第三十八話
アヴァリスがクラスチェンジしたことで他の面子もクラスチェンジさせたいので経験値の効率がいい密林へと向かい数々の恐竜を打ち倒していく。
《召喚モンスターのレベルがアップしました》
ブラン
ハンターオウル
レベル18→19
フラウ
ハイピクシー
レベル19→20
スキル
時空魔法New!
《クラスチェンジ条件が満たされました。クラスチェンジ先を選択してください》
フォボス
フロストウルフ
レベル18→19
結構な数の恐竜を倒して地面には死体の山が積まれており粒子となって消えていく。これだけ倒してやっとレベルが上がりクラスチェンジしたアインとアヴァリスのレベルは上がらなかったが他の召喚モンスターのレベルは上がったので御の字だろう。
フェアリープリンセスNew!
ステータス
筋力C
体力B
敏捷B
魔力A+
スキル
精霊魔法New!、魔力回復→魔力急速回復New!
フェアリープリンセスにクラスチェンジしたフラウはその名には相応しくない成長ぶりで確りとした女性と言った風になっておりドレスの様な白い衣装に身を包み背中には半透明の翼を生やしている。容姿も絶世の美女といって差し支えなく見るものを魅了するもの。
精霊魔法は精霊を操り魔法を行使する自然魔法であり時空魔法は空間と重力を操るものでどちらもかなり稀有なレアスキルであり手に入れようとして手に入るものではない。
「アインやアヴァリスとは毛色が違うな」
クラスチェンジしたことで魔力のステータスが上がり行使する魔力の威力が目に見えて上がっており新たに手に入れた時空魔法で相手を寄せ付けず重力で敵を押しつぶしたりとやりたい放題で精霊魔法は幾つもの精霊を操りその威力は通常の魔法よりも上で範囲も広いようである。
目に見えて成長ぶりを感じクラスチェンジして正解だった。モンスターであるフラウには魔法の媒介である杖は必要としていないようだが無人島での生活で質のいいランクAの魔石を幾つも手に入れたことだがらフラウに杖を作るのもいいだろう。もう少し、早めに作っておけばと思ったが今からでも遅くはないだろう。
「次はブランとフォボスだけど……もう、日が暮れるな」
既に日が沈みそうであり夜の狩りをしてもいいがまた、スペクターの様な強敵と遭遇するのは勘弁であり大人しく拠点を作り上げ結界を貼る。今日の夕食は恐竜肉の焼肉で海水で作ったあまり質がいいとは言えない塩で食べるが肉自体のモノがいいのでバクバクと食べ進められる。
「ちょっと前まで一般人だった自分がドラゴンの肉を食べてるなんてな」
思えば遠くまで来たものだと考えながら従えている召喚モンスターを見る。最初は弱そうなスケルトンであるアインから始まりブラン、フラウと続き、今ではドラゴンを従えるまでになっている。
夏季演習が終わったら夏休み入り長期休みになる。命も地元の出雲に帰省する予定であり夏休みを利用して色々なダンジョンに潜ろうと思っており地元にも世田谷ダンジョンの様な大きいダンジョンがあったはずだから取り敢えずはそこに潜ろうと思っている。
最終日にどれだけ経験値を得られるかであり明日は早朝からレベル上げに勤しむことにし早く床に着き眠る。
「今日で最終日だからな。気合を入れないと」
取り敢えず残った二匹のクラスチェンジを目標としてレベル上げをするつもりであり拠点を撤去して恐竜に挑んでいく。
《召喚モンスターのレベルがアップしました》
ブラン
ハンターオウル
レベル19→20
スキル
即死New!
《クラスチェンジ条件が満たされました。クラスチェンジ先を選択してください》
フォボス
フロストウルフ
レベル19→20
スキル
強襲→蹂躙New!
