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現代ダンジョン サモナーが行く  作者: 金林檎


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第七話

 換金所で話し続ける訳にはいかないので取り敢えず食堂で話すことに決める。


「改めて鍛冶職人の金倉莉音です」


「柏崎命です」


 話を聞いた所、彼女は天職の儀式で生産職である鍛冶職人を与えられて命とは違い生産職としての教育を受けており厳しい授業を乗り越えてやっと満足のいく装備を作ることが出来て売れるまでにそこそこの時間が掛かり自分の装備を買ってくれた命にお礼がしたかったのだという。


「わざわざ会いに来なくても」


「そうだけどやっぱり初めての作品って特別だからさ」


 彼女の手は女性らしくなく荒れたものでどれだけ丹精を込めて装備を作ったのが伺える。お礼を言うべきは自分の方で彼女の装備がなければ格上であったコボルトキングに勝てなかった。


「でさ、相談なんだけど。君の装備を私に作らせてくれない?」


「こちらとしては有難いけどそんな簡単に決めていいものなの?」


「うん、ちゃんと考えた上でだから!」


 生産職には専属契約というものがあり探索者と契約を結びその相手の為に装備やアイテムを作るというものでそんなに軽々しく決める事ではないのだが命が見る限り金倉の表情は真剣そのものでその熱意を無下にはできない。


「それじゃあ、よろしく頼む」


「うん!よろしく!」


 握手を交わす。まさか専属の鍛冶職人を手に入れることが出来るなんて思ってもみず彼女との出会いは命の探索者人生において大きな意味を持つだろう。それだけ専属の鍛冶職人というものは貴重で生産職の中でもかなりレアな職業なのだ。


「それでお願いがあるんだけど」


 金倉が言うには装備を作るにはモンスターの魔石が必要で魔石に応じて属性や性能が変わるという話であり金倉のお願いというのは学校外のダンジョンの魔石を手に入れて欲しいとのことだった。今までは学校から魔石が支給されていたがある程度の実力となると装備を売った金で魔石を買い取るということをしなくてはならず命と専属契約を結んだのも新たな魔石を手に入れたいという思いもあったからだ


「そういうことなら喜んで」


「やった!仕事を受けてもらうんだから奢らせてちょうだい」


 学校外のダンジョンを探索してみようと思っていた所なので渡りに船であった。晩御飯を金倉に奢ってもらい寮に戻り死んだように眠った。


 後日、学外ダンジョンに行こうかと思ったのだがそれよりも新聞部の件を早めに終わらせておかないと何を書かれるかたまったものではなく連絡をすると新聞部にいらしてくださいとのことで学内の案内図を見ながら広い校内を彷徨いやっとの思いで新聞部を見つけると部室の中には先日あった安城の姿があった。


「ようこそ、新聞部に。さぁ、座ってください」


 向かい合うように座ると部員がお茶を淹れてくれる。新聞部の中はとても広くこのデジタル社会でわざわざ紙の新聞を作っているだけあって部室には資料らしきもので溢れており大きなホワイトボードには新聞の見出しを決める為に多くの資料が張り出されている。


「申し訳ありません。お客様を迎える場所ではないのですが」


「別に気にしてませんよ」


「それは何よりです。では、早速取材を始めさせてもらいましょう」


 簡単な身の上話から学校に来てからの事まであまり細かい所は話すつもりはなかったのだが巧みな話術というべきかついつい話してしまう。完全に相手のペースに乗せられているが最初に自分の不利益になることは新聞には書かないと約束してくれたので目の前にいる安城を信頼することにする。


「サモナー。それが貴方がパーティーを組まずに階層を突破できた理由ですか」


 テイマーならば何度か聞いたことはあるがサモナーとは新聞部部長としてこの学校の全てを知り尽くしていると言っても過言ではない安城でも聞いたことのない職業で興味深そうに笑みを深める。


 探索者のように成長出来るモンスターを五体も使役できるというのはそれだけで凄いことでありそれが主の為に身を粉にして働くというのだからサモナーという職業の出鱈目振りが知れる。獅子王琴乃や樋口吉良よりも安城は目の前にいる柏崎命こそが将来的に探索者の世界に名を轟かせる人物になると外れたことのない直感が囁いておりあの時、話しかけておいて正解だと思った。


「貴重な話を聞かせてくれてありがとうございます。これ、私の個人用の連絡先です。知りたいことがありましたら遠慮なく連絡してください」


 そう言って電話番号が記された名刺を渡してくれる。その光景に新聞部の部員は息を飲む。安城が連絡先を渡すということは相手を認めたということに他ならず将来性や実力が確かなものにし渡さないもので安城に連絡先を渡されたものは必ず大成するという話があり話によれば獅子王琴乃にも連絡先を渡しているらしい。


 安城との話し合いを終えて命が向かったのは学校の事務室で学外のダンジョンに潜るには探索者カードが必要で探索者協会に登録しないといけず登録の為の必要書類を受け取るためで書類を受け取ったら入学式以来、久しぶりに学校外に出て電車に乗る。


 電車に揺られて辿り着いた探索者協会には多くの探索者でひしめいておりそれぞれが物々しい装備を身に着けておりこれからダンジョンに向かう命と同じであり協会の中に入るとかなり活気に満ちており多くの人が行きかっている。


