第三十五話
ワイバーンを倒して命は森の先に向かうとそこはワイバーンの巣だったようで多くの宝が集められていた。
『氷竜の鱗』ランクA
『氷竜の宝玉』ランクA
どれも一級品ばかりで簡易的に作ったバックパックでは全てを入れることは出来ず品質の高いものを厳選する。流石はワイバーンの巣で無駄なものは一切なく厳選するのも一苦労でありバックパックがパンパンになるまで詰める。重くなったバックパックをアヴァリスに背負わせて命は拠点の準備をする。
「流石に此処に建てるのはな……」
戦闘の痕が色濃く残っており地面は凍り付いておりこんな所では気持ちよく寝れないとこの場から離れて拠点を制作する。前回の反省を生かして少し広めに作っており寝台のそこそこ立派なものにしておりフラウが神聖魔法で結界を貼れば出来上がりでありモンスターも人も寄り付けなくなる。
「四日目も終わって無人島は終わりに近づいてる。長いようで短いな」
激動の時間を過ごしておりあっという間に時間が過ぎている。インペリアルタイガー、スペクターにスプリガン、アイスワイバーンと強敵ばかりと戦ってきてお腹が一杯でありこれ以上、強敵とは戦いたくないと思うがこの無人島は底が見えずまだまだ、強敵が眠っていそうな感じがする。
確かに得られたものは大きいがそれにも限度があると言うものであり明日からは慎重に行動することにしよう。多くの魔石を手に入れたのだがら金倉が喜ぶだろうなと考えながら眠りにつく。
「寝床を良くしたのは正解だったな」
寝起きのすっきりさが違い、顔を洗うとバトラーに朝食を作ってもらう。今日は探索を続けながらロイドのレベル上げとクラスチェンジしたばかりのノワールとシャインのレベルも上げておきたい所であり一応、命の護衛役としてアインは固定だがその他は新人がメインで行こうと思う。
「よし。行くか」
勿体なくはあるが拠点を崩して出発する。フローガに乗って移動したかったが足並みを揃えねばならず森の中を進んでいく。
ウッドゴーレム
スキル
怪力、自己再生
現れたのはウッドゴーレムの群れであり木々に紛れて見分けが付かないくらいに擬態している。低ランクのモンスターではあるがかなりの数であり一掃するには時間が掛かりそうだ。
「テンペスト・ブラスト」
指輪から嵐魔法を引き出して嵐の砲撃を放つ。砲撃は着弾したと同時に広がっていき広範囲を巻き込みウッドゴーレムを多く倒していく。相変わらず威力が高く木々が多く生い茂るこの場所では炎魔法を使えば瞬く間に延焼して火に囲まれてしまうから嵐魔法は使い勝手がいい。
「ケヒ!」
「ヤ!」
ノワールとシャインは相変わらずの連携ぶりでそれぞれ武器に暗黒魔法と神聖魔法を纏わせており積極的に近接戦を仕掛けておりクラスチェンジしたことで攻撃力が増している。ロイドも果敢に突撃しておりウッドゴーレムを嚙み砕いており大勢を相手に臆することなく戦っている。
「カタカタ」
アインはウッドゴーレムをバターの様に切り裂いており命を守りながらこの活躍ぶりであり本格参戦したらノワール達の活躍を奪ってしまうため遠慮している様だ。
《召喚モンスターのレベルがアップしました》
ロイド
キラーレーヴェ
レベル1→4
バトラー
オートマトン
レベル1→2
ノワール
デーモン
レベル1→2
シャイン
ドミニオン
レベル1→2
アインのレベルアップには至らなかったが意外と良い経験値だったようでこの弱さでこれだけの経験値とは意外と稼げ安い場所なのかもしれないと思ったらずしんと地面を揺らす音が響く。
フォレストツリー
スキル
木魔法、吸血、物理耐性
巨大な木が動いており枝をまるで触腕の様に動かしておりその巨体は凄まじいものであり全身を見ようとしたら首が痛くなるほどでスキルを見れば物理耐性もあるとのことでタフな戦いになりそうだ。
「テンペスト・ランス!」
開幕に小手調べだと嵐の槍を放つが枝の触腕が威力を殺して本体には届かない。魔法に対する対処法を知っており多くの枝が本体を守っており無数と言えるほどの枝の先に本体部分がありそれを超えていくのは難儀だ。
「エンチャント・フレイム」
ノワールとシャイン、ロイドの炎のエンチャントを施してそれぞれの武器に炎が宿りバトラーは自前の炎属性で槍や矢に炎を付与している。木属性は土属性と水属性が掛け合わされた上位属性でありその最たるものが生命力の高さで枝の一本に至るまで生命力に満ちておりこれだけの量の木々が生えているのも木属性によるものでその弱点が炎属性なのだ。
「フレイム・ブラスト」
炎の砲撃が放たれて無数の壁となっている枝を燃やし尽くす。周りの木々に延焼しないように魔力操作をしており召喚モンスター達も炎を纏った攻撃を加えていく本体を露出させていく。本体が露出すれば怖いものではなくアインを先頭にノワールとシャインと続いていく。
「カタカタ」
炎の剣閃はフォレストツリーの体に深い傷を与えておりノワールとシャインの攻撃も無視できないものでその体は炎上している。ダメージは思ったよりも深いようで枝を地面に叩きつけたりと暴れまわっており我を忘れている様子。
大暴れするフォレストツリーにバトラーの正確な矢が突き刺さり沈黙し倒れる。あの大暴れの中、見事な一射で他のモンスターには真似できないものだろう。
《スキルレベルがアップしました。召喚モンスターのレベルがアップしました》
柏崎命
スキル
炎魔法6→7、魔力操作28→29
アイン
デス・ナイト
レベル16→17
バトラー
