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第2話 ギルマス決めのバトル

ゲームにログインした光は何時もよりもギルドが賑わっていて驚き……。

 何時もであれば、ある程度強くなると飽きてくる。そして、たまにしかやらなくなるんだ。

 だけど、このゲームだけは色々なイベントなどが楽しめるためか夢中になってやめられない。


 今日もゲームにログインして、ギルドロビーに向かった。するとギルド内が何時もよりも賑わっている。それに見慣れない人たちも結構いた。


 これって……ギルドで何かやるのかな。他のギルドの人たちも来てるみたいだ。


 そう思っていると見慣れない男性が俺の方へ近づいてきた。


「もしかして、お前か? シュウが言っていた……なかなか見所のある新人て」

「シュウさんの知り合いなんですか?」

「ああ……俺は、ユウ・ライオルス。【ダークオブデーモンα】のギルマスをしてる」

「俺はコウキです。ライオルスって? シュウさんも確か……」


 シュウさんと同じライオルス……なんでだろう?


「それはな……」


 そうユウさんは何か言おうとする。とその時、シュウさんが近づいてきた。


「コウキ……今来たのか?」

「はい! 来たばかりです」

「ユウ……また観に来たのか? それとも、まさか引き抜きに来たんじゃないだろうな!?」


 引き抜きって、ユウさんが?


「お前が弟でも、こうも何度もメンバーを引き抜かれたんじゃ。リュウキが何か言って来ても、これ以上は庇い切れないからな!」

「ユウさんて、シュウさんと兄弟なんですか?」

「ああ、そうなんだがな。そうだ……ユウ! 前から聞こうと思ってたことがある」


 なんか重い空気になってきた。話を聞いちゃマズい気もするんだけど……。


「なんで俺やリュウキの真似をしたがるんだ。いや、まだそれだけならいい。リアでもそうだが……なぜか、お前は俺より上に行くよな?」

「待って、それは………」

「ギルドを立ち上げたのも俺が最初だった。それなのに……お前のギルドには引き寄せられるように人が集まり辞めて行くヤツも殆どいない」


 嫉妬? それだけじゃない気もするけど……。


「それだけじゃない……何時の間にか、お前のギルドの方が強くなって同じSSランクギルドでも上位にいる!」

「俺は別に引き抜いてる訳じゃない。それに、シュウやリュウキさんの真似をするのも憧れてるからで……」

「あのなぁ……その言葉を現実でも言えるのか? 絶対に無理だよな。面と向かって言えないくせして……嘘を言うな!」


 嘘? そんな風にみえない。リアのユウさんを知らないからなぁ。男同士の兄弟って、こんなに面倒くさいのか。


「そ、それは……」

「お前はな! 兄弟だっていうのに何も喋ろうとしないから考えてることが全然分からない。まぁいい、ユウ……観て行くんだろ?」

「ああ……当然だ。二人の試合を観ない訳にはいかないし。それに少しコウキとも話がしたい」


 俺もユウさんから色々事情を聞いてみたい。


「言っておくが! 絶対に引き抜くなよ。後で……またリュウキに何を言われるか分からないんだからな」

「さっきも言ったけど……俺は誰一人として自分から誘ったことなんてない。ましてや引き抜こうと思ったことも」

「まあいい……そろそろ、リュウキとの試合が始まる。あっ……そうそう。コウキ……ユウはリアで口数が少ない。それなのにゲーム内だと口が上手いから気をつけろよ」


 ってことは普段無口な人ってことだよな。だけど……なんでゲームだと会話できるんだ? 書き込むだけだからかもだけど。


「はあ、そうなんですね」


 シュウさんは右手を軽く振り、リュウキさんが待つ試合会場へ向かった。

 そして俺はそれを確認すると試合が始まるまでユウさんと色々な話をする。


 ★☆★☆★


 ユウさんと話をしながらリュウキさんとシュウさんの試合が始まるのを待っていた。


「なあ、コウキ。お前って歳はいくつなんだ?」

「俺は、十八だけど。ユウさんは?」

「十八か、じゃあ高校生だな。俺は、十九だが……」


 一つ上なのかぁ。


「じゃあ大学生か社会人なんですか?」

「あ〜いや……俺は今年の試験落ちて……ハハハ……浪人生ってとこだな。まあさっき、シュウが俺より上を行くって言ってたけど……こればかりは勝てなかった」

「すみません……そうだったんですね。でも兄弟なのに、なんで仲が悪いんですか?」


 あっ……聞かない方がよかったか?


