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現代ダンジョン サモナーが行く  作者: 金林檎


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第四十六話

 戦闘が続いたので少し休憩することにする。念のためにと持ち込んでいたチョコレートをくいながら戦っている探索者の戦い振りを見守る。どの探索者もこのダンジョンに挑めているレベルなので攻撃はド派手で海外らしいと言えばらしく命の様にソロで潜って居る探索者はそういないらしい。


「宍戸と樋口は観光に行くって言ってたからな」


 海外に来たのにダンジョンなんてありえねーと宍戸は言っていてファンクラブが出来るほど人気な樋口と一緒に観光できることを飛び上がるほど喜んでいた。獅子王はいつの間にか姿が見えなかったのでどこに行ったか分からないが多分、命と同じようにダンジョンに潜って居るのだと思う。


 海外のダンジョンショップを除いてみたい気持ちもあったがやっぱり命はまず先にダンジョンに行ってみたいと言う気持ちがあり金倉に専属鍛冶師をしてもらっている手前、装備を買うと言うのもしたくないのでウインドウショッピングだが。


「よし、行くか」


 チョコレートの銀紙をポケットに入れて探索を再開する。先程と似たようなモンスターが出現して危なげなく倒すことが出来て先に進んでいくと毛色の違うモンスターと遭遇する。


 アークマジシャン

 スキル

 空間魔法、氷河魔法、灼熱魔法


「強敵だな……」


 群青のローブに物語に出てくるような魔女帽子の様な先のとがった帽子を被っており見るからに魔力の籠った水晶をてにしており明らかに雰囲気が違う。詠唱なしで頭上に漆黒の球体が出現しフラウが思わず命を転移させて離れさせる。


 凄まじい重力がパーティーに降り注ぎ苦しそうに身動きが取れない。アークマジシャンは一人残された命に向かって氷河の波を放ってくる。


「追加召喚。バジレウス!」


 あまりにも魔法の発生が早く命では対処できないと考えてバジレウスを召喚し灼熱のブレスによって氷河を溶かす。アークマジシャンは動揺した様子を見せずに淡々と魔力を収束させて空中に氷の塊と炎の塊が浮かび上がる。


「並列魔法!?ふざけんな!」


 命は思わず悪態を吐いて即座に魔力を流して地面を迫り上げらせる。幾重にも張り巡らされた壁を悠々と突き破ってきて魔力量は遥かに上だなと考えながら向かってくる氷の塊をバジレウスが尻尾で見事に弾き、翼をはためかせてアークマジシャンに向かって爪を振り下ろす。


 アークマジシャンの姿が消えて空中に姿を現す。転移魔法でバジレウスの攻撃を回避して再び、炎と氷の魔法を放ってくる。


「チェンジ!ノワール、シャイン!」


 重力魔法によって拘束されているフラウとフォボスを送還してノワールとシャインを召喚する。魔力ががくっと消費するのが分かるが背に腹は代えられない。


 召喚されたノワールとシャインは空中に浮かんでいるアークマジシャンに向かって飛行しそれぞれの武器で攻撃する。詠唱破棄のスキルを持っているであろうアークマジシャンであったが並列魔法は負担がデカかったのか足が止まっている所を攻撃されて魔法を中断して転移魔法で逃れる。


「逃さん。パラライズ!」


「ゲヒ!」


 アークマジシャンが転移した先を瞬時に見抜いて麻痺呪文を放ち、足を止まった所をノワールの杖が襲い、まともなダメージを受けてそれを見逃さずノワールの口からおどろおどろしい言葉が紡がれてアークマジシャンは呪言の効果を受ける。


 呪言は相手に言葉を聞かせると言う制約があるが一度耳に入ってしまえば逃れることは出来ず、様々なバットステータスがアークマジシャンに付与される。


「ヤ!」


 翼を大きく広げて頭上の光輪が煌めき光の柱の様な攻撃がアークマジシャンを襲う。祝福によってステータスが上昇された状態で放たれた聖撃である。


 かなりのダメージだったようで少し、よろめいてしまっており水晶を持つ手も震えてしまっている。それでも倒すには至らず再び、水晶に魔力が収束した瞬間、アークマジシャンの体を剣が貫く。


「カタカタ」


 剣の持ち主は当然、アインであり光を帯びた刀身は剣閃を纏っておりアインは抉るように剣を捻りアークマジシャンは水晶を地面に落とし力なく倒れていく。


 ノワールとシャインに追い立てられてアイン達を拘束する重力魔法を維持することが出来なかった様で命はそれを察知しておりアヴァリスが装備していた雷光の指輪をアインに渡させて瞬時に移動したアインが背後からアークマジシャンを襲ったのだ。


≪召喚モンスターのレベルがアップしました≫


 ブラン

 フォレストオウル

 レベル3→4

 ノワール

 デーモン

 レベル10→13

 シャイン

 ドミニオン

 レベル10→13


『大魔法使いの水晶』ランクA

 攻撃力60 耐久度50

 スキル

 空間魔法、並列魔法、空中浮遊


「何とか勝てたな……一時はどうなる事かと思ったが」


 レアドロップした水晶を取って見つめる。破格の性能を有しているが杖を使う命にとっては使いにくいものであり金倉に見せてみるかとバックパックに入れる。


 フラウの機転がなかったら自分も重力魔法に巻き込まれてやられていたかもしれない。その後の攻防戦も下手をすれば押し切られそうな勢いで即座にノワールとシャインを召喚した判断が功を奏してボスでもないのにこれだけの力を持ったモンスターが出現するとは思ったよりも恐ろしいダンジョンなのかもしれない。


