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現代ダンジョン サモナーが行く  作者: 金林檎


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第十一話

 やれるだけの準備はやりいざ四階層。四階層は随分と広いような感じで出てくるモンスターがモンスターだからかダンジョン側も考慮しているようで新たな装備を手に入れたアインを先頭に進んでいく。


 三階層とは違い威圧感のようなものが感じる。モンスターに会敵する前に全員にエンチャントを施す。それに加えて強化魔法も施しており予想が正しければ四階層の相手は一筋縄ではいかない相手だろうから。


「ブヒィ!」


 ドスン、ドスンと地面が揺れている。現れたのはまるで巨人かと思われるくらいの巨体に豚の頭をしたモンスターで鈍重な動きに相応しく凄まじい筋肉をしている。


「ダーク・チェーン」


「ブモォ!」


 闇の鎖が体に巻き付くが力づくで引きちぎられてしまう。オークはまるで戦車の様にこちらに突進してきてまさに猪突猛進で障害を全て粉砕せんとするオークをアインが盾で受け止める。


 激しい衝撃が広がるがオークの突進を完璧に受け止めており毒々しい剣がオークの分厚い皮膚を貫く。オークの皮膚は瞬く間に紫に変わり全身に毒が巡っているようで苦しみで悶えている。


「アース・スピア」


 飛来してくる石の槍をのけ反って避けるがオークの右目を抉り思わぬダメージを与え、その隙を逃すものは此処には居らずフォボスが喉笛をブランがもう片方の目を潰し前後不覚になったオークをアヴァリスが止めを刺す。


《レベルアップ!スキルレベルがアップしました。召喚モンスターのレベルがアップしました》

 柏崎命

 レベル6→7

 スキル

 魔法強化8→9、魔力回復5→6、付与術1→2


 アイン

 レベル7→8


 ブラン

 レベル5→6


 フラウ

 レベル4→5

 

 アヴァリス

 レベル4→5


 フォボス

 レベル1→2


 一体倒しただけだというのに凄い経験値でこの階層を突破するのにどれだけの経験値を得られるのか考えもつかない。思ったよりもオークは強くアース・スピアが躱されるとは思わず召喚モンスター全員で掛かってやっと仕留めることが出来た。これが群れてやってくるのだから四階層の恐ろしさが身に染みる。


 死臭に吸い寄せられたのか複数のオークがこちらに向かってきており一難去ってまた一難で今度のオークは武器を装備しておりさっきのオークよりも強そうな雰囲気をしている。


 オーク・ソルジャー

 スキル

 斧術、剛腕

 

《スキルレベルがアップしました。》


 柏崎命

 鑑定8→9


 案の定、オークの上位種でこんなのも出てくるのかと思いながら戦闘態勢を取る。


「ファイヤー・ボール」


 オークの弱点である火魔法であり火を脅威に思ったのか持っていた武器で炎の弾を防ぐが完全には防ぎ切れず痛々しい火傷を負ってしまう。炎によって削られた体にフォボスとブランがそれぞれ牙と爪で攻撃しオークを手玉に取っている。


「ファイヤー・ストーム」


 オークの体を炎の渦が囲い回避不能な攻撃がオークを包み皮膚を炭化させていく。流石のオークも体中を燃やされては成す術もなく力なく倒れていく。巨大なオークの全身を包むほどの魔法はかなり魔力を消耗するのでこの方法は多用出来ない。


「アヴァリス」


「ギャ!」


 真正面から打ち破るのみでありエンチャントを施されたアヴァリスの拳はオークの強靭な肉体を貫き、血しぶきを上げる。毒蜘蛛女王のブローチはアヴァリスが装備しておりその強力な一撃に猛毒が追加されて手が付けられないものとなっておりそこからはアヴァリスの無双が始まった。


《レベルアップ!スキルレベルがアップしました。召喚モンスターのレベルがアップしました》


 柏崎命

 レベル7→8

 召喚魔法17→18、火魔法1→3、付与術2→3


 アイン

 レベル8→10

 スキル

 上級剣術New!、上級盾術New!


 ブラン

 レベル6→8

 スキル

 混乱New!


 フラウ

 レベル5→7

 

 アヴァリス

 レベル5→7


 フォボス

 レベル2→4

 

 レベルアップしたことで基礎スキルが上級に進化しており頼もしさが倍増した。それに加えてバットステータスを与えるデバフまで手に入り大きな収穫で戦略の幅が広がる。


 スキルが進化したアインの戦い振りは今までのものとは打って変わっていて無駄のないとても洗練されたもので受けるしかなかったオークの攻撃も受け流して勢いを殺したりと戦闘力が格段に上がっておりブランも新しく手に入れた混乱のスキルを存分に使いオークがどこもいない場所を攻撃したりときちんと機能しているようで戦闘が楽になった。


「オーク相手にここまで戦えるとは」


 流石に驚きでありそれだけ召喚モンスターが強くなったという事もあるが一番はエンチャントの有無であり魔法攻撃を弱点とするオークにとって魔法属性を付与するエンチャントはそれだけで脅威でありアヴァリスがオーク相手にあれだけ暴れられたのもエンチャントによる恩恵が多い。


「眞鍋先輩に感謝だな」


 エンチャントがこれ程使えるとは思ってもおらず眞鍋には今度、ちゃんとお礼をしよう。命は順調に進んでいき迫りくるオークの群れを一掃していく。


《レベルアップ!スキルレベルがアップしました。召喚モンスターのレベルがアップしました》


 柏崎命

 レベル8→9

 スキル

 土魔法16→17、連携13→15、指揮12→14、闇魔法9→10、火魔法3→5、魔力操作1→3、付与術3→5


 アイン

 レベル10→11


 ブラン

 レベル8→10

 スキル

 嘴撃New!


