第六話
《レベルアップ!スキルレベルがアップしました。召喚モンスターのレベルがアップしました》
柏崎命
レベル12→13
スキル
召喚魔法11→12、土魔法10→11、鑑定5→6、連携9→10、指揮8→9、魔法強化3→4、闇魔法1New!
アイン
レベル2→3
ブラン
レベル9→10
スキル
高速機動New!
《クラスチェンジ条件が満たされました。クラスチェンジ先を選択してください》
フラウ
レベル7→8
スキル
瞑想New!
アヴァリス
レベル6→7
スキル
剛腕New!
ダンジョンを何度か行き来してレベル上げに努めておりその結果、二体目となるクラスチェンジモンスターを生み出すことが出来るようになりどれだけの時間を費やしたことか考えたくもない。
マジックオウル
筋力D
体力D
敏捷C
魔力B
スキル
爪撃、強襲、空中機動、風魔法、氷魔法
ファイティングオウル
筋力C
体力D
敏捷C
魔力F
スキル
爪撃、強襲、危機感知、空中機動、探査
魔法タイプと物理タイプでありどちらにしたものかと直感で考える。ファイティングオウルにすることに決めてステータス画面を押すと茶色だった体色はそのままに体格が大型となっておりその爪もかなり巨大でこんなもので攻撃されれば人間なら腕ごと持っていかれそうなもの。
新たに手に入れた闇魔法はデバフを得意としており新たに魔法が増えたことで戦略の幅が広がった。これならばコボルトキングにも勝てるかもしれないと作戦を練る。
「やっぱ、要はアインだな」
「カタカタ」
パーティー随一の防御力を誇るアインがコボルトキングの攻撃を受けられるかで決まり。本当はフラウをクラスチェンジさせて万全を期してからにしたかったがブランをクラスチェンジさせるのがやっとで今のパーティーならば十分に戦えると思う。
「フリィー!」
「ブロッキング」
光と風の二種類の光が降り注ぎ、ブレッシングと新たに手に入れた風魔法のバフであるスピードアップであり敏捷のステータスを上げるものでダメ押しに防御力を上げる魔法を掛ける。ボス戦の前の準備は終わり扉を勢いよく開け放つ。
中央には巨大な棍棒を持ったコボルトキングの姿があり命たちの姿を見ると戦闘態勢を取る。
「ストーン・ランス」
口火を切ったのは命の魔法で一斉にパーティーが動き始め、高速で発射された槍は棍棒で弾かれて一筋縄ではいかぬことが分かる。
「キー!」
クラスチェンジして大型化しても速度は増しており目にも留まらぬ速さでコボルトキングの目を抉ろうとするが腕でガードし鮮血を散らすことになる。ガードの上からでもこれなのだからまともに受ければ更に酷いことになると考えたコボルトキングはブランに目標を定めたが遅れてやってきたアヴァリスの拳をまともに受ける。
「ジャ!」
攻撃力を倍増する剛腕のスキルを使用した強力な一撃でアヴァリスの拳はクリーンヒットしコボルトキングは後ろにのけぞる。その隙を逃さずアインの一撃が加えられてコボルトキングは苦悶の表情を浮かべる。
「ブラインド」
視覚を封じる闇魔法でレベルが低いのであまり長い時間は掛けられないが敵を見失って困惑している様子で何もないところに棍棒を振っている。
見えないところからの攻撃に何もできずにいるコボルトキングに一斉攻撃を行う。拳で剣で魔法で代わる代わるダメージを与えていき切れそうになっている支援魔法を掛け直す余裕振りであるが
コボルトキングの瞳が怪しく光るのを見る。
「下がれ!」
命の命令にモンスター達はその場から離脱しコボルトキングの体から魔力が吹き出し体中の体毛が逆立っている。ボスの体力が少なくなると稀に怒るという暴走状態で本来ならばもっと下の階層のボスに起こる状態であるはずなのに運がない。
しかし、良く見ると肩で息をしており残り体力が低いのは目に見えておりあと少しで倒せるはずだ。
「行くぞ!」
