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第15話 ユーチューブ・チャンネルに出演!

 ミッドナイト4のユーチューブ・チャンネルから、正式に出演オファーがあった。

 出演したいけど学校の許可がいるので、「出演してほしい理由」をチャンネルのスタッフ、斉藤さんに聞いてみる。


 斉藤さんが言うには、僕がちらっと映ってたユハさんの動画がバズったこともあるけど。

 モルックは、大学生の間で流行っているらしく、大学生モルッカー向けの大会もあるらしい。それでミッドナイト4のチャンネルでは、大学生のチームとよく対戦してて好評らしいんだ。

 でも高校生のモルッカーはまだ少ないらしく、同好会まで作っている子は珍しいから紹介したい、ということらしい。


 まあ、モルックの実力じゃなくて、話題性だよなぁ。

 僕たちに話題性があるとは思えないんだけど。

 あと、ミッドナイト4より若いモルッカーをチャンネル内で応援して、モルック界全体を盛り上げたいんだって。


 正直、今の僕たちはチャンネルに出られるような実力じゃないけど。ミッドナイト4も真面目にモルックを活動するというより、エンタメとして楽しもうって感じだし。アユムさん以外のメンバーとも、話をしてみたいな。


 会長の大智さんはあまり出演に乗り気ではなかったんだけど、他のメンバーが希望したので、生徒会と学校に出演してもいいのか聞いてみることなった。

 すると生徒会が「学校内活動のいいアピールになる」と、学校にプッシュしてくれたそうで、顧問の赤城先生が同行するという条件で出演許可が出て、ミッドナイト4のチャンネルに出演できることになった!


 チャンネルの撮影は、学校が終わった後の平日の夜、都内のフットサル場で行われた。僕たち4人と顧問の赤塚先生、それに鈴木さんと井口君まで見にきてくれた。


 大吾はバレー部の練習を休んでくれたのかな? と気になったので、「部活のほうは大丈夫だったの?」と聞くと。

「ああ、バレー部は少し前に辞めたから大丈夫だ」という驚きの返事が!


「えっ!」

「瑠衣といっしょ。僕もバレーは卒業だ」と何の気なしに言ってくる。

「いっしょって……」

と、とまどっていると。

 そのタイミングで「撮影を始めようか」と、ミッドナイト4のアユムさんが話しかけてくる。

 ユーマさん、ミィさん、マーちゃんさんもいる。

 近くで見ると、みんなかっこよくて、かわいくて、オーラがあるな!


 撮影は、モルックを使ったいろいろなゲームで5番勝負を戦うという内容だった。

 最初の勝負は、オーソドックスにモルックの試合を行う。

 先に2勝したチームが勝ちというルールで試合スタート!


 じゃんけんで大智さんが勝ったので、「ホワイト・ウッド」の先攻で、ブレイクショットはもちろん僕だ!

 右手でモルック棒を握ると、そこには『モルック魂!』の番組ステッカーが貼ってある。

 これまでの練習の成果か、僕のブレイクショットはガシャで12本を倒せた! 

 続いてはアユムさんの番だ。こちらもガシャで12本倒す! やっぱり強いよ!


 それから、試合は1勝1敗になったものの、3試合目をミッドナイト4が勝利して、最初の勝負はモッドナイト4の勝ち!


 2番目の勝負は、遠くに置かれたモルックを倒すという勝負だ。

 最初は3・5メートル先にある一本のスキットルを倒す。次は5メートルで、倒せたら7メートル、8メートル、8・5メートルといった感じで距離を伸ばしていって、誰が一番遠いスキットルを、最後まで残って倒せるかを競い合った。


 夜のフットサル場だったから、夜間照明にスキットルのピンが光って見えづらかったんだけど、最後まで残った僕が、13・5メートル先のピンを倒して勝利した!

 いつもの何倍も先に置かれたスキットルのピンを倒すには、山なりに大きく弧を描いて、モルック棒に腕の振りのパワーを殺さずに伝えないと、うまくいかない。

 遠投は、過去の動画でアユムさんが16・5メートルを倒していたから、どうなるかと思ったけど、なんとか1勝をもぎ取ることができてよかった!


 3番目の勝負は、横に3本並べたスキットルの、真ん中の1本だけを倒していくルールで、倒せなかったら脱落していく。

 これは、縦投げ投げが得意でコントロールが抜群にいい大智さんが勝ち残っていって、最後はユーマさんとの一騎打ちになったけど、大智さんの勝利!


