第七十五話
エルダーリッチの周囲に幾つもの魔法が形成される。その数3つであり灼熱、漆黒、氷河と3つの並列魔法など命では出来ないものでありそれらの魔法が一斉に放たれて命はまともに受けたらただでは済まないと判断してバジレウスが打って出る。
「グォォ!」
放たれたのは広範囲のハイブレスでありシャインの恩寵によって強化されており3つの魔法を完全に打ち消すことは出来なかったが威力を殺すことは出来て、アインが纏めて威力が減衰された魔法を受け止める。
第二射を放たせまいとアヴァリスが雷光と共にエルダーリッチの目の前に躍り出るが魔法を放った後だと言うのに即座に魔法を行使しアヴァリスを地面へと縫い付ける。重力呪文でありこちらの行動を呼んでいたかの如き、周到さで舌を巻く。
「解呪魔法!」
解呪魔法でアヴァリスに掛けられた重力呪文を解除するがかなりの魔力が込められていた様で結構な魔力を消費させられる。上空に飛んだシャインが聖炎を放つが分厚い魔力障壁によって防がれる。
「シャインの聖炎を防ぐレベルの魔力障壁!?ふざけるのも大概にしろ!」
思わず毒づいてしまう光景でありバジレウスの紅蓮とまではいかないがユニークスキルとして十分な威力を有する者であり食らえばヴァンパイアナイトですら焼き尽くすほどのアンデット特攻でありそれを理解しているからこそ近づいてくるアヴァリスを無視してでも防御に徹したのだろう。
シャインの武器のスキルである防御貫通は魔法には適応されないもののようであれだけの分厚い魔力障壁を破るには相応の攻撃を与えるしかない。
エルダーリッチの攻撃をまともに受けてしまったらAランク防具を身に着けている命であってもタダでは済まないだろうからとアインは攻撃に転じることが出来ず、攻め手を欠いている。
「フン!」
そんな中、エルダーリッチの魔法を掻い潜って間合いを詰めたのは十六夜であり刀を振るうが分厚い魔力障壁に阻まれて金属音を上げており攻めあぐねている様子でそんな十六夜に続こうとアヴァリスの拳が分厚い魔力障壁を無視してエルダーリッチに攻撃を与える。
アヴァリスの防御無視のスキルはそれだけ凶悪であり幾ら分厚い魔力障壁を張ろうともそのスキルを無視することは出来ない。エルダーリッチは大きなダメージを受けている様だが、それでも仕留めるには至っておらず魔法を行使しようとする。
「フリィー!」
しかし、それをさせまいと振るわれたのがフラウの雷撃であり雷速の一撃が魔力障壁を再び、展開する前にエルダーリッチに直撃する。瞑想によって魔力ステータスを強化してでの魔法でありエルダーリッチは膝を付こうとし杖で自分の体を支える。
「グラビティ・ランス!」
絶好の機会を見逃すまいと重力呪文を放つ。しかし、エルダーリッチもされるがままではない様で魔力障壁を展開して命の重力呪文を弾いており僅かに浮かび、瞬時に3つの魔法を展開する。
高いレベルの詠唱破棄スキルがあるのであろう凄まじい展開速度でありそれを打たせるわけにはいかないとアヴァリスが拳を振るい、魔力障壁をぶち破り十六夜が剣閃を纏った一刀をエルダーリッチへと振り下ろす。
「バジレウス!」
「グォォ!」
かなりの大ダメージを与えたものの仕留めるには至っておらず切り札としてバジレウスに紅蓮を放たせる。溜めの時間は十分に確保しているので発射を待つのみであり全てを焼き尽くす灼熱の劫火が魔力障壁を展開しようとしたエルダーリッチを障壁ごと焼き尽くす。
流石のエルダーリッチも大ダメージを受けた状態では瞬時に魔法を行使することも魔力障壁を展開することも出来なかった様で何とか激戦を制した。
≪召喚モンスターのレベルがアップしました≫
バジレウス
ドラゴン
レベル3→4
シャイン
ケルビム
レベル6→7
十六夜
鬼神
レベル16→20
スキル
居合New!
《クラスチェンジ条件が満たされました。クラスチェンジ先を選択してください》
『古老魔法使いの魔核』ランクA
「何とか倒せたな……」
ボス戦かと思う位の激戦であり流石にくたびれており疲労も凄まじい。魔力の消費も激しいので最も消耗しているバジレウスやシャインに魔力を供給しクラスチェンジが出来るようになった十六夜のステータスを操作する。
神将New!
ステータス
筋力A
体力A
敏捷B
魔力B
スキル
不動心New!、体力回復New!
クラスチェンジ先が1つしかなかったのでステータスを操作すると成人男性ほどの体格であった十六夜の体が更に増してアヴァリスに届かんばかりの見事な筋肉をしておりステータスが大幅に上昇したのも納得と言った変化をしている。新たに手に入れたユニークスキルも強力であり状態異常を無効にできるのは有難い。
ボス戦前に少し、休憩しようかと思ったが折角、クラスチェンジしたのだからその戦い振りを見せて欲しいので手ごろなモンスターと戦うことにする。
「流石は三段階目のクラスチェンジ。今までとは別物だな」
クラスチェンジした十六夜はその体格からは想像できない繊細な動きで敵と戦っている。今までの抜群な距離感覚で敵の攻撃を一切受けず振るわれる一刀は今までとは比べ物にならないほどの力を帯びておりあのヴァンパイアナイトを一方的に切り伏せている。




