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裏読み  作者: 明日香狂香
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警官は善悪では動かない

 ジャミーンが野崎になつかないのは当然だろう。別班にしても薫やドラムにしても、彼らは法で動いているわけではない。信念や信条に従って動いている。


 しかし、公安である野崎は法に従って判断する。極端に言えば善悪の基準が無いのである。ジャミーンが相手の心が見えるとすると、野崎の心は虚ろに見えるのだろう。


 何を考えているかわからない。それは親が子に注ぐ愛情ではないと感じても不思議は無い。テントは家族あるいはそれ以上のつながりを持つ。だから彼女はテントに懐く。これは特殊能力というより、子供たち誰でもが持っている能力と言ってもいい。


 それでもジャミーンがしゃべらないのは、家族とまだ認めてないからだろう。子にとっての善とは、何があっても、どんな方法でも、必ず守ってくれるということだ。そこには、法を超えた基準がある。その覚悟のない者は親ではないというメッセージだろう。

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