 思った以上の激戦で披露した命は流石に撤退することにした。もう少し、進んでおきたいと言う気持ちもあるがダンジョンは逃げないと心に語りかけて警戒しながらロビーまで戻る。


「もう、こんな時間なのか。暗いダンジョンの中に潜ってたから時間感覚が可笑しくなるな」


 備え付けの時計を見ると日が沈みそうな時間で命は待合室に向かうとピンとした姿勢で使用人が座っていて随分と待たせてしまった。


「すみません……こんなに待たせてしまって」


「いえ、待つのも私の仕事ですからお気になさらず」


 不満があるだろうにそれを表に出さない姿は使用人として完璧と言っていい。申し訳なく思いながらも何時までも引きずってしまうのは悪いので使用人に車を出してもらって別荘へと帰る。


 別荘へと向かっている車の中で命は金倉に向けて今回手に入れた魔石や水晶を端末で写真を撮って送信すると時差があるだろうに直ぐに既読が付く。


『創作意欲を刺激する物を送ってくれちゃって!』


 プンプンと怒ったスタンプを送ってきてつらつらとこれを使った装備の案を出していき金倉の職人としての琴線に触れてしまったらしい。読むのも難しい位の長文でそれをいくつもポンポンと送って来る。


 流し読み程度であるが内容を見て返答しようと思ったが寝ろって言われたから寝るねと言う言葉を最後に送ってこなくなる。


「金倉は相変わらずだな」


 職人として素材となる魔石を見たら興奮してしまう様でそれがAランクのものならば尚更だ。連絡を取り合っていると車はあっという間に別荘に辿り着いて一階の談話室では寛いでいる様子の宍戸と樋口が居た。


「よー、命!ロンドンは最高だな!」


 口々に観光での出来事を語ってくれる。屋台の食べ物が絶品だったとか待ちゆく人が美人ばっかりだったとか興奮した様子で語ってくれて樋口も日本人の子供が観光するからと少し、警戒していたようであるが道行くはとても紳士な人ばかりで良くしてくれたと語っている。


「そうそう、一応、ロンドンのギルドに行ってみたんだけどさ。色々と依頼が張り出されたぜ」


 ギルドには報酬を用意することで探索者に依頼を発行することが出来て探索者の収入源の一種であり個人に向けたものだけでなくギルドに当てた大規模なものまで種類は様々で宍戸は何枚か依頼書を持っている。


「ロンドンで遊ぶ金を稼いで来るさ」


「私も治療の依頼があったので行くつもりです」


 海外まで来ていると言うのに流石は探索者学校の生徒で自然と人の為になる事をする。生憎と命は金には困っておらず観光をするつもりも今の所はないので時計塔ダンジョンに集中したい。


 次の探索で一階層は突破したい所であるがまた、アークマジシャンみたいな強敵とぶつかれば消耗は必至で色々と考えて編成を組まなければならない。


「ふー、流石はA級ダンジョン。強かったな……」


 夕食まで時間があるので命は部屋に戻って寛いでいる。情報はしっかりと読み込んでいたのでが流石はAランクダンジョンで情報にないモンスターが出現して命の万全なパーティーでもやられかれない相手だった。


 空間魔法の恐ろしさを十二分に味あわされた戦いで魔法耐性を有するモンスターでも容易に抜け出せないものでフレイム・マジシャンが見せた魔法を中和させる技を覚えなければならない。


「確かこんな感じだったか?」


 魔力だけを放出して魔法式に干渉して術式を中和させる。解呪魔法ディスペルマジックと言われる高等技術であり魔力障壁とは難易度が比べ物にならないもので魔力操作や演算能力を全開で働かせながらも放出された魔力は周囲に漂うばかりで術式に干渉するような動きに導くことが出来ない。


「どうも手詰まりだな……」


 単純な魔力操作でどうこうなる代物ではないようで高等技術と言われるだけHあるなと改めて思い知らされる。何か見落としているのではないかとあの時のフレイム・マジシャンが行使していた解呪魔法を思い出してみる。


 そう思い返してみるとフレイム・マジシャンは重力魔法を受ける際に目視できるレベルの濃さの魔力を放出していながらも一瞬で重力魔法を中和させておりもしかすると魔法の核を見抜いてそれを魔力で包んで術式に干渉したのではないのだろうか。


「魔法の核か……流石にそこまでの魔力感知はないが」


 術理を理解してもモンスターほどの魔力探知能力を有していない命にはそれを見抜くだけの目を持っていないのでどうしたものかと考え、水球を作り出して魔力を放出すると放出した魔力が繋がっているような感覚がして水球を構成している魔力を感知している。


 神経を研ぎ澄まして魔力を広げると異物の様なものを感じてそれを魔力で包むと空中に漂っていた水球がきれいさっぱり消え去ってしまう。


≪スキルレベルがアップしました≫

 柏崎命

 スキル

 魔力操作→魔力制御


 「これが解呪魔法……」


 感覚を掴めて魔力操作が新たな境地へと昇華されたことから命の考えは成功だったという事になる。魔法に対する新たな対抗手段を手に入れることが出来たが解呪魔法の魔力消費は通常の魔法よりも高いもので新たに魔力制御というスキルを得たことで感覚ではなく効率に行使できるようになったがそれでも魔力の消費は高い。


「まぁ、効果が効果だからな。切り札の1つとして使うことにするか」

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