第三十一話
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
襲い来るインペリアルタイガーをアインが大楯で防ぎ、その爪は雷を纏っており強力な一撃で雷耐性を持つ雷光の大楯だからこそ防ぎ切れてインペリアルタイガーの咆哮によってアインがスタンして弾き飛ばされる。
「シャイン!」
「ヤ!」
弾け飛んだアインを追撃しようとするインペリアルタイガーをノワールが制止しその間にシャインの祝福によってアインのスタンを回復させて回復した直後に閃光のスキルでインペリアルタイガーに向かっていき命は直ぐ様、ブランを送還してアヴァリスを召喚する。
「ギャ!」
アヴァリスも即座に閃光のスキルを使用してインペリアルタイガーに雷撃をお見舞いする。アヴァリスの強力な筋力が加わった雷撃はインペリアルタイガーを後ずらさせる。しかし、それでも大ダメージを与えられているとは思えない状態でその瞳は鋭く雷鳴が迸り向かってくるアヴァリスやアインを牽制するように襲う。
「フリィー!」
フラウがアインとアヴァリスに雷耐性の魔法を付与する。幾ら体力自慢のアヴァリスでもあれを食らい続ければただではすまない。全身に雷を纏ったインペリアルタイガーがアインに思いっきり突撃し大楯とぶつかり凄まじい音を響かせる。
その攻撃を脅威に思ったアインはクールタイムの長い虎の子の要塞のスキルを使いダメージを無効化しこれ以上、長引かせる訳にはいかないと判断し渾身の力を込められた剣閃をインペリアルタイガーに叩き込む。
「グルル……!」
深手を負いながらもその威容が損なわれることはなく命が尽きるその時まで敵に食らい続けると言う意地を感じる。そんな誇り高いモンスターに敬意を抱くがこれは命を懸けた殺し合いでありプライドなんかに拘ってはいられず召喚モンスター全員で攻撃して討伐に成功する。
《レベルアップ!スキルレベルがアップしました。召喚モンスターのレベルがアップしました》
柏崎命
レベル5→6
スキル
召喚魔法28→30、鑑定12→13、人魔一体5→6、統率5→6
アイン
デス・ナイト
レベル12→13
フラウ
ハイピクシー
レベル10→11
アヴァリス
レッドオーガ
レベル11→12
ノワール
レッサーデーモン
レベル12→15
スキル
魅了New!
《クラスチェンジ条件が満たされました。クラスチェンジ先を選択してください》
シャイン
アークエンジェル
レベル11→14
『帝王獅子のベルト』ランクB+
攻撃力55 防御力55 耐久度50
スキル
獅子吼、疾走、雷属性
やはりユニークモンスターで状態異常無効のスキルを持っているアインのスキルを貫通してスタンさせる程のユニークスキルでかなり強力と言える。ノワールのクラスチェンジの行えるようになり結構な経験値でシャインもクラスチェンジ目前だ。
デーモンNew!
ステータス
筋力B
体力C
敏捷B
魔力B
スキル
闇魔法→暗黒魔法New!、魔力耐性New!
