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現代ダンジョン サモナーが行く  作者: 金林檎


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第五十六話

 それから数日間、夕陽のダンジョン探索に同行し夕陽は凄まじい勢いでダンジョンを攻略していきあっという間、二階層を踏破して新たに召喚モンスターを増やしたりと確実に戦力を増している。


「本当にお世話になりました」


「こちらこそ、得難い経験だったよ」


 夏休み期間が終わろとしており命は東京に戻らなくてはいけなくなりこれからは夕陽のダンジョンに同行してやることは出来ない。とても残念そうであるが心からお礼を言ってきて命自身もいい経験となり学ぶことも多かった。


「焦ることなく自分のペースで進んでいくと言い。実力はあるんだからね」


「はい!肝に銘じます!」


 覚えのいい生徒で躓くことなく器用に教えを実行して命が導かなくても自分で思いついて実行しただろうが真面目に考え過ぎるきらいがあるので先達として彼女を導くことが出来て良かったと思う。


 夕陽に見送られながら出発する。まぁ、ポータルに触れるだけの短い旅であり東京にも少し前に行ったばかりなので久しぶりという感覚は全くないが学校は久しぶりなので自分の寮へ向かい久しぶりとなる豪華すぎる部屋に帰ってきた。


「相変わらず、慣れないな」


 悪趣味と言えるレベルの豪華さではあるが久しぶりとなると何だか愛着を感じるもので命は荷物を下ろしてベットに寝そべると端末に連絡が来ているのに気付く。


 相手はやはりと言うべきか宍戸で東京に着いたぜとご丁寧に東京タワーと一緒に映った写真を送ってきて相変わらず元気な奴だと思いながら珍しく那須から連絡が来る。


「また、新しいポーションを開発した?流石というか……」


 夏休み期間中に時間だけはあったからと新たなポーションを開発したと言う話であり金倉も一緒のグループに入っている為、金倉も大いに驚いている。薬師としての腕のほんの少しでもいいので人格面に才能を割り振れなかったのかと思いながら那須の天才ぶりに驚きを通り越して呆れてしまう。


 新しいポーションを作り出してもそれを販売する販売経路はどうするのかと聞いてみると見るからに動揺しておりそういった交渉は大の苦手であり本人は開発するだけで満足と言うのだがそれだけではいけないのが現実でありまた、命が販売先を見つけなくてはならないかと溜息を零す。


「また、遠野さんに連絡を取るかなー。でも、信二さんにお世話になったし獅子ギルドに協力してもらうのも手だな……」


 自分の力が必要ならば是非、連絡してくれと連絡先を貰っておりどうしたものかと考えるが命ではどうすればいいのか分からないので安城へと連絡を取る。


『獅子ギルドとも交流があるとは……それは悩ましいことですね』


 安城もどうすれば最適なのか直ぐには判断が付かないようであり手帳を捲る音が聞こえてきて情報を纏めている様だ。


『那須さんから買い取ったレシピで一角獣ギルドもかなり潤ったと言う話ですが、レシピが困難で職人はそれに掛かりきりという話を聞いたことがあります。一角獣ギルドに話を持っていったとしても断れる可能性が高いかと』


「成程……参考になりました。ありがとうございます」


『いえ、那須さんが新たなポーションを開発したという情報をいち早く手に入れられたのですから。有難い位です』


 抜け目のない人物であるが情報を悪用しないと言う信頼があるので安城に漏らしたとしても悪いようにはしないだろう。安城との連絡を終わり命は信二に連絡を取る。


『久しぶりだね。柏崎くん』


「お久しぶりです。早速ですが信二さんに良い話を持ってきまして」


『ほぅ、面白い話とな』


 そうして那須が新たなポーションを開発してそのレシピの買い取りと販売を獅子ギルドに行ってほしい旨を伝えると信二は機嫌がよくなる。


『那須くんの話は聞いている。一角獣ギルドが大分、自慢していたからね。その話、喜んで受けるとしよう』


「ありがとうございます」


 那須の名は獅子ギルドのギルド長である信二にまで届いている様で二大ギルドとして一角獣ギルドには対抗心があるようであまりよく見ていないのが言葉尻から感じられて一角獣ギルドが那須のポーションで大分、潤ったと言うのも効いている様でその那須の新作ポーションを得られるとして信二も興奮している様だ。


『是非、レシピを買い取らせてもらおう。出来れば完成品が欲しい所だが』


「一度、那須を連れてお邪魔させていただきます」


『はっは!それは良い!』


 話が纏まって東京の支部に那須を連れて行くことになり那須は嫌がりそうだが新たなポーションを作った責任を取ってもらわなくてはならず無理やりにでも連れて行く。いつの魔にか那須の販売窓口の様になってしまっており呆れてしまうが那須の栄達は命にも意味のあるものであり必要経費だと思おう。


 連絡が終わったのでベットに倒れ込む。時間を確認すると夕食には早い時間でどうしたものかと考える。今から食堂に行くのも面倒だしとバトラーを召喚して夕食を作ってもらう。


