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第32話 ハッピーエンド!

 僕の告白が大成功したところで。

 今度は、大吾からサプライズな告白が飛び出したんだ。


「瑠衣。

 俺もお前に謝らないといけないことがあって」

 なんだ、大吾、急に?


「実は俺……。

 茉莉と付き合っているんだ(照)。

 内緒にしてて、ごめんな」

 え、え、え。

 あ、やっぱり! そうじゃないかとは思っていたけど……。


「そ、そうなんだ。おめでとう!」

「ありがとう!

 実は、去年の夏ぐらいから付き合い始めたんだ」

 そんなに前から!


「瑠衣より先に、茉莉と知り合っていたことは内緒だったし。

『美帆ちゃんが告白するまでは内緒にする』

ってことで、付き合い始めたんだけど。

 二人がなかなか付き合わないから、こっちも大変だったんだぞ!

 瑠衣にも、周りにも内緒にして、こそこそと付き合ってさ」

とニヤニヤしている大吾。


「私だって隠しているの、いやだったよ!

 でも、美帆が告白するまでは、邪魔になることはしたくなかったから。

 美帆には、何度も『絶対大丈夫だから告白しろ』って言ったのに、言うこと聞かなくて、大変だったんだから」

と茉莉ちゃん。


 そう言われて、

「だって、身長のことがあったし。私、全然かわいくないし」

って拗ねている美帆ちゃんは、とってもかわいいんだけど!


「瑠衣君、おめでとう!

 でも美帆、すごく嫉妬深いからね。大変だよ。

 これまでは、瑠衣君の前だからネコかぶってたけど。

 瑠衣君が、他の女子と話したりしていると、裏では嫉妬でうるさくて大変だったんだから」


「茉莉、よけいなことは言わないで!」

 うん、美帆ちゃん。ちょっと怖いけど、これからもよろしく!


 それで大吾から、

「バレー部を辞めたのって、俺もいろいろと限界を感じてたし、真莉と会う時間が欲しかったからだから。

 それも言えなくて、悪いと思ってたんだ。

 バレーのことは、瑠衣が責任を感じる必要はまったくないから!」

と言われて、

「そういうことかー!言えよー」

 なんて、ちょっとホッとした(笑)。



 こうして、モルック・フェスは無事に終了した。

 フェスの様子は、その後ミッドナイト4のチャンネルで配信されたり、『モルック魂!』で紹介されたりしたんだけど。

 番組では、短く紹介されただけで、大々的には放送されなかったけど、モルック好きな人や鶴谷城高校の中では、それなりに話題になったようだ。


 そして、番組の放送から数日が経ってから、ネットに「モルックで不正発覚!」というタイトルで、ミッドナイト4がモルックで不正をしていることを告発するショート動画が、何者かの手によって投稿された。

 ショート動画には、モルックを投げるアユムと、なぜかモルックが当たっていないのにスキットルが倒れる様子が、スローモーションで何パターンも映っていた。

 

 動画はすぐにネットで拡散され、ミッドナイト4のチャンネルには、疑惑を追及するコメントが殺到した。

 そして、その数日後、黒髪にしたミィとマーちゃん、坊主になったアユムとユーマの謝罪動画がアップされることとなった(二回目)。


 アップされた動画は、「モルックの試合で仕込みによる操作を行ったのは事実です」という謝罪から始まり、アユムからは、

「フェスを盛り上げるための演出のつもりだったが、許されないことをした」

という説明があって。


 今回の不正は、アユムとユーマが独断で行ったことで、ミィとマーちゃんは不正に関係していないこと、クラファンで集めたお金は返金すること、今回の責任をとってアユムとユーマがユーチューバーを引退すること、などが発表された。


 そして謝罪動画に、なぜかプリンスが出てきた。それで、

「今回、不正があったトーナメントで僕たちのチームが優勝したことは無効だと思います。なので、賞金を受け取るのは辞退することにしました」

と宣言した。

 これを伝えるために登場したわけだけど、アユムとユーマがプリンスに謝罪して、

「いろいろ迷惑をかけたお詫びじゃないけど、僕たちは引退するので、ミィとマーちゃんと、このチャンネルをプリンスがやってくれないか」

という提案が行われた。

 な、なんだってー! 衝撃の展開!……なーんて、大人って汚いなー。


 驚いた表情を浮かべたプリンスだったけど、何度かやり取りがあった後、「前向きに考える」ってことで、その動画の中での話は終わった。


 後日、ミッドナイト4のチャンネルはプリンス率いる「江戸川プリンス」のモルック専用チャンネルに生まれ変わることが発表され、ミィさんの江戸川プリンスへの移籍が、チャンネル内で発表された。