「偉い変わりようだな」
命の身長を超えた成人男性ほどになり額の角も長くなり更に立派なものとなり変わっていないのはニヒルな笑顔で体格が増してから近接戦にも優位に働くに違いなく命は帝王獅子のベルトをノワールに装備させる。意外に消耗させられたので拠点に戻って少し、休憩しよう。
日も沈みかかっており夜の狩りもしておきたい所ではあるが今は回復するのが先決だ。
「ん?何だ?」
拠点の前に人影があり拠点に入ろうと試みているがフラウの結界に拒まれている様だ。
「何なんだよこれ!折角、良さげな拠点を見つけたのに!」
「なー、遠藤。もうやめて別の探そうぜー。これじゃちっさくて全員寝られねーだろ?」
「そうそう。そろそろ日も沈むんだしとっとと寝床の用意をしないと」
「畜生!いいとこだと思ったのによ!」
諦めたのか去っていく。もしもきちんとした小屋を建てていたらフラウの結界を無理矢理に破って彼らの拠点にさせられたいただろう。ちゃんとした小屋を建てないで正解だった。
「もうちょっと、隠した方がいいな」
今回の事の様なことが起きるのはご免なのでフラウの結界を弄ってもらって周りからは見えないようにしてもらう。命はバトラーを召喚して食事を用意してもらう。命は寝台の上に座り成果物を確認する。
ユニークモンスターの魔石を手に入れれたのは僥倖で無人島のものは自由に持って帰っても問題ないと言われておりケンタウロスの魔石も珍しいもので簡易的なバックパックを作り魔石をそこに納める。
「静かだな……」
日が完全に沈みあれだけ感じていたモンスターの気配が一切、感じられなくなる。嫌というほど静かであまりいい予感はせず命は危険を承知で拠点の外へと出る。鬱蒼とした森の中を歩きモンスターと一匹たりとも遭遇せず本当に同じ場所なのかと疑ってしまう。
「成程…あんなのが出てくるんじゃモンスターも現れないか」
命の視界の先にいるのは真っ黒なローブに巨大な大鎌を背負ったアンデットで危険なモンスターとして授業でも教わったことのあるモンスターで命を刈り取るもの スペクター。真紅の瞳が命を捉えており逃げられそうにない。
「シャイン!フラウ!」
「フリィー!」
「ヤ!」
アンデットには光魔法でありフラウの強力な神聖魔法とシャインの光魔法が合わさり光の柱がスペクターを襲いアンデットに対する特攻攻撃にスペクターもたじろぐ。
その隙を逃さないと閃光でスペクターの前にアインとアヴァリスが躍り出てそれぞれ雷撃をお見舞いする。しかし、スペクターは大したダメージを食らっていないようで高位のアンデットは強力な魔法耐性を持っており雷撃は魔法攻撃に当たるためダメージを軽減されたのだろう。
「ダークネス・チェーン!」
スペクターがその大鎌を振りかざしており血のように真っ赤に染まった大鎌を危険と思った命は即座にスペクターの体を拘束する。
スペクターの鎌は防御力を貫通すると言う話を聞いたことがありまともに受ければアインでもただでは済まない。魔法攻撃は効かないと判断して物理攻撃にシフトしノワールとシャインも近接戦を仕掛けておりあの鎌に触れないようにと指示を出す。
「やっぱりそう長くは止められないか」
暗黒魔法の拘束をスペクターは簡単に引きちぎりその大鎌を振るう。鎌は武器としては扱いにくいものであるがその有効範囲の広さは凄まじく十分に距離を取ったはずのアインの防御を貫通する。このモンスター相手に長期戦は厳しくアンデットの特性から状態異常も効きそうになくアインの劇毒も効果が薄いだろう。
どう見ても格上の相手でありこれだけの激戦はそうなく気合を入れ直す。少しでも油断したらやられるのはこちらの方だ。
「ケヒ!」
ノワールが獅子吼のスキルを使いスペクターをスタンさせる。アンデットの状態異常耐性を貫通するユニークスキルでありスペクターを制止させてこの隙を逃すわけにはいかずアインとアヴァリスが制止したスペクターに攻撃を仕掛ける。
「カタカタ」
「ギャ!」
何の魔力も籠っていない純粋な剣閃に金剛力によって強化された膂力で繰り出される無拍子。アインとアヴァリスが放てる最高の一撃であり流石のスペクターも大ダメージを受けたようでよろめき命はフラウに指示を出して瞑想で強化された神聖魔法によって繰り出される光の剣がスペクターに深々と突き刺さる。
《レベルアップ!スキルレベルがアップしました。召喚モンスターのレベルがアップしました》
柏崎命
レベル6→7
スキル
召喚魔法30→31、暗黒魔法6→7、魔法強化22→23、魔力操作25→26、付与術20→21、鼓舞
New!
