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第3話 道中での出来事【挿絵】

荷馬車を走らせているとハクリュウ達の目の前をツタワームの大群が現れ道を塞がれてしまい……。

 あれから二手に分かれて行動していた。


 クレイマルスとハウベルトとシャナとアリスティアは、ひとまず国の状況を確認。それとノエルを助けるためにラウズハープ城へ向かう。


 かたや俺は、クロノアとシエルとディアナとグロウディスと辺境の地へ荷馬車で向かっている。御者はディアナだ。

 辺境の地へ向かってる目的は奴隷たちを働かせ建物を造らせているという事が本当なのか確認するため。

 それと、その建物を造らせている人物はオルドパルスかもしれない。そのため、それらを調べるべく向かっている。


「グロウディス。ここから辺境の地までの距離って結構あるの?」

「ディアナ、そうだな……ここからだと少しばかり遠い。この荷馬車を急ぎ走らせても結構、時間がかかる」

「そうなると、どこかで野宿か宿をとって交代で夜通し走らせることになるのか?」


 そう言い俺はクロノアの方に視線を向けた。


「ん〜……宿屋に泊まるのもいいけど。できればカジノとかがない町や村がいいかな〜。また、お金がなくなっても困るし」

「ク、クロノア様。あ、あれは……」

「何かあったのか? もしかしてカジノで大金を全部注ぎ込んで負けたんじゃないよな?」


 意外だ……クロノアが賭け事をするなんてな。


「まあ、そんなところね。でも私は深追いしてない。ディアナとハウベルトがディーラーにイカサマされて負けた。それを私が暴いて取り返したんだけど。アリスティアが出てきて、お店は全壊してしまい」


 突っ込むタイミングが……。


「カネがなくなったうえに町に戻れなくなって……仕方なく野宿しながら旅をする羽目になったのよ。それだけじゃなく……ギルドに加入してカネ稼ぎ」


 ギルドかぁ……俺も依頼を受けてみたい。


「って……なんで私が、こんな思いしなきゃならないのよ〜! 思い出したら腹が立って来たんだけど」

「全壊させたのは確かにアリスティアだけど。クロノア様があそこで身を引いていれば、あの様なことにはならなかったと思うのよね」

「クロノア! まさかと思うけど、また深追いしたんじゃないだろうな!?」


 この様子だと図星か……。


「あっ……えっと……ハハハハ…………」

「あのなぁ……前から言ってるけど、お前はやりすぎなんだよなぁ。いい加減、状況を判断して行動しないと周りに迷惑かけるぞ! 以前俺もお前と組んで何度も死ぬ思いさせられたからな!!」

「そういうハクリュウこそ! 慎重すぎて何度もギリギリの戦い方をしてるから、みんな心配してるのよ。もう少しフル活用してもいいと思うんだけど」


 俺が慎重すぎてるって? いや……いやいや、そんなはずない。


「なるほど……二人共、全く正反対の性格なわけか。ハクリュウは慎重に行動し、クロノアが大胆に行動するタイプってことだな」


 そう言いながらグロウディスは俺に視線を向ける。


「そして、ハクリュウ。お前は俺からみても確かに慎重すぎる。付け加えるなら、お人好しってところか。だから、あんな所で騙されて……」

「ちょっと待て! あれは、グロウディスが先に騙されたんじゃないのか? それも……」

「あっ……ごほん! あれは……まあ、お互いに騙されたという事で……な」


 グロウディス……誤魔化したな。まあいいか。俺もこれ以上……この話を続けたくないし。


 そう思っていると急に荷馬車が止まった。


 どうしたんだ?


 そう思い御者をしているディアナへ視線を向ける。


「ツタワームの群れが現れたわ!?」

「それは厄介だ」

「かなりの数なのですか?」


 そうシエルが問いかけるとディアナは頷いた。


 ツタワームって……魔物なのか?


