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滅びた技術文明に転生した俺は、素材から世界を作り直す  作者: Stellune


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2/5

灰の屋根と、最初の火

不定期だからね。

「……まずは、火だな」


生き延びるには、すぐに動き出さねば。

転生した理由もはっきりしないが、それだけは無意識にでも理解できる。


まだ日は高いが、そのうち夜が来る。

この廃屋に、何が潜んでいるかも分からないまま闇に飲まれるのは、さすがに御免だ。


俺は床に散らばる瓦礫を見渡し、意識を集中させた。


【素材:朽ちた木材】

【素材:乾いた布切れ】

【素材:錆びた鉄片】


——組み合わせは、頭の中に自然と浮かんでくる。

まるで昔から知っていた手順を、思い出していくみたいに。


「……クラフト」


次の瞬間、手元で淡い光が瞬いた。


木材は細く削られ、布は芯の形に丸められる。

錆びた鉄片は、火打ち金のような形へと変わっていた。


だが——


「っ、失敗……?」


火は、点かなかった。

代わりに残ったのは、不格好な火起こし道具と、じんわりとした疲労感だけだ。



——万能じゃない、か。


俺は短く息を吐き、もう一度手を伸ばした。


「素材が悪いなら……作り直せばいい」


クラフト、とつぶやきより良い方法を探っていく。

布を裂いて繊維をほぐし、木材をさらに乾いた部分だけ選ぶ。

鉄片も、錆の少ない箇所を削り出した。


【クラフト可能:たき火】


表示を確認して、頷く。


「……クラフト」


カチッ。


火花が散り、布切れが燻った。

生じた火が、乾いた木材へと移り炎へと変じる。


数秒後、体を温める光が、確かにそこに生まれていた。


思わず、笑いが漏れる。


「……生きられるな、これなら」


ほっ、と息をついたその時だった。

わずかな安堵を切り裂くように。


廃屋の外、闇の向こうから——

金属が地面を引きずるような、低い音が聞こえたのは。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。

評価やブックマークをいただけると、「よし、続きを書こう!」と作者のやる気が跳ね上がります。

応援していただけたら幸いです。

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