 ミィさんはこれまでどおり、インフルエンサーとしての活動も続けるみたい。

 マーちゃんさんは「今後のことはこれから考える」そうだ。


 江戸川プリンスのモルック専用チャンネルとして生まれ変わった元「ミッドナイト4」チャンネルは、良くも悪くも話題になったおかげと、賞金を辞退してチャンネルの危機を救ったプリンスの好感度アップのおかげで、ネットで賛否を呼びながらも、前より登録者数も再生数も上がっている。


 チャンネルは僕も楽しく見ているけど、プリンスと仲良さそうにしているミィさんが映るたびに、美帆ちゃんの怒りの表情を思い出してしまう(苦笑)。



 モルック・フェスが終わり、新学期を迎えた。

 二年生になって、残念ながら美帆ちゃんとは違うクラスになってしまったけど、茉莉ちゃんと同じクラスになって、美帆ちゃんと大吾が同じクラスになった。

 僕たちのクラスの担任は赤城先生だ! やったー!


 そして新学期早々、赤城先生から理科準備室に呼ばれて、同好会の6人のメンバーが集まった。

 で、「君たち、モルック同好会を部にしない?」と聞かれたんだけど。

 え、どういうこと?


 赤城先生から、新学期早々の職員会議で「モルック同好会」のことが話題になり、一部の行動が問題なったそうで……。


・本人たちが投稿しているわけではないが、モルック同好会の投てきシーンが切り取られてネットに上がっている

・学校でモルックが流行っているのはいいが、同好会に登録せずにマナー違反なプレーをしている生徒が散見される

・本人たちの問題ではないか、モルック・フェスという、主催者が問題を起こしたイベントに参加していた


といった行動について「いかがなものか」という意見が、二年の学年主任の所澤先生を中心に持ち上がってきたそうだ。

 それと、文化祭やモルック・フェスの動画の影響で、同好会への参加を希望する新入生がたくさんいて、さすがに同好会で学内のモルック活動を管理するのは難しいのでは、という話にもなってきた。


 赤城先生から、「なんか、とくに所澤先生が、前から生徒会や同好会の活動をよく思ってなかった」ようで、「いろいろ問題がある同好会は解散させることも考えるべき」という意見もでたらしい。


 なんだよ、それ! 全部僕たちは悪くないじゃないか! 

「まーまー、所澤先生もPTAからクレームを言われる立場だから、いろいろ大変なのよ」

 えー! 赤城先生、優しすぎません!


 で、それならいっそのこと「同好会から部に格上げして、学校の管理のもと活動します!」って赤城先生が提案して、かばってくれたらしい。

 ありがとうございます! 赤城先生!


「3年生には悪いけど入部は断って、2年生と1年生の部にしない?

 同好会でやっていた、生徒が学校でモルックをやりたいときの管理は、生徒会に任せてさー。

 生徒会も、モルックをうちの学校の売りにしてアピールしたいみたいだし。

 マナー違反は、風紀委員会にビシバシ取り締まってもらることにしない?」


 赤城先生、いろいろと考えてくれて、ありがとうございます!

 正直、モルックへの気持ちは強くなる一方なので、僕は部活にしたい!

 ただ、気楽にモルックをやりたい人のことも尊重したい気もする。


「そのあたりは部になっても変わらないようにしようよ」

と、美帆ちゃん。

「部活動になって、いままで以上に熱心に練習するようになって、部活動についていけない子たちもでてくるかもしれない。

 でも、いっしょにモルックを真剣に活動するようになるかもしれない。

 私は、活動を続けながら、うまくバランスを取っていければいいと思うんだけど」と強いまなざしで、自分の考えを語ってくれた。


 赤城先生からも、

「部にする手続きにも時間がかかるから、新入部員を募集しつつ、半年ぐらいかけてゆっくり部になっていけばいいじゃないかな?」

という言葉をいただいたので、みんなで鶴谷城高校・モルック部をどうするか考えていくことになった。


 プリンスとは近々、チャンネルで戦うことになっているけど、勝負とは別に、モルックを盛り上げる活動にいろいろ協力してほしいと言われているけど。


 僕にとって、モルックがスポーツなのか、エンタメなのか、まだわからない。

 いまはモルック同好会を、「モルック部」にして、楽しく真剣に活動することを目標に活動しよう!


 そして、モルックの公式大会にもどんどん出場するぞ!

 高校生向けのモルック大会もあるらしいから、そこでの優秀を目指す!

 そして日本の大会で活躍できたら、いつか世界大会に出てみたい。

 それに大会に出るだけじゃなくて、モルックをもっと大きなスポーツとして広げたい。

 スポーツ&エンタメで、モルックを極めたい!

 それが、これからの僕の目標になった。



 あ、プリンスには内緒だけど、もちろん美帆ちゃんとは、普通に付き合ってます!

 モルックの勝ち負けで、付き合ったり、別れたりしないんで!

 でも、プリンスに勝ってミィさんとは別れてもらわないと、美帆ちゃんが不機嫌になるので、打倒プリンス! で頑張ります!

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