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現代ダンジョン サモナーが行く  作者: 金林檎


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第八十一話

「世田谷ダンジョン完全制覇おめでとうございます」


「流石、耳が早いですね」


 学校に戻ると安城が出迎えてくれる。ダンジョンを踏破したばかりだというのに相変わらずの情報力で安城に誘われるがまま喫茶店でお茶することになった。


「それにしても世田谷ダンジョンの完全踏破とは……例がないわけではないですがそれでも快挙といえるでしょうね」


「涼宮部長は踏破したって聞いてますけど?」


「彼はビックスリーの一人ですからね。彼レベルの魔法使いはそう居ませんよ」


 そういう安城もビックスリーの一人であり涼宮と同様に世田谷ダンジョンを完全踏破している一人であり本人は戦闘が苦手と言っているがスカウトとして安城の実力は超一流でありその気になれば罠がひしめいている千代田ダンジョンを散歩するような感覚で踏破することが出来るだろう。


「暫くは身を隠すことですね。世田谷ダンジョンを完全踏破したと聞けば多くの人が殺到するでしょうから」


 学内の人間だけでなく外部の人間も世田谷ダンジョンを完全踏破した命に押し寄せるのは目に見えている。多くの探索者が挑んで果てて行った世田谷ダンジョン十階層をクリアしたと言うのは大きな意味を持つのだ。


 安城の助言に従って暫くは大人しくしておくとしよう。二学期に入ってからかなりハイスペースでダンジョンに挑んできたので体を休ませるのも重要だろう。

 

 それから幾つか取材をされて何杯がご馳走になると安城と別れて金倉の工房に行って魔石を見せると物凄くはしゃいでいる。


「師匠に見せてもらったけど本物のドラゴンの魔石だ!」


 ドラゴンの素材を扱うと言うのは鍛冶職人にとっても重要な意味を持っておりドラゴンウェポンを作った職人は高い名声を得ることが出来ると言う。まぁ、名声なんかを気にする金倉ではないが装備を作ることに並々ならぬ情熱を有している金倉にとって新しい魔石と言うのはそれだけでテンションが高くなるがドラゴンの魔石ともなると特別らしい。


 魔石に頬擦りしてしまうほど、テンションが高くなっており命の事が目に見えていないようでありこのままそっとしておいてやろう。出来上がった装備を受け取りに行くのも先になるので満足がいくまでやってほしい。


 用件が済んだので寮へと戻る。暫くの間、寮に籠るとして一体、何をしようかと途方に暮れる。


「探索の記録でも纏めるか……」


 ここ暫く、ダンジョン探索で忙しかったので記録を纏めるのを疎かにしてしまっていて丁度時間も空いたことだし本に書き込んでおこう。しかし、それも一日もすれば終わることだしどうやって時間を潰そうかなと考える。


 そういえば出雲から東京に来たと言うのにまともに観光をしていなかったことを思い出す。折角、東京に来たのだからダンジョン探索だけでなく観光でもするかと思い至り早めに作業を終わらせる。


 翌日、命はダンジョンに潜るのではなく東京を観光することにする。東京は平日だと言うのに人で一杯であり中には探索者らしき人があるいておりそれぞれ装備を着ていたりと昔ではありえない光景が当たり前となっている。


「さて、何処から回ろうかな」


 定番の浅草からかなと東京内を歩いて移動している。ダンジョン発生によって動力革命が起きておりバスや車の動力は魔石エンジンとなっており排気も少なく環境に良いことから広く流通しておおり日本はダンジョン大国として随一のダンジョン数を持っており海外に輸出するほど魔石が余っている。


 人の多さに面食らいながらも風景はダンジョン発生前からあまり変わっておらず古き良き建物が並んでおり巨大な雷門が壮麗に聳え立っている。多くの出店が並んでおり適当に買い食いしながら東京観光を満喫しておりスマホで風景を撮ったりと楽しんでいる。


「観光も意外と楽しいな」


 ダンジョン探索ばかりの生活だったので今更、観光なんかしても楽しいのだろうかと疑っていたがこんなにものんびりと過ごすのは久しぶりでよくよく考えなくても今までの自分は生き急いでいると言っていいほどハイペースにダンジョン探索を続けており今まで体調を崩さずにいられたのは探索者として才能があったからなのだろう。


 ダンジョン探索以外にも楽しみはあると知れたいい機会でありたまにはこういう日があってもいいだろう。

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