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第0話 プロローグ★国の成り立ちと言い伝え

革命派のアジトに向かう途中ハクリュウはシエルとグロウディスから話を聞き……。

 あれから俺とシエルとグロウディスは途中で小さな荷馬車を手に入れ、ブラックレギオンにある革命派のアジトに向かうため急ぎ走らせた。

 御者はグロウディスがしてくれている。

 その間シエルとグロウディスは、この世界のことや知り得る伝説などを話してくれた。



 ……―― ここはシェルズワールド。かつて世界が一つの国だった頃。他種族だけではなく同種族との争いなども絶えなかった。

 それだけではなく、その頃デスマスターや魔王やモンスターなども頻繁に出没するありさまである。

 それをみかねた当時の国王は勇者を募った。だが志願する者はいない。そのため国王の側近である召喚魔導師が、ある提案をする。

 実際に召喚できるかは分からない。それでも、この状況をなんとかするためには異世界の者を召喚するしかないと……。

 それを聞いた国王は、この召喚が成功すれば助かるかもしれないと思った。そして、その一握りの可能性に賭けることにする。

 これを成し遂げるには、かなりの魔法技術がないと無理と判断した。それならば別に何か方法はないかと考え調べる。

 すると召喚用の祭壇が三ヶ所にあると分かった。

 そこで国王は側近である三人の召喚魔導師に、神殿の祭壇、洞窟の祭壇、遺跡の祭壇、三ヶ所で召喚の儀式を行うようにと指示をする。

 だが、なぜ三人で召喚しなければいけなかったのか。

 それは誰かが失敗すれば、この召喚魔法自体つかえなくなると思ったのだ。そのため保険として三人の優秀な召喚魔導師に命じたのである。

 しかし、その召喚は思っていたよりも簡単に成功してしまった。そのため異世界から三人の勇者が召喚される。


 神殿の祭壇からは白き兜と鎧をまとった戦士。

 洞窟の祭壇からは黒き帽子と服をまとった魔導師。

 遺跡の祭壇からは灰色の帽子と服をまとった吟遊詩人。


 異世界から、その者たちが召喚された。

 国王は、この勇者たちに希望を託し元凶を探らせる。そして暫くして王は三人に、この国を託し任せることにした。

 国を任された三人の勇者は治安を維持し平和を取り戻すため国を三つに分けることにする。


 白き戦士側には、エルフやヒューマンなどが付き国の名をホワイトガーデンと付けた。

 黒き魔導師側には、ダークエルフやデューマンなどが付き国の名をブラックレギオンと命名する。

 灰色の吟遊詩人には多種多様な獣人族などが付き国の名をグレイルーズと定めた。


 そして邪悪なる根源である魔王やデスマスターなどが復活しないように封印をする。

 その後このシェルズワールドは前国王の予想以上に治安が良くなって争いなどなくなった。

 これも、この時に国同士での協定や規則などを定めたおかげでもある。



 Ⅰ、国同士で起きた争いごとは国王同士で話し合いをするべし。話し合いをしても解決しない場合はコロシアムで解決すること。

 だが、これは飽くまで重要と思われた場合のみ。

 Ⅱ、各国は、お互い交流を図るため年に何回かの祭りやイベントをするべし。

 Ⅲ、国民は奴隷や差別および貧困をなくすために国の政策に力を尽くすべし。

 Ⅳ、そして、みんな仲良くするべし。


 その後、三人の異世界の者は新しい王を選んだ。そして、その新しい三人の王は各国を任され治めることになる。

 暫くして三人の異世界の勇者は使命を果たして元の世界に帰っていった――……



 そうシエルが話してくれた。


 今の国の成り立ちの話を聞いて、なんか嫌な気分だ。特に規則に関して気に入らない。俺なら、もっと違う規則をつくるだろうな。でもなんで、こんな規則をつくったんだ?


 そう思うも口には出さない。

 再びシエルは話し出した。今度は言い伝えだ。



 ……―― 遥か数千年もの前の話。まだ国そのものが成り立っていなく種族同士の争いが絶えなかった。そう種族同士の派閥や他種族での意見の食い違いが多かったせいである。

 だが、それをみかねた者たちがいた。

 その者たちは、この世界に争いがなくなる方法はないのかと考える。

 そして、ある一人の若者が召喚魔法で異世界から誰かを召喚して助けを呼べないかと提案した。

 しかし、どうやって召喚したらいいのかは分からない。

 ある若者が試しに召喚してみようと言いだす。それに皆は賛同した。

 そして最もマナが満ちている三ヶ所を探して召喚をする祭壇をつくる。

 召喚をするため優秀な魔導師を三人選んだ。そして後に、その魔導師たちは召喚魔導師と云われる。

 その召喚魔導師たち三人は各祭壇に向かい異世界の者を召喚した。

 不安の中、無事に各祭壇共に成功し異世界の勇者が召喚される。

 その召喚された異世界の勇者たちには、ドラゴンの力が宿っていた。

 異世界の勇者たち三人の持つドラゴンの力は種族同士の争いに終止符をうつ。

 だが、その力は余りにも強すぎたせいで世界を焼き尽くした。生き残ったのは各種族の戦いに反対し戦わなかった者たちのみになってしまった。

 だが三人の勇者たちを責める者は誰もいなかったのだ。

 その後、各種族の者たちは一つの国をつくる。そして三人の勇者をドラゴンマスターと呼び裁きの神と崇めた――……



 この伝説は世界の成り立ちみたいだな。恐らく最初に召喚された者たちだ。

 ドラゴンマスター……そんなに凄かったのかぁ。あってみたい、どんな人たちだったんだろう。

 でも、そのあと……どうなった? そこまでは語られてないみたいだけど。


「この言い伝えについて付け加えることがある。白き英雄、黒き覇王、灰色の守護者。百年前に、この国を救い三つに分けた異世界の者につけられた称号だ。言い伝えの方は何千年も前の話」