アイン
デス・ナイト
レベル13→14
フラウ
ハイピクシー
レベル11→12
アヴァリス
レッドオーガ
レベル12→13
ノワール
デーモン
レベル1→2
シャイン
アークエンジェル
レベル14→15
聖撃New!
《クラスチェンジ条件が満たされました。クラスチェンジ先を選択してください》
「やっと終わった……」
スペクターが霧散して魔石の姿になるのを見て安心する。服の下は冷や汗でびっしょりで戦闘中はあまり気にしていなかったのだが緊張がほどけて一気に体から力が抜けていくインペリアルタイガーはユニークモンスターだったから苦戦するのも納得だがユニークでもないモンスター相手にここまで苦戦させられるとは主な和なかった。
『幽鬼のイヤリング』ランクA
攻撃力60 防御力60 耐久度50
スキル
防御貫通、闇属性、魔法耐性
「強いとは思ったけどやっぱりAランクモンスターだったか」
そりゃ、学校も危険なモンスターとして注意喚起するわけだと納得しながら命はアヴァリスにイヤリングを装備させる。防御力を無視する無拍子があるがクールタイムが長く連発はできないので防御貫通のスキルは得難いものでアヴァリスの攻撃が防御を貫通して繰り出されると考えるとゾッとする。
スペクターを倒したことで周囲に漂っていた嫌な空気は消えており消耗した状態でモンスターと遭遇したくないので拠点へと戻る。
ドミニオンNew!
ステータス
筋力B
体力C
敏捷B
魔力B
スキル
光魔法→神聖魔法New!、物理耐性New!
クラスチェンジしたシャインは立派な光輪が頭上に浮かんでおり神聖さが増したような気がする。シャインのクラスチェンジが早かったらスペクター戦で有利に進めていたのだが過ぎたことを気にしても仕方がない。
「体を洗いたいけどシャワーなんてないしな……」
取り敢えず汗で気持ちが悪い体を洗いたいのだが無人島にシャワーなんてあるわけがなく木でくりぬいた器に川で水を汲んできて軽く体を洗い流す。バトラーに適温にしてもらってからであり炎魔法を上手く使ってドライヤー代わりにして体を直ぐに乾かす。
「はぁ……寝るか」
寝台の上は柔らかそうな藁を敷き詰めており夜の見張り役にとブランとフォボスを召喚するとフォボスは寝転がる命の上に載ってきて柔らかい体毛が上等な抱き枕の様で抱きしめてすんなり眠ってしまう。
無人島での一日が終わろうとして遠く離れた学園の会議室では多くの教師が映し出された無数の映像を見ており無人島には幾つものカメラが設置されており一年生達の活躍が映し出されていた。
「一日目が終了しますが脱落者は皆無です」
「ふむ。今年の一年生は粒ぞろいだな」
例年ならば一日目から多くの脱落者が発生するはずであるが今年の一年生はレベルが違うのだと思わせる。
「獅子王くんはスプリガン、新道寺くんはレッサーヒュドラ、柏崎くんに至ってはインペリアルタイガーとスペクターとは一年生の域を超えていますな」
無人島の中でも強敵と言えるモンスターが初日にして討伐されており新道寺以外はソロで破っており教師陣も驚いている。獅子王や新道寺はその血筋から大成するものだと入学当時から思われていたが可もなく不可もない成績で入学し未知なサモナーという職業となった柏崎がここまで成長すると想像できたものはオリエンテーションで命を見出した篠原だけ。
「私は凄い探索者になるって言ってた」
「はは、篠原先生の慧眼には驚かされました」
あからさまに篠原に媚びを売っている教師もいるがあまりいい気分ではないようで命とスペクターとの戦いの映像を眺める。格上であるスペクターを撃破したことは見事であるが篠原から見たらまだまだ、ひよっこ同然であるがその成長スピードは凄まじく凄い探索者になると見抜いてはいたがこんな短時間でここまでの探索者になるとは思わなかった。
「本当。面白い子ね」




