第十六話
ダンジョン探索は初心ダンジョンで行われてダンジョンに隠されたアイテムをどれだけ早く見つけられるかが勝敗を分かちこの日の為に体育祭実行委員がモンスターを間引いておりダンジョンには最低限のモンスターしか残されていないがそれでもモンスターは存在しておりモンスターが蔓延るダンジョンに隠されたアイテムを探すことになる。
「頼むぞ。ブラン、フォボス」
「キー!」
「ガル!」
探査のスキルと索敵のスキルを持つ二体の力が勝利の鍵であり慣れたダンジョンを進んでいく。タイムが重要なのでフラウに強化魔法を掛けてもらって全力疾走しておりこうなるとダンジョンでの移動手段を手に入れたいが今、そんな便利なものはないので走って移動する。
ブランとフォボスを先頭に襲い掛かって来るモンスターを無視しながら慣れ親しんだダンジョンを疾走していきフォボスがアイテムを見つけたのか命に教えてくれてそれを手に取る。
体育祭と描かれた球体でこれが各階層に1つずつ設置されているとのことでフォボスの活躍もあって直ぐに見つけられたので急いで階層を下っていく。
「邪魔!」
迫って来るモンスターを魔法で蹴散らして進んでいく。ドロップした魔石には目もくれず走っていきブランは階層中を隈なく探っておりフォボスにはアイテムの匂いを嗅がせて同じものを探せないかと探ってもらっており命も走りながら魔力を集中させて見当たらないかと周囲を魔力で探索している。
「あった!」
二階層のボス部屋の手前に置かれており見つけるとボス部屋を通り抜けて三階層に進む。ボスは体育祭実行委員が討伐しているので戦う必要はなく安心して下の階層に行くことが出来る。
これまで良いタイムで見つけられているがここからモンスターの強さが跳ね上がるので慎重に進まなくてはならない。ポイズンスパイダーは数が多いので無視して進むわけにはいかず
「ファイヤー・ストーム」
前方に炎の道を作りモンスターを寄せ付けないようにする。これで短時間だがモンスターが襲ってこられないようにできたのでその間に探索する。
目論見通り、ポイズンスパイダーは炎に遮られて命に近づくことが出来ずこの階層のアイテムを見つける。ポイズンスパイダーには通用したがオークにはこの方法は通用しそうになく少し戦い方を考えなければならない。
「ブラインド」
オークの視界を封じて自分達を見失っている隙に通り抜ける。あまり効果時間は長くないから急がなくてはならず魔法を掛けながら周囲を探知するというのはかなり神経を使うことだがそれでもやらないよりはましであり周囲を探索しているとフラウがアイテムを見つけてくれた。
次は遂に初見の階層である五階層であり強さもオークの比にならない強さのトロールで気合を入れて臨まなければならない。
五階層は四階層よりも更に広い空間で巨大なトロールが移動しやすいように天井が高い。もたもたしている場合ではなく移動すると地響きがしてトロールが現れる。幸いにも一体でありブラインドで視界を封じてやり過ごそうかと思ったがあまりの大きさに通り抜けられそうになく戦うしかないようだ。
「ファイヤー・ランス+ファイヤー・スピア」
最初から全力で多重魔法で先制攻撃を仕掛ける。鈍重なトロールはそれを避けることは出来ず胸に大きな風穴が作られるが即座に再生される。噂に違わぬ再生力でこれは時間がとられそうだと思いながらもこいつを倒さなければ先には進めない。
「カタカタ」
「ギャ!」
トロールには劣るがかなりの体格のアヴァリスと新たに長剣を手にしたアインが一斉に攻撃する。トロールは瞬く間に猛毒になり体が紫色になっていき再生力も衰えだしておりそんなトロールに容赦のない攻撃を繰り出していく。
足をフォボスに食い千切られて動くこともままならず再生力を失ったトロールはオークよりも強い力と低い知能だけが残されているだけであり猛毒が再生力を中和して機能させ無くしておりトロールはサンドバッグのようなもので瞬く間に倒してしまう。
《レベルアップ!スキルレベルがアップしました。召喚モンスターのレベルがアップしました》
柏崎命
レベル14→15
スキル
召喚魔法20→21、連携→人魔一体New!、指揮→統率New!、火魔法8→9
アイン
スケルトン・ナイト
レベル14→15
《クラスチェンジ条件が満たされました。クラスチェンジ先を選択してください》
ブラン
ファイティングオウル
レベル12→14
フラウ
ピクシー
レベル12→14
アヴァリス
レッサーオーガ
レベル12→14
フォボス
ホワイトウルフ
レベル12→14
こんな時に限ってクラスチェンジであり早くクラスチェンジがしたい気持ちはあるのだが今はアイテムを見つけるのが先であり道をふさいでいたトロールを倒してことで道が開けたのでアイテムを探索する。
幸いにも直ぐに見つけることが出来てかなり良いタイムで終えることが出来た。ポータルに触り地上に戻ると会場はかなり興奮しているようで何だが気恥ずかしい。
「あれだけの魔法の才を持ちながらモンスターまで使役するとは」
「しかも、あのトロールをあっという間に片づけてしまうとはかなりの実力ですな」
「毒、中でも猛毒の類だね。いい装備を持っている様だ」
観客達も命の実力を認めておりモンスターの中でもかなりの強さを誇るトロールを簡単に倒した手腕を見て拍手を送っている。命はそんな事よりも早くアインのクラスチェンジの事で頭が一杯で控え室に戻ることなく人気の少ない場所に行きステータス画面を見る。
デス・ナイトNew!
