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第27話 犯人を追え!

 モルック・フェスの最後のセレモニーとして、トーナメント戦の表彰式が行われた。

 なぜかちょっと挙動不審なアユムさんが、しどろもどろにプリンスとトークしながら、江戸川プリンスに100万円と書かれた大きなボードと、賞品の目録を渡す。


 ミィさんやマーちゃんさんは「負けたけど、楽しかったー!」と笑顔で試合の感想を言っていたけど、ユーマさんはボーっと突っ立ったまま、ずっと無言だった。

 でも、会場はすごい盛り上がりだった。


 僕たちが、最後の試合に使われたモルックの道具がこっそりなくなったりしないように見張っていたら、スタッフの斉藤さんが表彰式の間にグラウンドに置かれていた道具をどこかに持って行こうとしたので、こっそりと後を付けた。

 モルックの道具は、ミッドナイト4の控え室に運ばれていった。斉藤さんは控え室に入ったきり、でてこない。


 そのまま、控え室を見張りながら、状況をプリンスや松本さんに連絡して指示を待っていると。表彰式が終わって、ミッドナイト4のアユムさんとユーマさんが駆け足で戻ってきて、控え室に入っていった。


 控室のドア越しに中の様子をうかがうと「なんで倒さなかったんだ!」「無理ですよ!」とか言い争っている声が聞こえてくる。

 そこに、遅れてプリンスが到着したんだけど、ミッドナイト4のミィさんとマーちゃんがいっしょにいる!


 2人がいることに驚いている僕たちに、にっこりと笑って「大丈夫」と、声を出さずに口を動かす、プリンス。

 そして、ミィさんが控え室のドアをノックしたんだけど、控室がシーンと静かになっただけで、返事はない。

 それで、ドアを開けようとしたけど、鍵がかかって開かないようだ。


 再びミィさんがドアをノックして、「アユムー、ユーマー。わたしだよー、開けて〜」と言ったら、

「ごめん! いま立て込んでて、ちょっとどこかで時間つぶしてて!」

という返事がアユムさんからあった。

 そうしたら、ミィさんが控え室の鍵を持ってて! ガチャっと開けて控室のドアを開いた。

 そこには、アユムさん、ユーマさん、チャンネル・スタッフの斉藤さんがいて、足元にさっきの試合で使ってたはずのモルックの道具が置かれていた。


 アユムさんが、

「な、なんだよ、ミィ! いま立て込んでるって言っただろう!」

と叫んだ後に、ミィさんの横にいるプリンスに気づいて、

「なんで、ここにプリンスがいるんだ!

 でてけよ!」

と大きな声で叫んだ。


「なんだい、アユム。ひどいじゃないか。

 せっかくモルック・フェスの成功をいっしょに喜びたいと思ってきたのに」

とプリンスが言うと、

「プ、プリンス、悪いんだけど。

 いま忙しいんだ。後にしてくれないか」

と、普段は余裕な感じで、ちょっと人をバカにした感じのアユムっぽさが、いまはまったく感じられない。


「アユム、ユーマ。実は二人に緊急で見てもらいたい動画があるんだ」

と言って、プリンスが松本ディレクターが送ってくれた、不正疑惑のある投てきシーンの動画をスマホで再生しはじめる。

 それは短い動画だったけど、ミッドナイト4が不正を行ったのではないかという、疑惑の投てきシーンをまとめたものだった。 『モルック魂!』のスタッフが、最後の試合の最中に、急いで編集してくれた動画だ。


 動画を見たとたん、青ざめた表情になったアユムが、

「この動画がどうしたって言うんだ!」

と言って怒り出す。

「いや、君たちがモルックの試合中に何か不正を行っているんじゃないか? っていう人たちがいてね。僕にこの動画を送ってくれたんだ」

と冷静に対応する、プリンス。


「プリンス!

 こんなのフェイク動画に決まってる!

 AIにでも作らせたんだろ!」

「そうかもしれないね。

 それで、お願いしたいことがあって。

 君たちの潔白を証明するために、そこにあるモルックの道具を見せてもらえないか?」

 そういって、床に置かれたモルックの道具を指差した。


「この動画を見る限り、何かの仕掛けがされていて『遠隔操作でスキットルが倒れる』ようになってるとしか思えないんだ。

 だから、最後の試合に使った道具を調べれば、君たちの潔白を証明できるんじゃないかな?」

 それを聞いて、慌ててモルックの道具を隠すように、その前に立ちふさがる、ユーマ。


「なに言ってるんだよ。そんなことするわけないだろ!

 いいがかりもいい加減にしろ! 名誉毀損で訴えるぞ!」

と、アユムが取り乱す。


 ユーマも吠える。

「そうだよ! 僕たちはフェスが盛り上がれば、それでいいんだ!

 なんで、そんなことをしてまで、たかがフェスのトーナメント戦を勝ちにいかないといけないんだ! おかしいだろ!」

と、そこで「それはだね」と言い出したプリンスを制して、一歩前に出たミィさんが、

「それは、優勝賞金の100万円が払えないからでしょ」

と2人に向かって言い放った。


 えっ、優勝賞金が払えない? お金がないってこと?

 ミィさんが変なことを言い出したな。

 クラファンをやって、スポンサーもついてて、今日もたくさんのお客さんが集まってるのに?

 でも、それを聞いたアユムが「ミィ、気づいていたのか」とガックリと肩を落した。

 いったい、どういうことなんだ???

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