★えぴろーぐ
あれから二日後…
「おはようございますカニ先輩!」
ここは、天園の悪魔対抗課アジア支部の部屋。
「タロエル。もう退院したのか。」
「はい、お陰様で。天界の医療は進んでますねぇ。つい二日前までは、生死をさまよってたのに、俺。もうこんなに善くなって。」
「まだ良くなったようには見えないが…」
俺は、いま右手はギブス、左手と腹部に包帯を巻いている状態だ。
「ま、いろいろ大変だったすよ。右手は、義手決定だし。」
「ああ、お前が入院してる時、俺も大変だったよ。お前が任務に関係もないのに羽を使ったりエレメントを使ったお陰で始末書が、山の様にだ。」
え?そんなに?
「タロエル。今日から後始末大変だと思うけど頑張れよ。」
「そんな〜殺生な〜。カニ先輩手伝って下さいよ〜。」
「アホ。俺もお前のせいで仕事が増えたんだ。それぐらい自分でやれ!」
コンコン
ガチャ
「お兄ちゃん、弁当持って来たよ〜」
知らない女が入って来た。はて?どこかで見たような…
「おう、カーニャ。着てくれたのか。ありがとう。」
カニ先輩が言った。カニ先輩の妹かよ。似てねー。
「あ、タロエル、初めてだったな。そっちは監視課に勤めてる俺の妹カーニャだ。」
どっかで見た事あるような気がするんだよな。最近…
「あーっ!!?」
い、い、石川カナだ!!
「こんにちは、タロエル君。」「ちなみに重傷のお前を天界まで運んだのもカーニャだ。」
え、いや、ちょっと待って。
「潜入監視調査の最中だったんです。人間に化けて、天使が×××なことをしないか見張ってたんです。あの時は。」
は?もう意味がわかんない。つまり俺が人間だと思って一夜を過ごした相手は…
監視課!
「ひとつ借りができましたね。タロエル君。」
ああ、大変なこっちゃ…
***
今、俺の奢りでカニ先輩とカーニャと俺で飯を食べに来てます。
「で、正直なとこ。どうだった?今回の任務。」
今回の任務ねぇ
「最悪でしたよ。」
本当に
「ま、一応。天使長から口止めされてるから、周りにはしゃべるなよ!」
…
「ねぇ、カニ先輩。」
「何だ?」
「天使の仕事って何なんですかね?」
「…」
「あの二人はただ愛し合っていただけです。なのに何で死ななきゃならなかったんすかね?」
「タロエル…」
「俺、なんか悔しいっす。何もできなかった自分が。」
本当に何もできなかった。
「タロエル、強くなれ。強くなって次あんなことがあったら何かを変えられる天使になれ。お前ならできるさ。」
何かを変えられる天使か…
強くなったら宮野と坂田が、笑って暮らせるような世界が作れるのかな?
なら、強くなりたい。
本当の力が欲しい。
そんな気になる一週間だった。
だいぶ勢いだけで書きました。続編を作るつもりなんでそこもよろしく。