侵入
~特別攻撃隊の紹介~
【レオンハルト】
辺境の小国、オルドヴィア王国の王子。魔王を討つため、特別攻撃隊を編成した。度が過ぎるほどの生真面目。
【グン】
レオンハルトに育てられたフェンリル(神獣の銀狼)の双子の兄。冷静沈着で自信家。
【カミロ】
騎士。故郷の村を魔族に蹂躙された過去を持つ。陽気で荒っぽい。
【ブリュー】
カミロに育てられたフェンリルの双子の弟。好奇心旺盛で無鉄砲。
【ルカ】
魔法使い。奴隷のように働かされていた採掘場から連れてこられた。温和で仲間思い。
雷光が明滅するたび、無数の影が浮かび上がる。翼を畳み、城壁に所狭しと張り付いたワイバーンの群れ。ドーム型の屋上の頂点で、古めかしい女神像がその異様な光景を冷たく見下ろしていた。
女神の掲げる黄金の受け皿。そこで怪しく輝く紫色のクリスタル――。
ドォォォォォン!
どこからともなく飛来したワイバーンの頭部が、女神像ごとクリスタルを粉砕した。遅れて響き渡るソニックブームの轟音。特別攻撃隊の奇襲だ。
グンとブリューは垂直に近い城壁を、重力を無視して疾走する。
驚愕し、慌てて飛び立つワイバーンたち。グンとブリューは、ワイバーンと戦っているのではない。
銀色の二条の光を追従するのは、雷光を反射して透明に煌めく一条の影。
「のっぺらぼう」の死神――大天使ニョグダだ。ニョグダは空から城全体を見張り、特別攻撃隊の奇襲に備えていた。
ブリューの右斜め後方に控えていたグンが、急激に軌道を変える。ニョグダはそれを逃さない。
独走状態となったブリューが、挟み撃ちを狙って大きく円を描き、横から飛び掛かった。
だが、ニョグダは滑空でそれを難なく回避する。
勢いのまま空中に放り出されるブリュー。万事休すかと思われたその瞬間、カミロの後ろでブリューに跨るルカが動いた。
「捕らえたッ!」
振り向き様に放たれた結束魔法のゴムが、付近を飛んでいたワイバーンを絡め取る。ブリューが渾身の力を込めて腰を捻れば、ワイバーンは遠方の山へ向けて弾丸のごとく叩き付けられた。その凄まじい反動を利用し、ブリューは空を蹴るようにして城壁へと舞い戻る。
作戦など存在しない。この戦いは、純粋な反射と信頼による即興劇だ。これまでの過酷な訓練、そして死線を共にしてきた阿吽の呼吸。それだけが、神に抗う唯一の武器だった。
だが、白い異形はやはり神獣より速い。
(――追いつかれる!)
レオンハルトが振り返り様に矛を構えた瞬間、グンが予備動作なしに体勢を低くした。Vカットだ。
レオンハルトは瞬時に意図を汲み取り、前方へ向き直る。そして、全力で矛を石突から城壁の地面へと深く突き刺した。
無減速、かつ物理限界を超えた急旋回。
ニョグダがそれを追おうと角度を変えた刹那、気づいた。
己の腹を、地面から突き出た不動の「矛」が貫通していることに。
神の肉体に重なる影。
「堕ちろぉぉぉッ!!」
上空から急降下したブリュー、そしてカミロの矛が一閃。
神の頭が、夜空に高く舞った。
転がる頭をルカの拘束魔法がキャッチし、待ち構えていたブリューの強靭な顎がそれを木っ端微塵に粉砕する。
串刺しになったままの胴体は、頭を失ってもなお矛を抜こうともがいていたが、グンがその四肢を噛み砕き、逃さない。
二頭の神獣によって、大天使ニョグダの身体は食いちぎられ、無残な肉塊となって闇夜の底へ放り捨てられた。
リベンジの歓喜に浸る余裕などない。
「中へ入るぞ!」
特別攻撃隊は勢いそのままに、石壁ごと窓ガラスを突き破り、魔王城の深部へと雪崩れ込んだ。
数ある作品の中から私の作品を選んでお読みいただき、誠にありがとうございます(*・ω・)*_ _)ペコリ
『六年制ニート、時々、世直し。〜愛犬の介護をしたいので、バカな男はまとめて沈めます〜クソガキ殲滅!』
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私と愛犬の体験を元にした渾身の一作です(`・ω・´)キリッ
後書きの下の画像(アメコミの背景に黒パーカーの女の子がポーズを決めている写真)がリンクになっております。
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