戦うことを選びモンスターに攻撃を命じる。振り下ろされた棍棒をアインが盾で受け止めるがかなりきつそうでアインが攻撃を受け止めている内にアヴァリスやブランがダメージを与えていく。
「アース・スピア」
貫通力が高められた槍に魔法強化を加えて威力を更に増しコボルトキングの肩を貫通する。悲痛に叫びを上げて暴れ散らかしステータスに任せたものだがかなり厄介なものでアインも受け止めるだけで精一杯の様子で攻撃に転じることが出来ない。
「ダーク・チェーン」
コボルトキングの足物から漆黒の鎖が体に巻き付き暴れていた体を縛り上げる。かなり抵抗で押さえつけるのがやっとで一斉攻撃を命じるとコボルトキングをめった刺しにする。
「ギャ!」
決定打はアヴァリスの攻撃であまりのダメージで地面に倒れようとするコボルトキングの顔面に見事な一撃を与えて粒子となっていく。暴走状態さえなければもっと楽に終わったはずなのにとんだ苦労をさせられてものだ。
《レベルアップ!スキルレベルがアップしました。召喚モンスターのレベルがアップしました》
柏崎命
レベル13→15
スキル
召喚魔法12→15、土魔法10→12、連携10→12、指揮9→11、魔法強化4→6、闇魔法1→3
《クラスチェンジ条件が満たされました。クラスチェンジ先を選択してください》
アイン
レベル3→5
スキル
土属性New!
ブラン
レベル1→3
フラウ
レベル10
《クラスチェンジ条件が満たされました。クラスチェンジ先を選択してください》
アヴァリス
レベル10
《クラスチェンジ条件が満たされました。クラスチェンジ先を選択してください》
物凄い経験値でステータス画面を埋め尽くさんばかりでありコボルトキングからドロップした魔石を見ると納得する。
『魔石』ランクC
今の自分よりも遥かに格上の存在であったようで良く勝てたものだと安堵する。レアドロップはないようだがこれだけの経験値でお釣りがでるようなものでランクCの魔石が手に入っただけで満足するべきだろう。
召喚モンスターだけでなく自分もクラスチェンジを行えるようになりステータス画面を見る。
サモンマスター
ステータス
筋力D
体力C
敏捷C
魔力A+
スキル
魔力回復New!
クラスチェンジすると更に魔力が増したような気がしステータスも上がっており満足な結果となっている。自分のクラスチェンジも終わったので今度は召喚モンスター達のクラスチェンジであり一番新人のアヴァリスまでクラスチェンジできるとは思わなかった。
ハイフェアリー
ステータス
筋力D
体力D
敏捷C
魔力B
スキル
浮遊、光魔法、風魔法、水魔法、瞑想
ピクシー
ステータス
筋力D
体力D
敏捷C
魔力B
スキル
浮遊、光魔法、風魔法、魔力回復、瞑想
ゴブリンソルジャー
ステータス
筋力C
体力C
敏捷D
魔力G
スキル
剣術、投擲、格闘、剛撃、剛腕
レッサーオーガ
ステータス
筋力B
体力C
敏捷D
魔力G
スキル
格闘、打撃、剛腕、剛撃、体力回復
フラウはピクシーにアヴァリスはレッサーオーガにクラスチェンジさせるとフラウは指先程度のサイズだったのだが小学生程度の身長に変わりアヴァリスは小さい体から大きく成長し筋骨隆々な赤い体色に変わり二体とも大きく変わった。
クラスチェンジが終わりやっと一息付けるかと思ったら今度は召喚可能数が増えたと表示されており同時に召喚できる最後の召喚モンスターで悩みの種が増えたが前々から召喚するモンスターは決まっていた。
「サモン!」
フォボス
レベル1
ステータス
筋力D
体力D
敏捷C
魔力F
スキル
疾走、噛みつき、危機察知
恐怖を意味する名前を与えられた狼は黒い体毛で鋭い黄金色の瞳をしており風格を醸し出しており新人とは思わないが腹を向けて命に甘えてきて顔をベロベロと舐めてくる。随分と人懐っこい子で自分もとブランも頭を押し付けてきてモンスター達を撫でてやる。こういったスキンシップは取ったことがなかったなと思いながら彼らが満足するまで撫でてやる少し、疲れながらもやり遂げる。