オートマトン
レベル2→3
ノワール
デーモン
レベル2→3
シャイン
ドミニオン
レベル2→3
ロイド
キラーレーヴェ
レベル4→8
「随分と成長したな」
ロイドの成長ぶりは目覚ましく頼もしくなっている。ノワールとシャインの巧みな連携は大きな武器であり二匹が組めば格上でも食える勢いでありフォレストツリーでもかなり活躍してくれた。バトラーは堅実な働きをしており弓での援護に加えて強烈な槍捌きで敵をいなしておりその精密さはどんどん増しており多腕というアドバンテージを存分に生かしている。
森を進んでいくと似たような植物モンスターと出くわすが無視されており植物モンスターはこちらが刺激しない限り敵対してこないモンスターでフォレストツリーの様な例外はいるものの無害なものの方が多い。
「にしても蒸し暑いな……」
熱帯雨林と言った環境で蒸し暑く汗で服がべたつく。水魔法でいくらか涼しくはなっているがそれでも暑いものは暑く砂漠とは別のベクトルで暑苦しい。召喚モンスターは平気そうにしており命だけが暑がっておりこの先は涼しいはずだと涼を求めて進んでいくと開けた場所に辿り着き嫌なものが目に入る。
「グルァァァァ!」
ティラノサウルス
スキル
暴虐、噛みつき、突撃
雄たけびを上げるのは太古の昔に最強の捕食者と呼ばれているティラノサウルスでこの島はなんでもありなのかとその巨体を眺めながら唖然とする。ティラノサウルスはこちらに気付いている様子はないが見るかるのは時間の問題なのでどうしたものかと悩む。
ダンジョンにはティラノサウルスのような太古の生物もモンスターとして存在していると言う話は聞いたことはあるがこう目の前にすると驚かされる。その威容は最強の捕食者の名に恥じないもので最強種であるドラゴンの中でも下位に位置するであろうがそれでもドラゴンには違いなくアイスワイバーンと同等かそれ以上の魔力を感じる。
「やるしかないよな……」
強敵ではあるが倒せればそれに似合うだけの経験値を得られる事には間違いなく強敵とはもう出会いたくなかったと言うのに結局は出会ってしまって自分の運のなさを痛感する。
命は全員にエンチャントを施してティラノサウルスの前にと躍り出る。
「テンペスト・サイクロン」
まず行ったのが高速で竜巻の中にティラノサウルスを閉じ込めてダメージを与える。しかし、ティラノサウルスは簡単に竜巻の拘束から出てきて命に突進してくる。流石は最強の捕食者と呼ばれた生物。並のモンスターではなくアインが立ちはだかりティラノサウルスに比べたら小さな体でその巨体を押し留める。
「ヤ!」
「ケヒ!」
シャインの神聖魔法の光の剣とノワールの暗黒魔法の闇の槍が交差しながらティラノサウルスに突き刺さるが歴戦の肉食獣の固い筋肉に阻まれて大したダメージを与えられていない。ロイドも果敢に攻撃を与えてティラノサウルスにバットステータスを与える。
「テンペスト・フィールド!」
行使するのはスプリガンの見せた嵐魔法の本領でありティラノサウルスの頭上に濃い雨雲が発生して嵐が巻き起こる。
ザーザーと激しい雨と突風が巻き起こり嵐と共に雷が降り注いでいく。当然、ティラノサウルスに何条もの雷が降り注ぎ流石のティラノサウルスも何発も雷を浴びては動くことすらままならずその巨体では降り注ぐ雷を避けることは出来ない。
「カタカタ」
駄目押しだと言わんばかりにアインは雷撃をティラノサウルスに向けて放ち、雷で体が痺れてしまっているティラノサウルスはまともに食らって叫び声を上げるしかない。しかし、伊達に最強の捕食者を名乗っているわけではなく雷に慣れてきたのか暴威を振るう。
その巨体から放たれる突進はアインをして完全に勢いを殺しきることは出来ず続けざまに長いリーチの尾でアインの事を吹き飛ばしてしまう。アインがこれまで一方的に打ちのめされるのには理由があるはずでありティラノサウルスの瞳は真っ赤に染まり体も赤いオーラを発しておりスキルを発動している様だ。
「暴虐。察するに身体能力を向上させる代物か!」
しかし、通常の身体強化スキルよりも効果が高いようで今までとは明らかに動きが違いその効果量の高さが伺える。アインが防御が抜かれたのは予想外であるがやられっぱなしなアインではなく剣に闇、雷の二重属性を纏わせてそれに剣閃を重ねる絶技をティラノサウルスにお見舞いする。
さしものティラノサウルスもその一撃は堪えたようで大きく叫び声を上げて見るからに消耗している様子だ。それを逃す手はなく命はティラノサウルスに雷を集中させて体力を削っていく。スキルによって強化された身体能力も何条もの雷には無力でありティラノサウルスの事を焼き尽くさんばかりである。
「氷華」
繰り出されたのは氷竜のブローチから引き出されたユニークスキルでありその威力は龍種のスキルであるから折り紙付きであり氷の花弁が花を咲かせて一気にティラノサウルスを凍てつかせる。凍り付いたティラノサウルスをアインが剣閃を輝かせて一刀両断する。
《レベルアップ!スキルレベルがアップしました。召喚モンスターのレベルがアップしました》
柏崎命
レベル8→9
スキル
人魔一体6→7、統率7→8、鼓舞4→5、魔法強化24→25、魔力回復23→24
アイン
デス・ナイト
レベル18→19
バトラー
オートマトン
レベル3→5
ノワール
レッサーデーモン
レベル3→5
シャイン
ドミニオン
レベル3→5
ロイド
キラーレーヴェ
レベル8→12
スキル
物理耐性New!