《クラスチェンジ条件が満たされました。クラスチェンジ先を選択してください》
何時間もの狩りの末にクラスチェンジを行えるようになりこれで古参メンバー全員のクラスチェンジが出来るようになった。
フォレストオウル
ステータス
筋力A
体力B
敏捷A
魔力B
スキル
予知→未来予知、探査→広域探査
マナガルム
ステータス
筋力A
体力B
敏捷A
魔力B
スキル
氷属性→氷河属性、ブレス→ハイブレス
ブランは体毛が真っ白になり瞳が怪しく光っておりバットステータスを与える瞳として複雑な色彩をしている。フォボスは大型化しておりその体格はロイドに迫らんばかりで命が騎乗出来るくらいの大きさになっている。黄金の瞳は健在で更に輝きを増している。
これで古参全員のクラスチェンジを行え、一斉に並んでいる姿を見ると流石に壮観で彼らのレベルを上げながら今度はノワールやシャインと言った新人たちのレベルも上げなければいけないので課題は山積みであり特にファイヤードレイクのバジレウスを更に成長させたいがバジレウスの戦力を必要とするモンスターなんてそういない。
「さて、新しい力を見せてもらおうか」
クラスチェンジした二匹の実力を見せてもらうことにする。
ブランは更に速度が上がり恐竜の固い体を簡単に切り裂いており新たに手に入れた即死のスキルで簡単に恐竜を倒したりと厭らしさが増し戦闘機の様な高速移動で相手に自分を捉えさせず思う存分に暴れている。フォボスは大型化した体に似合った力強さに進化した氷河属性による圧倒的な攻撃範囲に一斉に相手を凍結させる拘束力は凄まじくそれらをあっという間に砕く力があり成長ぶりが伺える。
「これならまた、ヒュドラと戦っても余裕で倒せるな」
あれだけ苦戦したヒュドラを相手取ったとしても余裕をもって戦えるであろう成長ぶりで召喚モンスターだけでなく命のスキルアップも行わなければならないがそれに相応しい相手は強敵であり簡単には戦えないし会えないものでどうしたものかと考えているとアナウンスが響く。
『夏季演習を終了します。生徒諸君は島の中心の草原に集まるように』
島全体にアナウンスは響き、七日間に及ぶ、長かった夏季演習が終わりを告げる。命はフローガに乗馬して草原に急ぐと草原には大勢の生徒でひしめいており所々、見知った顔もあるが皆、薄汚れていて苦労していたと言うのが一目でわかる。
草原に巨大な魔法陣が浮かび上がり光と共に生徒達が転送されていき命も転送されて目を開くと学校の講堂であり転送されたのだと分かる。壇上の上には車田校長の姿があり生徒全員が転送されたのを確認するとマイクなしで全員に聞こえる声で話始める。
「七日間お疲れ様だった。幸いなことに離脱者は数人と素晴らしい成果だと言える」
あの過酷な環境に耐えられず離脱したものも存在していたが数える程度であり多くの生徒が七日間を生き抜いたことに車田校長はとても満足している様子だ。
「申請すればいつでも無人島に転移出来るように取り計らうのでまた、行きたいものは遠慮なく申し込んでくれ」
何人かが嫌そうな顔をするが命は大歓迎であり過酷な環境であったが得るものは多かったのでまた、行ってみたいと考えていたくらいである。あの無人島は宝の山であり取り切れなかったアイスワイバーンの宝を取りに行くのも悪くはない。
「確りと休息を取りなさい。夏季演習が終わったことで学校は夏休みに入る。各々、節度を持って自由に過ごすといい」
そういって車田校長は壇上から降りて張り詰めていた雰囲気が弛緩し生徒は各々、友人達と話し講堂から出ていく。
「よっ!お疲れさん!」
「宍戸もな」
人の良い笑みを浮かべながら話しかけてくれたのは宍戸であり肩を叩かれる。宍戸の体も少し、薄汚れており少なくない傷があり苦労していたのが分かる。持ち込みが自由ならば防具も装備できたはずであり重戦士である宍戸には苦労したことだろう。
「夏休みだっていうけどどうすんの?」
「一応、帰省するかな」
「地元、出雲だっけ?そういや、あそこはデカいダンジョンがあったよな」
出雲ダンジョンと言えば日本の中でも大きなダンジョンに数えられるダンジョンであり日本各地から探索者が集まる階層型のダンジョンである。出雲は大規模なダンジョンを有しているため数々の高名な探索者を輩出しており有名どころと言えば雷光の柊藤次郎や黄泉帰りの岸辺宗一郎など多くの探索者が存在している。
それから宍戸と話しながら講堂を出て取り敢えず寮に戻ることにした。本当は収穫物を直ぐにでも金倉に渡したかったが今日は風呂に入って確りと休息してからであり無人島では最低限、体を拭く程度しかできなかったので凄い汚れが出てきてそれを洗い流すのに苦労させられながら天蓋付きのベットに倒れ込む。
久しぶりのしっかりとしたベットであっという間に眠ってしまう。まだ、やりたいことは色々とあったのだが睡魔に勝てず眠りにつく。
「やっぱりベットが一番だな」
起きたと時の寝起きの良さが無人島で作った寝床がゴミだと思えるほどであり最高の目覚めだ。身支度をしてから金倉に連絡すると工房にいるとのことでずっしりと重たいバックパックを背負って金倉の工房に向かう。
「夏季演習お疲れ様!無事でよかった!」
「お、お疲れ様……」
「得難い体験だったよ。戦利品も一杯得られたしね」
工房には金倉と那須の姿があり命の無事を心から祈ってくれたようで少し、気恥ずかしく思いながらテーブルに戦利品を広げると二人とも目を輝かせる。どれも一級品ばかりであり那須への手土産にと無人島に群生する薬草も採取しており二人とも興奮しながら素材を手に取る。
「これだけ素材があったら好きなだけ武器が作れるよ!」
「あ、新しいポーションの開発の役に立つかも」
興奮している二人が落ち着くまで命はお茶を淹れてソファーで見守る。こうなってしまった二人は落ち着くまで時間が掛かるので金倉に作ってもらう装備についてピックアップする。取り敢えずはアヴァリスの重鎧とフラウの杖、バトラーやノワール、シャインの武器も新調したい所でありアインの装備は変えたばかりだし今の装備でも充分である。それと命の防具も作ってほしい所でありアイスワイバーンの魔石で作ったらいいものになるだろう。
「早速、作るから採寸するよ!」
そういい金倉と那須に協力してもらってアヴァリスやノワール達のサイズを採寸しており改めてサイズを確認した金倉は早速作業を開始する。那須も薬草とアイテムを使って自分の工房に戻るのではなくいつの間にか金倉の工房に持ち込んでいた道具でポーション作りを始めている。