あまり長い間ここにいるのもあれなのでポータルに触りダンジョンの入口に戻ると何か騒がしく人だかりが出来ていてその中心には倒れた仲間を治療している樋口の姿があり彼女以外のパーティーメンバーは苦しそうに倒れている。
「誰か解毒のポーションを!」
顔色が悪く毒に掛かっているのが分かる。野次馬の誰かが解毒のポーションを持ってきてくれたおかげでパーティーは一命を取り留めたようだ。
「すみません、リーダー……自分がボスに挑もうなんて言わなければ」
「パーティーの皆で決めたことです。気にしないで」
三階層には毒を持つモンスターが出現するという話であり中でもボスの毒は道中のモンスターよりも強力なのだという。ボスの毒にやられて彼女ほどのパーティーがやられて帰るとはその強力さが際立っているということでこれから三階層に行くことになるのだがら自分も十分注意しなければならない。
回復はフラウに任せていたがこれからはポーションも持ち歩くようにしておこうかなと思うがポーションは嵩張るのであまり持っていきたくないのが本音であるがそういう訳にもいかないだろう。
「あれは?」
野次馬の中にカメラを構えているものがおり写真を撮っているのを見つける。思い返せば前回、第一階層をクリアした時にも同じような格好の人間がいた気がする。あれが宍戸の言っていたこの学校の情報を取り仕切っている新聞部の人間なのだろう。今回の事はかなりのネタになるだろうが見ていていい気分はしない。
「柏崎命さんですよね?お話聞かせてもよろしいでしょうか」
いつの間に近づいていたのか腕に新聞部の腕章を付けた男子生徒が命にボイスレコーダーを向けている。こんなに近くに寄られて気づかないということは恐らく盗賊職でその立ち振る舞いからも命よりも高い実力の持ち主であるのが伺える。
「ダンジョンに帰ったばかりなので後日にしてもらえませんか」
「そういう訳にはいきません。一年生ながら単独で二階層を突破できた理由を是非ともお聞かせ頂きたいので」
命が二階層をクリアしたのも知られている。胡散臭い笑みを浮かべる目の前の男を若干気味悪く思いながらも無下にして新聞部を敵に回すというのは得策ではない。
「連絡先を渡すので後日でいいですか?」
「ありがとうございます」
流石に格上と戦って疲れており取材を受けれるような状態ではないので今日の所は帰ってもらう。去っていく命を見送り青年 安城隼人は胡散臭い笑みを無くし冷たい表情へと変わる。
「柏崎命。入学して直ぐに第一階層を突破して間を置かずに二階層を突破した。獅子王誠の妹もそうだが今年の一年生は随分と優秀だな」
「部長!樋口パーティーの取材のアポが取れました!」
「直ぐに行くと伝えろ」
彼こそがこの学校の情報を取り仕切り絶大な情報力を有しこの学校の事で知らないことはないと言われている新聞部の部長であり盗賊ランクの頂点に君臨する人物である。
将来性のある生徒と誼を通じておくのは新聞部としては当然のことであるが獅子王誠の妹である獅子王琴乃や強力な回復魔法を使える樋口吉良が目立っているのは分かるが何のネームバリューのない命がこれだけ活躍するのは安城からしても予想外で優秀な探索者となる者は学生時代から逸話を残すというジンクスがある。
「何を聞かせてくれるか楽しみだ」
本当は寮に帰って休みたいところだが魔石だけでも換金にしておこうとダンジョン近くにある魔石換金所に向かい魔石を換金する。
Cランクの魔石は10万円になり予想以上の買取金額に驚きながら探索者が儲かるわけだと納得する。用も終わったので漸く寮に帰ることが出来ると思い去ろうとするとコートを引っ張られて足を止める。
「貴方が私の作品を買ってくれたのね!」
「えっと、何ですか?」
目をキラキラとさせながら武器屋で見た作業着の女性が命を見つめている。
「私、金倉莉音!貴方の装備を作った鍛冶職人なの!」