「仲が悪いか……そうだな。シュウは俺にとって目標なんだ。だから真似もしてきた。尊敬もしてる。でも、シュウはそれを良く思ってない」


 そう話をしていると歓声が上がりリュウキさんとシュウさんの試合が始まった。


「そっか……あっ! 試合始まったみたいですね」

「ん? ああ、そうみたいだな」


 リュウキさんとシュウさんの試合を観るため前の方に向かう。


 ★☆★☆★


 バトル会場までくるとリュウキさんとシュウさんのギルマスを決める試合が始まっていた。

 俺とユウさんは二人がみえる前までくる。


「シュウ……悪いが。今回も俺が勝つ!」

「言ってくれたな。みてろよ……リュウキ。今回は絶対お前を打ちのめす!」


 そう二人の声が聞こえ戦闘体勢に入った。

 リュウキさんは龍の飾りが全体に施されている大剣と盾を持ち構えている。

 シュウさんは身構えているだけだった。


「シュウ……相変わらず、お前は何を考えてんだ?」

「さあな……俺が何をしようと関係ないだろう」

「まあいい、お前に考える隙さえ与えなきゃいいんだ」

「ふっ、さあこい! リュウキ!!」


 そう言うとリュウキさんは飛び上がり大剣を振り下ろす。

 それをみてシュウさんは、すかさず鎖鎌を取り出しリュウキさん目掛け投げた。

 瞬時にリュウキさんは避けようとする。だけど普通より長くなっているみたいで鎖が大剣に絡まり落としてしまった。


 凄い……。


「クッ……シュウ。鎖鎌って……お前の本職はベルセルクでメインの武器は斧だよな」

「フッ……確かに俺は斧の方が得意だ。だが鎌も装備できる。それに今のお前と真面にやって勝てる訳がない」


 確かにシュウさんの言う通りだ。参考になるなぁ。


「力では分が悪いから頭を使った。まぁ……お前に理解できるか分からんがな」

「言ってくれたな。確かに俺は、お前と違って頭を使うこと苦手だ。だから真面な仕事につかずフリーターをしてる。だがこのゲームだけは、お前に負けるつもりなんかない!」


 リュウキさん……それって、ここで言っちゃマズいと思います。


 リュウキさんは柄に龍の飾りが施された細身の刀を取り出し身構えている。


「珍しいな、お前が刀を使うなんて。確か……お前はソードマスターだったよな?」

「ああ、そうだな。だが、今は……」


 何をやるのかなぁ。ワクワク……。


「リュ、リュウキ! お前……う、嘘だろう? サムライもMAXって! 暇なのは分かるが、お前どんだけゲームやってんだよ」

「さあな……俺はお前が言うように気ままなフリーターなもんでね」

「クッ……仕方ねぇ。これは、とっておきを出すしかないようだな」


 とっておきってなんだろう?


 シュウさんは目を閉じ力を抜いたままの状態で半身に構えた。


 《奥義 壱の型 暁!!》


 どうしたんだろう? シュウさん……動かなくなったけど。


 リュウキさんはシュウさんに刃を向け後ろに引き構えた。


 《奥義 参の型 青龍!!》


 一瞬のうちにリュウキさんの周りに風の渦が無数に現れる。すかさず刀を突き出し無数の風の渦をシュウさん目掛け放った。

 無数の風がシュウさんにあたる。それと同時にシュウさんの周囲を球体が覆い風の渦は跳ね返された。

 リュウキさんはそれを予測していたのか刀を両手で持ち左斜め上向きに構える。


 《刀奥義 月光!!》


 左から右へと円を描くと、リュウキさんの前に光の壁が現れ風の渦を跳ね返した。

 リュウキさんは素早くシュウさんの懐に入り刀を振り下ろす。

 しかしシュウさんはリュウキさんの行動を読んでいたのか風の渦の攻撃を左右前後上下と避けながら両手で大きな斧を右下斜めに持ち構えた。


 《斧奥義 極爆殺!!》


 リュウキさん目掛け素早く斜めに振り上げる。

 その動きまでもリュウキさんは読んでたみたいでシュウさんの攻撃をかわして間合いをとり、すかさず気を飛ばし技の威力を弱めた。

 斧の攻撃を避けながら即座にシュウさんの懐に入り刀を左斜め下に向ける。


 《刀秘儀 極風殺!!》


 サッと斜めに振り上げ斬りつけた。

 リュウキさんの攻撃をシュウさんは咄嗟に斧でガードしようとする。だけどガードするだけで手一杯みたいだ。斧でガードし耐えていたが威力に押され斬りつけられ約五mぐらい吹き飛ばされた。


