第21話 予選トーナメント開始!
午前中の試合がすべて終了し、予選突破の8チームが決まったところで、お昼休憩になったので、校庭の芝生のあるところにシートを敷いて、みんなで持ち寄ったお弁当を食べることにする。
今日は、鈴木さんと井口君が作ったモルック・チーム「柏ピーナッツ」も参加していたんだけど、二人のチームは、予選でいいところまでいったんだけど敗退してしまった。なので、午後は応援とサポートに回ってくれるそうだ。
昼食は、今回も男子たちのお母さんが作ってくれた茶色い弁当と、女子たちのカラフルなお手製の弁当。
今回も大智さんはかわいいキャラクター弁当で、谷口さんはお店で売っているかのようなお弁当。鈴木さんは、フルーツやスイーツが多くてお弁当というよりデザートみたい(笑)。どのお弁当もおいしい。
みんなでシェアして食べながらワチャワチャと話していると、なぜか大会主催者のミッドナイト4のミィさんがこっちにやってきた。
当然、ミッドナイト4目当ての参加者が多いから、周りの人がこっちを見ている。ちょっと恥ずかしいな。
それで、「美帆ちゃん、ちょっといい?」とミィさんが大智さんに話かけてくる。
「あ、はい……」
と大智さんがシートから立ち上がって、ちょっと離れた場所で立ち話をはじめる。
この前、チャンネルの撮影で会ったときも、ミィさんに話しかけられていたけど、二人は仲いいのかな?
でも遠目から見てると、ミィさんが何かをお願いしているようで、大智さんは顔をしかめつつ、うなずいているみたいだ。
少し話してから、大智さんが戻ってきた。
「どうしたの? 大丈夫?」
「うん、ちょっとね……」
と会話を濁してきて、なんかこれ以上話を聞けない雰囲気になったので、そのまま食事を続けた。
午後から、いよいよモルック・フェスの参加者を決めるトーナメント戦がスタート! 8チームで1試合2セット(時間制限あり)で勝敗を競う!
8チームのトーナメント戦なので、一回戦、準決勝、決勝と3回勝てば優勝だ! 勝つぞ!
僕たちの1回戦の相手は、ビリヤードの服を着たビリヤード店「エルビス」の店員さんチーム! 僕たちのチームと同じく男女混合だけど、大人っぽい雰囲気で華やかなチームだ。
1セット目は相手チームのブレイクショットでスタート! 相手チームがガシャで12本倒した!
後攻になった僕たちは、僕の一投目で10本倒した。12対10。けっこうピンが散ってしまった。やばい!
それで2ターン目は、相手が⑧ピンを倒し、僕たちが⑦ピンを倒して、20対17で、3点差で負けてる!
でも、3投目で相手がミスショットをしたので、20点のまま。
それで、こちらはもう一度⑦ピンを倒して20対24点になって逆転! 4点リードだ!
そのまま最後までリードを守って、一セット目は32対50で勝利した!
2セット目は、僕たちのチームが先攻で、これまでどおり僕がブレイクショットを投げて10点獲得。うーん、今日はイマイチ、ブレイクが決まらない!
後攻の相手チームがガシャで11本倒して、10対11。
2ターン目は大智さんも、相手チームも、手堅く高ポイントをゲットして、なかなか差が開かない。
うわっ! 3ターン目で大吾が投げたモルック棒が外れてしまった。ゼロ点!
高得点狙いで投げた大吾のモルック棒が、ピンの手前に落ちて変な跳ね方して明後日の方向に行っちゃった。
うーん、ここのグランド、コンディションがあまり良くないな。
それで、2セット目は落としてしまったけど、一勝一敗で合計点が僕たちのチームのほうが上回って、なんとか1回戦を突破できた!
勝利できたものの、みんなの調子がいまいち上がってこないので、2回戦が始まる前に緊急ミーティング。
今日はあまりいい出来の投てきがない大吾を谷口さんが、
「ビリヤードのお姉さんたち、綺麗だったもんね。
見とれてて集中できなかったんでしょ(笑)」
と、いじってくる。
「そんなんじゃないって!
お昼を挟んだから体が冷えちゃったのかな? 体が縮こまってしまって。
試合前に、もっとストレッチしておけばよかった」
と反省して、その場でストレッチをはじめる大吾。
そこで、僕から一つ提案。
「僕、今日はブレイクはイマイチだけど、縦投げの一本倒しは調子がいいから、次は順番を変えたいんだけど。
大智さん、1番手をお願いしてもいい?」
そう聞いた僕に、うなずく大智さん。
すると谷口さんからも、
「それなら、次から私、外れてもいい?
腕が疲れてきて寒さもあってコントロールの精度が悪くて。
私は投げないで、指示に徹したほうがいいと思う」
オーケー。
今回の大会ルールならそれができる。次の試合から三人で順番を回そう。
大智さん、僕、大吾の順で投げて、僕か大吾で試合を決めよう!
お互いに修正点を確認して、チーム戦術を立て直し、気持ちを入れ直して準決勝に挑む!
トーナメント準決勝の相手チームは、ベンチャー企業の広報部が中心になって作ったチームだった。会社の同僚の人もたくさん応援に来ていて、きれいな広報のお姉さんとかが応援していて、華やかな感じ。
大吾が、「美人が多すぎじゃないない! 相手チーム!」とか余計なことを言って、谷口さんにどつかれていた(笑)。
1セット目は、相手チームの先攻になり、1投目はガシャで12本をなぎ倒してくる。チームのレベルが上がってくると、ブレイクショットは確実に決めてくるな。
でも、まだピンがそれほど散らばってない。
後攻になった僕たちのチームは、大智さんのガシャで10本倒せた。12対10!
2ターン目、相手が⑪ピンを倒す。
次は僕の番だ。同じく⑪ピンを狙って倒せた!これで、23対21!
3ターン目、相手チームの選手が縦投げで、難しい位置にある⑫ピンを見事に倒した!
大吾も⑫ピンを狙って投げたけど、ミスショットになって2本倒れる! 35体23!
4ターン目、相手チームが再び⑫ピンを狙って投げる!これはミス! 0点! 助かった!
大智さんが⑩ピンを狙って当てる。これで35対33! さらに⑩ピンを⑫ピンに寄せることができた。
5ターン目、⑪ピンも取るのがむずかしい位置なので、相手チームが⑩ピンを狙って投げたけど、⑩ピンだけじゃなく⑫ピンも巻き込んで、2本倒してしまった。
ここで僕が⑩ピンを倒して、37対43で、ついに逆転した! これで⑦ピンを倒せば勝ちだ!
6ターン目、相手チームが⑦ピンを狙ってきて上手に当てる!
それで、⑦ピンをだいぶ遠くに飛ばされたけど、周りに他のピンはない。
次は大吾の番だ。
⑦ピンが取りにくくなったけど、ここは大吾が得意の遠投を見事に決める!
7点ゲット!
44対50で1セット目は僕たちの勝ち!
この勢いに乗って二セット目は大智さんがブレイクショットで12本倒して、2ターン目は僕の縦投げ、3ターン目は大吾の遠投、4ターン目は大智さんのふわりが決まって得点を重ね、最後に僕はバックスピンを効かせて、難しい位置の③ピンを倒して50点に到達した!
これで2連勝! 僕たち、ホワイト・ウッドが決勝進出だ!
最後の試合は、全員が得意とする投げ方で得点することができた。
この波に乗って、優勝するぞ!