 フラウ

 レベル7→10

 スキル

 神聖魔法New!


 アヴァリス

 レベル7→10

 スキル

 体術New!


 フォボス

 レベル5→8


 予想以上の成長ぶりでフラウに至っては光魔法の上位スキルである神聖魔法を取得しておりこれからの探索で大きな意味を持つ。神聖魔法は聖女と呼ばれる樋口が有しているスキルで強力な治癒魔法と支援魔法に加えてアンデットに対する特攻が加わるというもので千代田ダンジョンの攻略が随分楽になるだろう。


 しかし、先ずは四階層を突破するのが先で道のりは長い。


《召喚モンスターのレベルがアップしました》


 フォボス

 レベル8→10

 スキル

 強咆哮New!


 ボス部屋の前に辿り着いたが命も召喚モンスターもかなり疲弊しておりこの状態でボス戦に挑むというのは自殺行為でボスを確認したら退却するとしよう。


 ハイオークキング

 スキル

 上級斧術、暴走


 オークの上位種であるハイオークの中でも最上位の強さであるハイオークキングで四階層のボスとは思えない強さのモンスターで今の状態ではまともに戦うことすらできない相手だ。


 しかも、ステータスを倍増する暴走のスキルまで持っており更に厄介さが増している。


「気合を入れて挑まなければいけないな」


 低く見積もってもBランクの相手でありそんな相手と戦うには準備が足りていない。取り敢えず今回手に入れた魔石で新しい武器や召喚モンスターに装備できる防具を作ってもらわなくてはならない。そしてポーションの準備もであり出来れば金倉の様に専属の錬金術師が欲しい所だがないものねだりはしない方がいいか。


 ダンジョンから出てきて金倉に魔石を預けようと工房に向かおうとすると新聞部の人間が慌ただしく廊下を走っている。


「号外!号外!」

 新聞を巻き散らしており地面に落ちている新聞を拾い上げと『獅子王琴乃!五階層制覇!』とデカデカと書かれておりついこの間、五階層に挑むと話題になっていたばかりでこんなにも早く五階層を制覇するとは思わなかった。遠かった背中が更に遠くなっていくのを感じたが先に行っていると言われたのだから命に出来るのは必死に追いつくだけ。


「よし!頑張るぞ!」


 頬を叩き、気合を入れる。どれだけ目標が遠くても一歩一歩少しづつでも進むしかない。

先ずはやれることからであり金倉の工房に向かう。相変わらず鉄を叩く音が響いており命たちの戦闘職校舎とは全く違う雰囲気でどこか重々しいものでピリピリとした感じがしており職人ならではの気難しさのようなものが雰囲気として現れている様だ。


「いらっしゃい」


 何時もの作業着ではなく制服姿で何か用事があったのかと部屋を見ると見るからに只者ではなさそうな男が座っていて確か、入学式の時に見たことがある。


「えっと、遠藤先生でしたっけ?」


「あぁ、生産科の教師をしている」


 顔に痛々しい傷跡を残した人物で彼も有名な人物で多くの探索者の武器を手掛けてマイスターと呼ばれている鍛冶職人で彼の武器を使った探索者は一級の探索者ばかりでそんな有名人がこの学校で教鞭を執っているとは思わなかった。


「お師匠様、来るなら一言言ってくださいよー。お茶の用意なんてしたないんですから」


 その言葉に命は驚く。確かに金倉の作る装備は他の者が作る物よりも優れていると感じてはいたがまさかマイスターの弟子だとは思いもしなかった。


「不肖の弟子がちゃんとしているか見に来ただけだ。いいパトロンを見つけたようだな」


「弟子の目を信頼してくださいよ」


「腕は信頼できるが人を見定める目というの磨かれるのに年月を必要とするのだ」


 随分と気安い関係の様で気難しそうな遠藤も柔らかい表情を浮かべており金倉も宍戸と同じ陽キャなのだろう。そういった人種は人の懐に入るのが異様に上手く命は出来ないことだ。


「いい加減な女だが腕だけは本物だ。どうか見捨てないでやってほしい」


「それを言うならこちらこそですよ」


 金倉の腕なら命よりも強い人と幾らでも契約できるだろうし見捨てられるのは自分かもしれないという思いがある。


「お前にしてはいい奴を見つけたな」


「でしょー」


 ニッコリと笑顔を見せる金倉に一先ず認められたのかなと思う。遠藤は満足した様子で部屋から出ていき命は本来の目的である魔石を金倉に渡す。


 案の定、金倉は魔石に興奮しておりこれだけの量があれば性能がいいものが作れると胸を張っており早速、作業着に着替えて作業しようとするので命は慌てて部屋から出る。


「全く、少しは警戒心を持てよ」


 あまりの無頓着さに呆れてしまう。

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