ステータス
筋力B
体力A
敏捷C
魔力D
スキル
上級剣術、上級盾術、要塞、物理耐性、魔法耐性、挑発、状態異常無効、闇属性
新たにクラスチェンジしたアインは全身を鎧で覆い漆黒のマントを羽織り全身から闇のオーラを発しており邪悪さが増している。唯一、赤い眼光だけが変わっていないが身長もかなり大きくなっておりマントで命を覆えそうなくらいで持っている長剣も普通のサイズの剣の様に感じる。
レベル15でクラスチェンジしたということは他の召喚モンスターの同じくらいでクラスチェンジ出来るという事であり更なる戦力アップが期待できるという事でありこれは五階層の攻略もかなり楽になりそうである。
「何だ?」
会場から歓声が響き渡っており何事かと控え室に戻ってモニターを見ると獅子王がダンジョン探索をしている様子が写されており凄まじい剣捌きでモンスターを瞬く間に蹴散らしていき階層を進んでいく姿は見応えがあり観客達が唸るのも納得だろう。獅子王の戦いには華がありその優れた容姿も相まって見るものを魅了するものがあり小林は認めないだろうが一年生で最も強い探索者は獅子王だと認めるものは多い。
「スゲーよな」
「あぁ、流石は獅子王だ」
命が時間を取られていたトロールもあっという間に倒してしまいアイテムを手に入れている。ダンジョン探索の記録は命を大きく上回ったものであり此度の優勝者が決まったかなと控え室にいるものが話しており悔しい気持ちはあるがあんな戦い振りを見せられては嫉妬する気持ちも怒らない。
多くのものが四階層で脱落する中、五階層を突破できたのは本当に極僅かの人間で皆、それぞれパーティーを組んでいる者ばかりでパーティーを組んでいない奇特な者は命や獅子王位であり何気に新道寺も五階層を突破していた。
そうして一年生の競技が終わり二年生達の競技となっていき命は自分達よりも先を言っている先輩達の力を存分に見せつけられることになる。中でも生徒会地 伊集院光の実力は飛びぬけており獅子王を上回る結果でダンジョン探索を終わらせて上位の魔法に加えて凄まじい剣術を披露しており職業の中でも特にレアな魔法剣士で縦横無尽な戦い振りは学校最強の呼び名に相応しい者であった。
「生徒会長。黒獅子ギルドから勧誘が来てるんだって」
「マジかよ!?はー、流石生徒会長だよな」
「な?あの実力なら納得だぜ」
二大ギルドの1つから声が掛かっているというのは流石であり将来が約束されたようなものであり探索者育成高校を卒業した者には栄達が約束されているというのはやはり事実の様で伊集院はその最たるものだろう。命も将来的にはギルドに所属しなければダンジョン探索がやり難くなってしまうのだが今のところはギルドに入ろうと考えてはいない。
「派手だな」
伊集院の戦い振りはとにかく派手で行使する魔法のレベルや剣術など命とは遥かにかけ離れておりあの獅子王ですら勝てないだろうと思わせる高い実力を見せつけており彼ほどの人物なら引く手あまただろうにパーティーを組んではいないようでダンジョン探索も一人で行っている。
とにかく目に付くというか惹かれる戦いをする人で彼の様な人がトップに上り詰めるんだろうなと漠然と思いながら三年生の競技が終わり体育祭のプログラムが終了し生徒が会場に集められる。
「皆、ご苦労様であった。今回の体育祭が見事なものとなったのは君たちの活躍遭ったの事だろう」
車田校長が壇上に上がりマイクを使っていないのにも関わらずその声は会場中に響いている。よく見てみると喉元に魔法陣があり風魔法で声を拡大して届けているのだという事が分かる。
「さて、今回の学年別優勝者を発表しよう」
そういい巨大なスクリーンが空中に展開されて魔法で作られたものだというのは分かるがそれが何の魔法によって作られたものかは全く理解が出来ない高度なものだ。スクリーンに一斉に今年の優勝者が表示される
【一年生 獅子王琴乃】
【二年生 財前徹】
【三年生 伊集院光】
三人の名前と顔が表示されて歓声が上がる。頑張っては見たがやっぱりダンジョン探索で後れを取ってしまったのが響いている気がする。
優勝賞品はAランクの魔石で魔石の中でもかなり上位なものであり売れば結構な金になりそれで武器を作れば業物になること間違いなしであり優勝賞品として相応しいものである。
「では、体育祭を閉幕する。皆、ゆっくりと休むと言い」
校長の言葉で長いようで短かった体育祭が終わる。打ち上げに行こうぜと話している者もいるがそんな気にはなれず命は一人、寮へと戻る。




