたい。


「…ごほん、本気で行くぞ。」

ロン毛は、そう言い低く構えた。

「じゃあ、俺も本気だ。」


見て驚け、右の義手の三つの機能のひとつ。“刃化”。

右手の手首から上を右に回すと右手の手首から上が剣になる。


「一撃必殺!」

ロン毛がそう叫び、地面を蹴り、物凄いスピードで突っ込んでくる。

俺も負けじとロン毛に向かって走る。






「やめろ!!!」


!!!?


部屋の奥の方から声がする。

同時に俺の体は止まった。ロン毛も止まる。 俺は、自分の意思で止まったわけじゃない。勝手に体が止まったんだ。

声のした方を見ると、そこには、厳格のあるひげを生やしたおじさんがいた。

ひげを生やした男は、こっちに来た。

「初めまして、タロエル君。私は“アブク”。特殊部隊の隊長を勤めてるモノだ。」

ひげの男、アブクは近くで見ると、頬に古い切り傷があるのがわかる。

「ジキルぅ!!」

「は、はい。」

アブクが叫び、ロン毛が返事をする。そして、アブクが、ロン毛の所まで歩きロン毛の髪の毛を掴んだ。

「ジキルぅ。タロエル君はな、我々特殊部隊のお手伝いをしにわざわざ出向いてくれてるんだぞ。なのに攻撃してどうするんだお前は、ぁあ、わかってんのか?」

お怒りです。

「す、すいません。」

ロン毛もたじたじ…

「すいませんねぇ、タロエル君。この馬鹿が迷惑かけて、こいつは“ジキル”って奴です。特殊部隊のナンバー4の腕は、たつけどちょっとあたまが…」

アブクは、こっちを向き頭を指でチョンチョンと指すジェスチャーをした。

「は、はあ。そうですか…」

そんな言葉しか返せない。

「…仕方ないじゃないか。レンタルが来るなんて、連絡来てないから…」

ジキルが、呟いた。


「じゃあ、タロエル君、ジキル。早速だけど本題に入るぞ。」

本題?

ああ、仕事の事ね。特殊部隊は、極秘任務だから事前には仕事の内容を知らせないようだ(カニ先輩曰く)。だから、場所と時間だけ教えられて他は何一つ教えられてない。多分、ジキルもそうで、レンタルが来ることを知らなかったから俺を疑ったんだろう…


「今回は、地上に降りてある調査をしてもらう。」

アブクが、言った。ジキルも俺も黙って聞く。

「タロエル君。君も知ってる通り、先日、第一級大罪の危機があった。」

うん、あった。

「その大罪は、君の活躍により災害になる前に阻止できた。」

あんまり思い出したくない記憶だ。

「そして、実はここ最近、第一級大罪の危機が多発している。」

っ!!!?

「その危機は、特殊部隊が受け持っているんだが、危機が多過ぎて、特殊部隊の人間が足りなくなり君に仕事が回ってきた。それが、君にあの任務が回ってきた真意だ。」

特殊部隊って何人いるんだよ…

「…これからが、本題だ。この第一級大罪の危機の多発は、過去に例を見ない。確実に裏で糸を引いてる奴が、存在する。」

アブクの顔がさらに厳格になる。

「そこで、タロエル君にはジキルと組んでその裏で糸を引く者の捜索をして欲しい。」

「…なんで俺が?」

そこが分からん。

「ターゲットは、前の任務で君が降りた地上付近にいると思われる。あそこで大罪の危機が多いからな。そこで、あそこにしばらくいた君なら捜索に何か力になりそうだからね。」

なるほどね。


「やってくれるね。タロエル君。」

「…はい。どーせ断れないだろうし。」

それに、あの事件に黒幕がいたとなるとそいつは、許せない。坂田…。宮野…。


「そいつが、坂田と宮野を恋をするように仕組んだんすか?」

「ああ、多分そうだろう。黒幕が属性“恋”のエレメントを持ってるか、その仲間が持ってるか、どっちかだろうな。」

二人が、本当に恋に落ちた可能性は無いのかよ。

「ま、どっちにしても坂田と宮野を弄んでたんなら、そいつは許せねぇ。喜んでこの任務やってやりますよ。」

もうあんな悲劇は、ごめんだ。


ん?“恋”のエレメント?


犯人を捕まえる→恋のエレメントを使ってもらう→キサミと仲直り


お、何かやる気出てきたぞ。


「何にやけてんだよ、気持ち悪ぃ…」


ジキルが言った。

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