「ねぇ……ツタワームってなんなの?」

「クロノア様……聖なる魔物。だから絶対に攻撃してはいけないのです」

「そうなると……ディアナ。通りすぎるのを待った方がいいのか?」


 どんな魔物なんだ? みてみたい。


 みたくなり立つと俺は、ディアナの方へ向かった。

挿絵(By みてみん)


「ツタワームをみにきたの? そんなにいいもんじゃないわよ。アタシは気持ち悪いから早く行ってって思ってるぐらいなんだから」

「聖なる魔物……これが? 数が多すぎる。なんで、こんな魔物が……」

「聖なる魔物ってえのは……触ったり攻撃しないようにするためにらしい」


 グロウディスの言ってることが理解できない。


 そう思っているとシエルとクロノアとグロウディスも前にくる。


「それって、どういう事なの?」

「クロノア様……この魔物は攻撃しなければ大人しいのです。それに触れたり攻撃しなければ増えません」

「ああ……シエルの言う通りだ。だが、この数は攻撃か触ったヤツがいるな」


 誰が……。


「そのことを知らないヤツが、ツタワームを増やしたってことなのか?」

「こんだけ増えてるってことは、その可能性が高いな」

「いったい誰が……このようなことをしたのでしょうか?」


 シエルの言う通りだ。いったい誰が……。


「ツタワームの存在を理解していない者かもしれないわね」

「ああ……ディアナ。そうとしか考えられん」

「この世界の人って、そのことを全員知っているの?」


 そうクロノアが問うとシエルとディアナとグロウディスは頷いた。


「じゃあ……俺たちみたいに異世界から来た者の仕業なのか?」

「そうとしか思えないわ」


 そう話をしていると……。


「「「「「……!?」」」」」


 ツタワームを薙ぎ払うようにウサ耳を付けたピンクのモフモフのお姉さんが「気持ち悪いのら〜」と言いながら物凄いスピードで通り過ぎていった。


「ハクリュウにクロノア……今のって知り合いか?」

「知らないお姉さんです」

「うん……誰だろう?」


 多分あの装備ってゲームのイベントで手に入るヤツだ。俺には必要ないから倉庫にしまってある。

 いや、そういう事じゃなくて……あの装備を着てるってことは同じ世界の人かもしれない。


「追おうと思ったが。何処に行ったか姿がみえなくなったな」

「かなり足が速い人でしたね」

「ディアナ……同じ世界の人なら恐らく盗賊スキルの【素早い逃げ足】と狩人スキル【爆狩り】じゃないかな」


 確かにクロノアの言う通り……アレはゲームの職業スキルだ。どっちが本職か分からないけど。片方がサブ職スキル。

 それにしてもあんなに可愛いお姉さんって居たのか? あれだけ目立つ格好してたら気づくはずだよなぁ。それに、この世界に召喚されたんだったら強いはず。

 ランキングにいれば…………まあ、そのうち逢えたら聞けるよな。


 そう思いツタワームの居る草原へ視線を向けた。


「ツタワームがいない!?」

「ホントだ!! もしかして、さっきの人を追ってったのかな?」

「クロノア様……そうかもしれません」


 何もしないで、ただみていることしかできなかったなぁ。まあ、それはそれでいいんだけど……なんか拍子抜けした。


「さて……厄介な魔物らがいなくなった。これで先に進める」

「この先に町があるんだよな?」

「ああ……以前に訪れた町だ。まあ大きいとは言えんがな」


 どんな町なんだ?


 そう思いながら遥か先を見据える。


「もう……何も出現しないわよね?」

「もしかしてクロノア……怖いのか?」

「ハクリュウっ! そんなんじゃないわよ!! ただ野宿したくないだけ」


 確かに野宿は嫌だ。


 そう思い空を見上げる。晴れているのに雲が渦を巻いていた。


「雲が変だ!」

「あれは鬼雷雲って魔物だわ!」

「コリャやべえ……ディアナ! 急いで荷馬車を走らせろ!!」


 そう言われる前にディアナは既に荷馬車を走らせている。

 そしてその後なんとか鬼雷雲から逃れることができ再び町へと向かい荷馬車を走らせた。

読んで頂きありがとうございますo(^▽^)o


ツタワーム……気色悪い魔物です(^◇^;)


では次話もよろしくお願いします(*^▽^*)

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