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現代ダンジョン サモナーが行く  作者: 金林檎


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第十八話

『再生鬼将軍の重鎧』ランクB+

 防御力60 耐久度50

 スキル

 再生、剛皮、激昂


『再生鬼のロングコート』B

 防御力50 耐久度50

 スキル

 再生、耐暑


 アヴァリスの為に用意された鎧で着せるのも一苦労であったがそれだけの意味があり重鎧であるものの持ち前の筋力から動きの制限にはなっていないようで化物みたいな筋力でありスキルが乗れば更に増すのだからアヴァリスはパーティーのエースと言える。


「これ、頼まれてた奴ね!」


 そう言って金倉は鞍と鐙、そして蹄鉄を用意してくれた。そうなれば早速、モンスターを召喚する。


 フローガNew!

 ステータス

 筋力D

 体力D

 敏捷C

 魔力D

 スキル

 疾走、蹴り、持久力


 炎を意味する名前を付けて現れたホースは栗毛で三日月型の流星がある愛嬌の良い子で召喚したばかりだというのに命に頭を擦り付けてくる。馬の中には馬具を付けられるのを嫌がることがあるらしいがフローガはそんなことなく大人しく馬具を付けられていた。


「よしよし、いい子だ」


 撫でてやると嬉しそうに嘶き、取り敢えず送還する。これで一応の準備が整ったので早速、世田谷ダンジョンに出発する。


 相変わらず盛況で多くの人が行きかっている。一応、長期間の探索になることも考慮して外出届を出しておりダンジョン探索の為に授業に出席しないのは公欠扱いとなる。


「流石に暑いな」


 辿り着いた先は地平線まで砂漠が広がっており照り付ける太陽が容赦なく日光を降り注いでおり耐暑の効果のあるコートを着ていても暑いと感じるくらいには温度が高い。早速、フローガを召喚してその背中に跨る。人魔一体の効果でモンスターが何を考えているか分かるようになり馬など乗ったことがないというのにフローガと息を合わせることで熟練のような馬術を見せる。


 熱い砂の上を歩くことになるのだからとフォボスはお留守番で召喚魔法は随分、成長したが同時に召喚できるのは五体までという事であり仕方ないことだが五体ものモンスターを召喚できるのは大きな戦力でありフォボスの機動力を頼れないのは惜しいが流石にこの砂漠を歩いて移動するのは勘弁したい。


 サンドフィッシュ

 スキル

 潜航、噛みつき


 砂の中から砂魚がトビウオの様に地面から上空に飛び上がっており命を見ても攻撃してくる様子はない。この階層で問題なのはもう一体のモンスターで丁度、地中から飛び出してその威容を見せつける。


 サンドワーム。この階層の王者でありボスよりも強いとされているモンスターでこの階層ではサンドワームを避けて行動するのが常識となっておりトロールを優に超える巨体で流石の命もサンドワームを相手取ろうとは思わない。


「にしても凄い広さだな」

 

 地平線の彼方まで砂漠が広がっておりこんな広い砂漠の中でボスを見つけなくてはならない。二階層の時よりも難易度が高くグラスウルフよりは移動力がないとは聞いているのでそこまで苦労はしないだろうが何日も掛けなければならずフローガに荷物を載せておいておいて良かった。


 これは長丁場になりそうだと思いながら砂漠の中を進む。


《召喚モンスターのレベルがアップしました》

 

 フローガ

 ホース

 レベル1→3


 フローガはとても賢い馬でバランスの取りにくい砂の上をスイスイと進み、初めて馬に乗ったばかりだという命を気遣ってゆっくりと歩いており言わずとも主の事を大切に思っている証だ。戦い振りも勇敢そのものでモンスターに怯えることなく果敢に戦っており戦う中でも背にいる命の事を気遣っているのが分かる。


「いい子だ。この調子で頼むぞ」


「ブルル」


 フローガのお陰で随分と移動できておりこの調子ならばボスを見つけるのも早そうだ。しかし、日が沈み真っ暗となりこの中を移動するのは危険なので野営することする。簡単なテントだがアヴァリスやアインにも設営を手伝ってもらいフラウに神聖魔法で結界を貼ってもらってモンスターが近づけないようにしてもらう。


「ふぅ。今日は取り合えず此処で夜を過ごすかな」


 そういい命はブランを送還して新たにモンスターを召喚する。


 バトラー

 ドール

 ステータス

 筋力D

 体力D

 敏捷D

 魔力D

 スキル

 料理、槍、火属性


 執事と名付けられたドールはのっぺらぼうなマネキンと言った感じでバトラーに食材と調理器具を渡すと器用に火を熾し食事の準備を始める。命は料理が大の苦手で両親からお前は料理をするなと口酸っぱく言われているほどでバトラーを新たに召喚したのも今回のダンジョン探索が長期間なものになると予想したからであり単純に保存食のものばかりでなく温かい食べ物が食べたかったという事もある。


「美味しいな」


 作られたのはコーンスープとサラダにハンバーグとダンジョンの中とは思えない料理で学食にものと遜色ない出来でそれだけ料理のスキルによる恩恵が高いらしくこれならばわざわざ食堂に行かずに自室で作ってもらった方が安上がりでこれだけでもバトラーを召喚した甲斐があってというものだ。