 4番目美勝負は、スキットルを12本から3倍の36本に増やして、何本倒せるかだ!

 これは大吾が、バレー部で鍛えたパワーで、モルック棒を低く、早く、強く転がして、スキットルの束のセンターにぶち当てて26本をなぎ倒して勝利!


 それで最後の勝負は、ぐるぐるバットで、地面から立てたバットに頭をつけて10回、回ってからモルック棒を拾って投げるという試合を、チーム戦で行った!

 正直、みんな外しまくって試合にならなかったけど、普段はクールに投げている大智さんがぐるぐる回ってフラフラになりながら、あさっての方向にモルック棒を投げているのは、かわいかったなー!

 一人、ミッドナイト4のミィさんだけ、三半規管が異様に強いのか、ぐるぐるバットの影響をまったく受けずに着々と点数を積み重ね、ミッドナイト4チームの勝利!

 えー、それってミッドナイト4に有利すぎなーい!


 それで、本当は3ポイント対2ポイントで僕たちのチームが勝利! のはずだけど、最後のぐるぐるバット対決だけが3ポイントになって、5ポイント対3ポイントで僕たちのチームが負けた! なにそれー!

 なんて、バラエティ番組っぽいことができて、負けたけど楽しかったなー!


 自分たちが人気ユーチューバーのチャンネルに出演できたなんて、信じられない。

 モルックの道具が当たって、モルックをはじめて、大会に出るようになって同好会を作り、ちょっとだけどネットで話題になるなんて、高校に入ったころには想像できなかったことが起こっている。


 撮影終了後は遅くなったので、電車で家に帰って、部屋でぼーっとしながら、モルックの動画を眺めている。

 そういえば、今日の撮影の間に、ミィさんが大智さんになにか話かけていたんだけど。あれはいったいなんだったんだろう?

 プリンスがミィさんと知り合いだから、大智さんとも知り合いだったりするのかな? 番組の見学で会ったりしていたのかもしれない。

 番組ステッカーも、やっぱりモルック棒に貼られていたし……。


 今日までに、わかったことがいろいろあるけど……。


・番組『モルック魂!』のプレゼントでモルックの道具が当たったのは僕だけで、大智さんの道具は当たったものではない

・プリンス、ミッドナイト4、大智さんのモルック棒には、『モルック魂!』の番組ステッカーが貼られている

・プリンスと大智さんは兄と妹という関係で、それを周囲に隠している

・プリンスとミッドナイト4は以前から知り合いで、大智さんもミッドナイト4と知り合いかもしれない


 いま、僕がわかっているのは、これくらいかな。



 数日後、ミッドナイト4のチャンネルで僕たちとの対戦動画がネット上に配信された。

 撮影は2時間ぐらいかかったけど、15分ぐらいの動画になってて、最初の試合や遠投対決はダイジェストなっていて、最後のグルグル対決だけがたっぷりと使われていた。


 ミッドナイト4が配信した動画の中では、再生されないほうの動画になっってしまったので残念だったけど。

 校内のホームページでチャンネル出演の件が記事になったため、クラスのみんなに知られて、またいろいろとからかわれて、恥ずかしかった。ぐるぐるバットでのリアクションが好評だった大智さんは、特に嫌そうだったけど(笑)。


 今回の動画もそうだけど、真面目にモルックに取り組んでいる人の中で、ミッドナイト4さんたちの動画はあまり評判がよくないらしい。今回もちょっとアンチが湧いたらしい。

 動画を撮っていたときも「あとで学校に怒られるんじゃないか」と心配だったけど、生徒会長からはノリノリで「面白かったよ! 評判もいいみたいじゃない!」

と言われただけで済んでよかった。


 話題になったり、周りから評価されることは、正直うれしい。

 だけど、全然それに実力が追いついてない。もっと練習して、大会に出て、試合に勝って、結果を出したい。


 だけど、ミッドナイト4みたいに「モルックの楽しさ」を世界に発信している人たちにも、ちょっとあこがれる。

 モルックは、もともとはフィンランドの遊びがスポーツになったもので、ユハさんも「エンジョイ!」ってよく言ってる。

 一モルッカーとして、行けるところまで行ってみたい気持ちと、同好会として学校や地元でモルックを盛り上げるのもいいな、って思う。


 僕たちの同好会は、真剣にやるべきなんだろうか?

 それとも、エンタメとして楽しんでやるべきなんだろうか?

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