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第四話: “新たな提案の行き詰まり”

標準パレット導入に向けたプレゼンが終わった後、翔太は新しい提案を模索していた。

しかし、どのような案を考えても、実現には多額の費用がかかるうえ、荷主側の協力が不可欠であることに気付かされる。


「新しい提案…でも、費用が問題だ。」

翔太は資料を広げながら独り言のように呟く。


カフェでノートパソコンに向かう彼の隣に座った山田が、静かに声をかける。

「お前、ずいぶん悩んでるな。」

「ええ、山田さん。どんな提案をしても、結局は費用の壁が立ちはだかります。それに、荷主の協力を得るのも簡単じゃありません。」

翔太は肩を落としながら答えた。


山田はコーヒーを一口飲み、

「確かに簡単じゃない。でも、物流効率化にはそういう壁がつきものだ。お前の提案は悪くなかった。問題はどうやって荷主を納得させるかだな。」

翔太は少し考えた後、ゆっくりと山田に話し始めた。


「確かに、荷主を説得するのは難しいですね。でも、視点を変えてみてはどうでしょう。物流センター側のメリットを強調して、自分たちの会社に対して提案する形にするんです。」


山田は興味深そうに翔太を見つめた。

「ほう、それはどういうことだ?」


「例えば、標準パレットを導入することで、作業員の負担がどれだけ軽減されるのかを具体的な数値で示します。それを社内の効率化プランとして経営陣に提案すれば、内部から変革を進められるかもしれません。」


山田は頷きながら、

「なるほどな。それなら、荷主を巻き込む前に、自分たちの基盤を整えることができる。確かに現実的だ。」

と感心をした。


「納得させる…」

翔太はその言葉を噛み締めながら、再び資料に目を落とした。


翌日、翔太は現場作業者全員に個別の意見を尋ねる時間を設けた。

「今使っているパレットで困っていることはありませんか?」

と質問すると、ある作業者は

「パレットサイズが違うパレットを並べると、ジグザクになり、パレットに躓く可能性があるんだよ。」

と答えた。


また、別の作業者は、

「積み替え作業が増えると疲れるだけじゃなく、積み替えの時に落としたりして破損をする可能性があるだよな。」

と指摘した。


翔太はその意見をすべてメモに取り、整理した後に具体的な改善案を考え始めた。

「皆さんの声をもっと反映させる形で、次の提案を考えていきます」

と改めて決意を新たにするのだった。

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