それからアイン達を見張りとして立たせてテントの中で一夜を過ごし日が昇り暑くなった時に目を覚ました。


「そういやダンジョンの中だったわ」


 テントの中があまりにも快適だったので一瞬、ダンジョンの中だとは思わなったが眼前に広がる何もない砂漠という現実味のない風景を見てダンジョンの中だと再認識した。

 

「今日は捜索範囲を広げてみるか」


 フローガに乗るのにも慣れてきたので今日からスキルを使って移動することにする。敏捷を強化する疾走のスキルに風魔法のエンチャントを掛けて昨日とは比べ物にならない速さで移動する。まるでジェットコースターに乗っているような気分であり移動に専念するために他のこの速度に付いてこられるモンスターしか召喚しておらずブランは涼しい顔で並走しておりこの場にはいないがフォボスも余裕で付いてこれるだろう。


 フローガも速いが二度もクラスチェンジをしている二体ほどではなくフローガもクラスチェンジをすれば彼らと並ぶ速さを手に入れることが出来るだろう。


「っと。モンスターか」


 デザートスコーピオン

 鋏撃、奇襲


 砂漠の砂の色に同化したスコーピオンの群れが現れて砂魚の様にこちらを無視してくれるようではなく敵対心が剝き出しでこちらに襲い掛かって来る。命は冷静に召喚モンスターを呼び出しバトラーの槍がスコーピオンの胴体を貫く。


 強さはそこそこでフローガやバトラーのレベル上げに貢献してもらおう。アイン達は敵を弱らせることを指示して止めはフローガ達にやらせる。


「エンチャント・アース・ダーク・ファイヤー」


 ダメ押しの多重エンチャントであり目に見えてバトラーの動きが変わる。動きが洗練され低レベルなモンスターとは思えない活躍ぶりでアイン達の援護もあるとはいえしっかりとスコーピオンを仕留めている。


《召喚モンスターのレベルがアップしました》

 

 フローガ

 ホース

 レベル3→6

 スキル

 踏みつけNew!


 バトラー

 ドール

 レベル1→3


 この階層を踏破する頃にはクラスチェンジ出来そうな経験値で積極的にフローガ達を戦わせようと思いながら進んでいく。すると洞窟らしきものを見つけて如何にもモンスターが潜んでいますと言った雰囲気で火魔法で明りを作り仄暗い洞窟の中を進んでいく。


 洞窟の中は暑苦しい地上とは違い涼しく過ごしやすく感じるがその分、モンスターも多く生息しており何度か襲い掛かって来る。それをなぎ倒しながら洞窟を進んでいくとその最奥に重厚な扉が聳え立っている。


「ボス部屋か」


 流石にボスと戦うにはフローガとバトラーは弱すぎるので送還しブランとフォボスを召喚する。何時ものベストメンバーであり初見の相手と戦うには最善を尽くすべきであり容赦はしない。召喚モンスター達にそれぞれエンチャントを掛けて扉を開ける。


 デススコーピオン

 スキル

 猛毒、鋏撃、強襲

 

 地上でも見かけたスコーピオンの上位種の様で巨大な体に鋭利な二本の鋏に槍の様に太い尾針を持っており見るからに毒々しい色をしておりクイーンと同じ猛毒のスキルを持っている。


「アイン」


「カタカタ」


 ならば新たに状態異常無効化スキルを手に入れたアインの出番であり襲い来るデススコーピオンの突進を盾で防ぎ、尾針でその体を貫いてきているが要塞の効果で攻撃を無効化しスコーピオンを釘付けにする。


 そうなれば何時もの必勝パターンで厄介な鋏をフォボスのブレスが封じてブランがバットステータスを与えて動きを制限する。フラウの雷魔法がスコーピオンの胴体を貫きアヴァリスが何時もの様に決定打を叩き込む。


《スキルレベルがアップしました》


 柏崎命

 スキル

 魔法強化14→15、魔力回復11→12、魔力操作12→13、付与術10→11


 ボスと言えどCランク程度のモンスターで成長した命達にとっては取るに足らない相手でありこの程度ならばフローガ達を参加させても良かった。それでももしものことを考えたらベストメンバーで挑んだ方がいい。


 四階層への道が開かれて先に進もうかと思ったがこれ以上、学校を離れるのは良くない気がしてポータルに触れてダンジョンから脱出する。


「ふぅ。やっと戻ってこれたな」


 多くの人が行きかっており戻ってきたのだと感じる。ダンジョン前の広場には大きな石板が存在しておりその石板には階層を踏破したものの名が記されており初心ダンジョンにもあるらしいがここの様に見える場所には置かれておらず教員が保管しているらしい。見てみると命の名前も記されているようで別に気にならないがこの石板に名前を刻むのを名誉に思うものが少なくないらしい。


「帰るか」


 必要な魔石だけを残して残りの魔石を換金して軽くなったバックパックを背負いながら帰路に付く。久しぶりの学校で受付で手続きをしてから寮へと戻る。

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