「探索者登録をお願いします」


「かしこまりました。もしかして探索者高校の生徒さんかしら」


「えぇ、分かりますか?」


「見れば分かるわよ」


 初めて探索者に登録しようとしているものにしては堂々とし過ぎているし立ち振る舞いも隙がなくどう考えても一般人でないのは確かであり死線を潜り抜けたもの特有の雰囲気を感じる。


「はい。これに魔力を流してちょうだい」


 水晶に魔力を流すと登録は終了しギルドカードが発行される。最低ランクのGと書かれておりここからランクを上げていくのは一定以上魔石を協会に提出する必要があり魔石のランクと量によってランクが上昇し命の実力からしたらCランクが妥当なところだろう。


 登録が終わったから早速、ダンジョンに向かう。今回向かうダンジョは東京に幾つもあるダンジョンの中でも一般的な階層ダンジョンである世田谷ダンジョンであまり混んでいない様子であるがダンジョンの前にはパーティーを募集する多くの探索者がいる。


「うぉ!何だあれ?」


「モンスター連れてるよ。テイマーとかか?」


「でも来た時、連れてなかったろ?」


 アイン達を召喚すると周囲の人たちがどよめく。命は声を掛けられたくないので急いでダンジョンに入っていく。


 雰囲気は初心ダンジョンの二階層に似ておりしっかりと明りが確保されており人もかなりいて進んでいくと早速モンスターが現れる。


「ゴブリンか」


 棍棒を手に取ったゴブリンの集団でかなりの数だが今の命の実力ならば問題なく対処できる。新人のフォボスの戦いぶりも確認しておきたかったし丁度いい。


「グルァ!」


 フォボスの速さはスキルで底上げされているからか今の段階でもブランを遥かに上回っておりパーティー最速と言っていい速さでゴブリンの喉笛を嚙み千切る。相手を倒した直後にすぐさま他の獲物に飛び掛かっており冷静に状況を見ており視野が広いようだ。


《召喚モンスターのレベルがアップしました》


 フォボス

 レベル1→2


 経験値は少ないが召喚したばかりのフォボスにとっては十分な経験値で成長出来ている。クラスチェンジしたフラウとアヴァリスだがフラウは魔力のステータスが上がったからか支援だけでなく戦闘にも参加し魔法職と遜色ない活躍ぶりでアヴァリスは持ち前の凶暴性が更に増しておりその自慢の肉体でゴブリンをミンチにしており筋力ステータスBは破格で真似できそうにない。


「魔石はやっぱりFか。まぁ、仕方ないか」


 どうせならそこそこの魔石を持って帰ってやりたいが第一階層ではこの程度でありこれよりも良い魔石を手に入れるにはもっと先の階層に潜らなくてはならない。今日だけでどれだけ潜れるか試してみるのも面白そうだ。


《スキルレベルがアップしました。召喚モンスターのレベルがアップしました》

 

 柏崎命

 スキル

 闇魔法3→4、魔力回復1→3


 フォボス

 レベル2→4


 目の前に第一階層のボスであるゴブリンの群れが倒れておりゴブリンソルジャーやシャーマンなど意外と厄介だったが成長した命のパーティーにとっては少し、厄介だっただけで簡単に倒すことが出来た。経験値が低かったのかクラスチェンジ組のレベルアップはなかったので適正レベルではないということであり早速、二階層に進んでいく。


「草原か。随分と広いな」


 二階層に降りた先には牧歌的な草原が広がっており第一階層の雰囲気とは大違いで世田谷ダンジョンでは階層毎に大きく環境が変わるのが特徴のダンジョンで二階層でこれなのだから三階層ではどんな環境が待っているのか今から戦々恐々とするが取り敢えず周囲を探索する。


 ダンジョンに入る前に購入した地図には二階層には広い草原と生い茂った森があるらしくそれぞれ生態系を形成しており草原と森であ出てくるモンスターが大きく違い二階層のボスは草原と森を行き来しておりどこにいるのか探すところから始めなければならないらしい。


「頼むぞ、ブラン」


「キー!」


 そうなってくると探査のスキルを持っているブランが活躍してくれる。ブランに先導されて草原を進んでいくとこちらに向かってくるモンスターの姿がある。

 

 ホース

 ステータス

 ???

 スキル

 疾走、蹴り


《スキルレベルがアップしました。》


 柏崎命

 スキル

 鑑定6→7


 ホースは物凄い勢いでこちらに向かっておりこちらを血走った目で見ており標的にされたのは間違いない。


「ダーク・チェーン」


 速度が自慢ならそれを封じてやればいい。鎖で縛りつけられあっという間に拘束されてしまう。抵抗するもののコボルトキング程の抵抗力ではなく簡単に封じることができそれを召喚モンスター達がタコ殴りにしてしまう。


《レベルアップ!召喚モンスターのレベルがアップしました》

 

 柏崎命

 レベル1→2

 

 フラウ

 レベル1→2


 アヴァリス

 レベル1→2

 

 フォボス

 レベル4→5

 スキル

 咆哮New!

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