 そう言うとグロウディスは語りはじめた。



 ……――この世界には国など存在せず、ただ種族同士が日々争いあってるだけだった。

 ある日争い事を好まなかった人々が三人の異世界の者を召喚する。そしてその異世界の者たちは争いを止め国を作った。

 そして国民はその三人を裁きの龍神と崇め……――……



「……そして称号として白き龍の王、黒き龍の王、銀色の龍の王と名付けた」

「龍が付くって事は、つまりドラゴンにまつわる何かを三人は持っていたという事なのか?」

「そういえば、そのようにも聞き覚えがあります」

「その三人は、ドラゴンの紋章を身体に宿していた。だが最初から、それを扱えたわけではないらしい。その紋章を持つ者はドラゴンを呼べる。そして、その能力はドラゴンマスターというらしい」


 なるほど、もし俺も竜の紋章が現れればドラゴンマスターになれるってことだよな。


「そういえば……百年前に異世界から召喚された奴らにもドラゴンの証はあったのか?」

「聞いた話じゃ、ドラゴンの力の証はなかったらしい」

「ワタシも、なかったと聞いています。紋章は剣と杖と竪琴だったかと」


 じゃあ証になる紋章は多数あるってことなのか。


「あっ!! 俺にも何か証らしい物があるのか?」

「確か証が出るのは三人揃った状態で、ある場所に行き神から力を授かって初めて分かると聞いています」


 ある場所って何処なんだ? そこに行けば自分に相応しい紋章……証がもらえる。そうなると早く他の二人と合流しないとな。


 そう思い俺は、ワクワクが増してきていた。


 これから、どんなことが起こる? まだ分からないことが山積みだ。だけど少し分かってきた。

 その分かっていることから徐々に解決していけたらいいよな。

 まあ自分の思い通りに進むとは限らないけど……。


 そうこう考えているうちにも荷馬車は先に進んでいる。そして、ブラックレギオンにある革命派のアジトに向かっていた。


 ・

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 やっとの思い国境を越えブラックレギオンにはいる。国境と云っても監視などは存在しない。

 大変だったのは、ブラックレギオンに入ってから直ぐに岩山や岩石の多い道が多かったからだ。草原も石や岩がゴロゴロしている。

 そこを荷馬車で通っているのだから激しく揺れて酔いそうになるのも当然だろう。なんとか俺は堪えた。


「それにしても。この辺は、やたらと岩とかが多いんだな」

「こっちの連中は、こういう地質を好むらしい」

「なるほど……。そういえばアジトまで、どの位で着くんだ?」


 そう聞くとグロウディスは一瞬遠くをみる。


「森がみえてきたから……そろそろだ」

「こちらでも異世界の者を召喚されていたとしたら、この国にも召喚魔導師が居るという事ですよね?」

「あっ!?」


 グロウディスは何かを思い出したようだ。


「悪い……すまん、すっかり忘れていた」

「いきなりどうしたんだ?」

「何を忘れていたのでしょうか?」


 急に思い出したみたいだけど……少しワザとらしく感じる。それとも元々こんな感じなのか?


「そういえば仲間の一人にブラックレギオンで最も優秀な召喚魔導師がいる。そいつが国の異変に気づき幼馴染の魔法騎士団長と異世界の者を召喚しに行っていたんだった」


 本当にそうなのか? 忘れたフリをしてるんじゃないよな。なぜかグロウディスが何かを隠しているように感じる。


「そのことを忘れていた。本当に申し訳ない!」


 そう言うとグロウディスは軽く頭を下げた。

 なんか頭の中が、モヤモヤしてくる。


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 色々と話をしているうちにクロック村の近くにある森に着いた。

 荷馬車から降り俺とシエルとグロウディスは、アジトまで話しながら歩いている。


「そろそろアジトに着く頃だ。近道をして来たつもりだったが思ったよりも時間かかった」

「それにしても、まさかこんな森の奥に……アジトがあるなんて思いもよりませんでした」


 この先にあるのか……どんなヤツラがいるんだ?


「ハクリュウ様。どうなされましたか?」

「あっ! ちょっと……考えごとをしてただけだ」

「そうなのですね。もし何か、お困りのごとがありましたら言って下さいませ」


 シエルは優しい。


「そうだな……何かあったら相談するよ」


 そう言うとシエルは頷き優しく微笑んだ。

 その笑顔をみて、ドキッと鼓動が高鳴る。


「そろそろ着くぞ」


 その言葉を聞き俺は気持ちを切り替えた。

 目の前には洞窟がある。

 その後その洞窟の中へ入っていった。

読んで頂きありがとうございます(^^)/


なんとか纏まったと思うけど……こんなもんかな(^◇^;)


では次話もよろしくお願いします(*^o^*)

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