八十三話
命はそれから数日を寮の部屋で過ごして安城から騒ぎが収まったと言う話を聞いてから早速、向かったのは金倉の工房で預けておいたフレイムドラゴンの素材から作られたドラゴンウェポンを受け取りに来た。
「久しぶり!装備は出来上がってるよ!」
『灼熱龍の鱗鎧』ランクA+
防御力65 耐久度50
スキル
龍鱗、物理耐性、魔法耐性
『灼熱龍の大剣』ランクA+
攻撃力65 耐久度50
スキル
龍撃、灼熱属性、龍鱗
『灼熱龍の細剣』ランクA
攻撃力60 耐久度50
スキル
灼熱属性、ブレス、金剛力
『灼熱龍の魔杖』ランクA
攻撃力60 耐久度50
好きr
灼熱属性、ブレス、剛撃
たった、一体だけだと言うのにこれだけの量の装備を作り出すことが出来るとは流石はドラゴンで伊達に最強種と言われているわけではない。この短時間でこれだけの装備を作り出すことが出来る金倉の腕も大したもので並の職人ではもっと時間が掛かるか扱いを間違えて素材をダメにするだろう。
「いやぁ、今回は難しかったよ!修行の旅がなかったら流石に完成させられなかったかも」
「金倉の腕でもか」
流石はドラゴンの素材。一流の腕を持っている金倉をしても難物であり伊達にドラゴンウェポンなんて言われてはおらずテーブルに並べられているどの装備も凄まじい魔力を内包しており今まで見てきた装備とは格が違うのが分かる。
「あぁ、香蓮ちゃんが渡してほしいって」
「紫色のポーション?マスターポーションか!」
そういって手渡されたのは紫色のポーションでそれはエクリサーに次ぐとされている最高位のポーションでありドラコンの魔石を材料にすると聞いたことがあるが実物を見たのは初めてであり眉唾ものと考えていたがこうして実物を見せられると実在していると言うのが分かる。
「もしもの時に持っておいた方がいいんじゃないかって、香蓮ちゃんが」
「そうか……肝心の那須は?」
「これを作るのに徹夜しちゃってお休み中」
大分、無理して作ってくれたらしい。しっかりとお礼をしなければなと那須が喜びそうなものは何だろうかと考えるが那須がポーションを作っている光景しか思い出せずあまり那須の事を知らないことに気付く。
「那須が喜びそうなのって何があると思う?」
「香蓮ちゃんだったら甘い物じゃないかな?作業中にもよく飴とか舐めてるし結構、甘い物好きだったはずだよ」
流石、那須の親友を自称するだけあってよく見ている。甘い物だったら東京観光中に幾つか店を見つけたが流石にお礼の為に送るのだからその辺のものを渡すわけにはいかず色々と調べてから店を選ぶとしよう。
色々と情報を取り扱っているから安城に聞けばおすすめの店とか教えてくれないだろうかと考えながら命は金倉の工房を後にする。
早速、安城に連絡をしてみると少し驚かれたが快く、お手頃価格な店からあまり知られていない隠れ家的な店など幅広く教えてくれた。
「聞いた俺が言うのも何なんですが何でそんなに詳しいんです?」
『顧客の人が甘い物好きでしてね。それで自然と詳しくなったんです』
多くの顧客を抱える安城にとって顧客の好みは重要で色々と情報を集める為に自然と好みをリサーチするようになったとのことで意外とマメなんだなと思い、こういった細かい所が多くの顧客を抱える要因なのかもしれない。
安城からリストを渡されて命はその中で那須が好きそうなものを金倉に教えてもらい自分の足でスイーツ店に向かってスイーツを買いに行く。
『よ!また、会ったな。ボーイ』
「何やってるんですか……」
女性が多く入っている店の中に目立った金髪の男がスイーツが入ったショートケーキの中を見ており命に気付くと手を上げて笑顔を作る。東京観光中に出会ったジョンで筋骨隆々な彼には似つかわしくない店であるが季節外れのアロハシャツを見事に着こなしているジョンは店に溶け込んでいる。
『俺は大の甘い物好きでな!アンジョーに教えてもらって此処に来たのさ!』
「アンジョー?安城先輩のお知り合いで?」
『あいつとは小さい頃からの仲だぜ』
意外なところで繋がっている物だ。にしてもアメリカの綺羅星と親交があるとは安城の情報網が広いわけだと納得してしまう。