 その間に命はやっておきたいことがあった。命の持っているバックパックはかなりの大容量であり魔石だけでなく食材や調理器具といったものまで収納できるものであるがそれでも容量には限度がありアークマジシャンの魔石で作られた装備に空間魔法のスキルが付与されており命はエンチャントの技術を用いてバックパックに空間魔法を施す。


「まぁ、初めてにしては上出来かな?」


 バックパックの中の空間が拡張されてこれで容量に困ることは無くなっただろう。調味料だけでなく多くの食材も入れれるようになるが市場で売られている最高品ではないのでバックパックの中の時間を止めるなんていう芸当は命にはできないがそこまで長期間遠征は行わないつもりなので問題ない。


 作業を終えると丁度、バトラーが料理を完成させたのでテーブルで試される。出来上がった料理はチャーハンと中華スープでシンプルながらも作り手の技術が試される代物で味は勿論、極上である。


「正直、食堂の飯よりも美味しいけど引きこもってばかりは精神的に悪いからな」


 部屋に籠っていては得られる情報も限定される。食堂に出れば多くの生徒の話し声で情報を得られたりと味だけを追求してはならない理由がある。しかし、偶にはバトラーの料理が食べたいので週に二度は部屋で食事を摂る時間を設けよう。


 食事を終えて就寝し久しぶりとなる登校日で幸いなことにクラスメイトは誰一人欠けていない。ダンジョン探索には危険が付き物であり下手をすれば命を落とすこともあるのだが、この学校に通っているだけあってそこら辺は理解している様だ。


「ホームルーム始めるぞー」


 ヨレヨレの白衣を着た陣内が入ってきて自然と話し声が止む。陣内も誰も掛けていないことを喜んでいる様子であり出席を取りながら少し、にやついている。


「二学期も始まったという事で文化祭の準備を早いうちから決めないとならねー。一限はそれを決める為に時間を取るからなー」


 早速、文化祭の話が出てきてクラスメイトのテンションが上がる。やはりと言うべきか子供はイベントごとが好きで普段は大人しい生徒もテンションが上がっている様であり陣内が文化祭実行委員を決めると言うと多くの生徒が手を上げる。


 結局、目立ちたがり屋で仕切りたがりの小林が実行委員になることが決まり、壇上に立って周りに居る取り巻きの一人に板書をさせる。


「我々は探索者なのだから他のクラスがやるような出店や劇なんかは似合わないと思わないか?」


「だったら何やるんだよ?」


 何時もの様に自身に溢れてともすれば傲慢に見えてしまう態度で壇上に立ち、当然、上がって来るだろう質問に自陣満々に答える。板書には魔石展示会という文字が大きく書かれる。


「探索者の強さを示すには倒した魔石を置いて他にない。これぞという魔石を展示して我々の強さを世に知らしめようじゃないか」


「魔石を展示するってことか。面白そうだな!」


「俺、全部売っちまって手元にねーぞ?」


「馬鹿、文化祭まで時間があるんだがら鳥に行けばいい話だろ?」


 小林の示した案は好意的で皆、どんな魔石を展示すればいいか吟味しておりその様子に小林は鼻高々である。展示ならば他の出店や劇のようにずっと教室に居なくてはならないですむので那須の手伝いに行くことが出来る。


 命は安心であるが劇や出店みたいなことをやってみたかったらしい宍戸は不機嫌そうであるが魔石展示が面白そうなのと他のクラスメイトが好意的なことを見て納得せざる得ない。


 にしても小林にしては良い案を出すなと思い、誰かが入れ知恵したんじゃないかと思うが邪推かと考えないことにする。


「じゃあ、展示会の為のレイアウトと決めていこう」


 さくさくと決めていき夏休み期間中に実家の手伝いでもしたんだろうかと思わせる辣腕ぶりで板書している取り巻きが忙しそうにしておりクラスメイトの意見を纏めている。金持でいけ好かないという印象であるが装備だけが良くてもどうにもならないのがダンジョン探索でそれなりの結果を出している小林は優秀な部類だと言える。


 話し合いが終わり一限目も終了すると宍戸は命の席へとやって来る。


「魔石展示会とか小林にしては冴えた提案だよなー。俺、モンスターの肉を使った出店がやりたかったのに!」


「それは別の機会だな。ていうか、そんなに食える素材を集められるか?」


「そりゃ、気合だよ!」


 考えなしなのはこいつだったなと呆れながら命は何を展示するか考える。どうせなら簡単に手に入らない貴重なものがいいよなと考えてそういえばアークマジシャンの魔石が残っていたなと思い、アークマジシャンの魔石を展示することにしよう。


 この時の軽い気持ちで考えて決めたことが文化祭に意外な出来事になって帰って来るのだが命はまだ知らない。


「それより、昼飯一緒に行こうぜ。今日の特別ランチが旨いって話だぜ」


「まぁ、付き合うよ」


 食堂に行くことにしていた為、丁度いい。食堂は一週間に一度、特別ランチといって数量限定で特別なメニューを出すことがあり多くの生徒がそれを求めて食堂に行くので早めに行かなくてはならない。

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