STORIES 050: 映画はいかが?
STORIES 050
ある日、いつもの彼女ナシ3人組で、緊急会議を開いていた。
「お見合いパーティというのが、
巷では流行ってるらしい…」
「空港近くのホテル?宴会場でやるんだ?」
「ドリンク付きで料理なし、高くないかぁ?」
「初対面でシラフ、会話できるかね…」
「まぁ、行ってみようぜ、ネタにもなるし」
街コンとか、そういうのが流行る少し前かな…
なかなかコネを発掘できなくて、同じような顔ぶれの飲み会ばかりになりつつあったので。
新しい出逢いに期待。
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当日。
やはりグループ参加している人たちが多そうだ。特に女性。
年齢層が広いなぁ、雰囲気的に。
サクラもけっこう混じってるのかな。
まずは自己紹介タイム。
向かい合うように並べられた椅子に座り、少し話したら男性が隣の席へ移動。
とりあえず、全員と挨拶を交わすことはできる。
フリータイム。
気になった女子グループに話しかける。
この2人組、いい雰囲気じゃない?
話が盛り上がっても、連絡先の交換はまだご法度。
マッチングタイム。
気になった異性を1人だけ紙に書いて提出。
カップルが成立していたら、みんなの前で発表されるシステムだった。
簡単にいうとこんな流れ。
途中、ゲームみたいなのがあったりもしたかな。
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結果的に、僕はマッチングしなかった。
だよね。
初回はこんなものかな。
ただ、カップルにはなれなくても、選んでくれた人は教えてくれるルールになっていた。
敗者復活戦ですかね。
僕らはグループ参加だったから、チャンスを掴める確率的には少し高め。
お陰で、会場を出てからさっきのコたちと立ち話をして、次の飲み会の約束を取り付けることができた。
要は、キッカケづくりなんだよね、こういうのは。
あれ?
仲間の1人が別のコに話しかけられてる…
「なんてなんて?」
「うーん…まぁいいじゃん…」
お好みではなかったようで。
そうね、こういうの難しいよね。
しかし、初めてにしては面白いね、コレ。
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後日セッティングされた飲み会には…
男女5人ずつが集まった。
なかなかです。盛り上がります。いいノリ。
その中の1人、かなりタイプなコがいた。
パーティに参加してたコのいとこだって。
連絡先をシッカリ交換。やったね。
その後、何度か電話やメッセージのやり取りをして、けっこういい手応え。
今度ふたりで映画行こう、まで漕ぎつけた。
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…というところで、音信不通に…
え?なんかまずかった?
他の友達もみんな着信拒否らしく。
原因がわからない。
「オマエ、なんかしただろ?」
「何もしてないよー」
「デートの約束、楽しみって言われてたのに」
「だから知らないってば」
もっと条件のいい出逢いでもあったのかな。
それにしても、一斉に着信拒否って…
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ケチのついたあの映画はもう観ないと決めた。
壮大なスペースオペラよりも、解決したいことがたくさんあるし、ね…
そして2度目のお見合いパーティは大コケし、僕らはそれきり申込むのをやめた。
でも、ああいうパーティって、人間性がすごく表に出てくるから面白いよね。
高校生の頃でいえば「ねるとん紅鯨団」。
土曜の夜のTV、とっても楽しみだったもんな…