「リュウキ……クソォ!? まさか、ここまで俺の行動を読んでいたとはな」

「悪いが、お前の行動は……だいたい把握しているんでな。という事で今回も俺の勝ちみたいだな」

「フッ、まだ試合は終わった訳じゃない!!」


 凄い……こんなバトルみたことない。


「お前、まだ何かやる気なのか? まぁいい。何度やっても同じだとは思うが。そんなにやりたいなら受けてたってやるよ!!」


 リュウキさんは身構えた。

 柄全体を覆うように二体の龍が巻きついた斧を持ちシュウさんは構えた。


「その斧って! ま、まさか……お前何時の間に手に入れたんだ!? 二体の龍の飾りの武器は超激レア……俺だって、まだ一体の龍の飾りの武器や防具しか持ってないんだぞ」

「フッ……まだまだだな。それに、この斧はベルセルクの能力を上げる。ってことは……分かるよな。いくら何もないお前の頭でも俺が何をしようとしているのか」

「ああ……何もない頭で悪かったな! だが、そうだな。確かにその斧は、ベルセルクの能力を上げる。流石にそのぐらいは俺でも分かる。でも、その斧には弱点もあるよな」


 弱点ってなんだろう?


「勿論……弱点ぐらいは把握している。だが、お前にそれが分かったとして……どう回避するつもりだ?」

「さあな……今それを言えば恐らく行動を読まれかねない」

「まぁいい。じゃあ……バトル再開と行こうか!」


 これで決着がつかなかったら永久にバトルしてるのか?


「ああ……そうだな」


 シュウさんは斧を右に構え直す。


 《ダークウェイブ!!》


 鈍い闇の光が斧に異様なまでの鋭さを与え、シュウさんは一瞬の内に右から左へ斧を薙ぎ払うと同時に闇の斬撃を放った。

 それに反応してリュウキさんは既に職業と装備を変えていたのか攻撃を双竜が描かれた盾で防いだ。

 だけど攻撃の威力は思っていたよりもあり会場の端の辺りまで飛ばされる。


「このチャンス……必ずモノにしてみせる!」


 シュウさんは一気にリュウキさんとの距離を詰め斧を右斜め下に向けた。


 《斧奥義 極風圧殺撃!!》


 斧を下から斜め上に曲線を描くように振り上げると無数の風の渦が出来ながらリュウキさんに向かっている。

 しかしリュウキさんは向かってくる無数の風目掛け盾を翳した。


 《圧制の代償!!》


 シュウさんが放った風の渦が盾に当たった。その風の渦は倍になりシュウさんに目掛け跳ね返る。

 その攻撃を予測していなかったのかシュウさんは、タイミングを逃しかわしきれず真面にくらい弾き飛ばされた。


「なんでルークのアビリティが使える? って……お前何時の間にルークになってんだ!? それに、よほど暇なんだな。ルークもMAXって……」

「悪いか!? 俺は、このゲームが好きなんだ。だから、できるだけの職業はマスターしたい」

「まぁいいか……てか体力も魔力も尽きた。俺の負けだな。クソッ! 絶対に次の試合は負けないからな!!」


 終わったのか……やっぱりリュウキさんは強いなぁ。


「フッ……シュウ。次も俺が勝つ!!」

「言ってくれるじゃないか……俺も負けるつもりはない!……ん? そういえばリュウキ。さっき何気に持ってたよな……二体の龍の盾」

「あ〜……いや、これはな。ハハハ……持ってるって言えば、お前に行動を読まれる。それに、この盾はルーク専用だしな」


 ルーク専用かぁ……俺もあの盾が欲しい。


「そういう事か。まあ……確かに、その盾は他の職業じゃ使えないな」

「前から持ってたんだが使えなくて困ってた。やっと、ルークになることができて使えるようになった」

「そのルークのアビリティは俺のカウンタースキルよりも気づかれずに使えて便利だよな」

「そうだな。あ〜……そろそろ、バイトの時間だ! 行かないと。悪いが、このままログアウトする。シュウまたな」


 俺たちの前からリュウキさんが消えた。


「ああ、おつかれ。って、もう落ちたのか。まぁいい。てか……俺は、またサブマスか……こうしちゃいられないな。アイツがインしていない時に強くならないと」


 そう言いシュウさんはバトル会場から消える。

 その後、俺とユウさんは別の場所に移動した。

読んで頂きありがとうございます(*^ω^*)


これを一人称にするの大変だった(^◇^;)


では次話もよろしくお願いします(o^^o)

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