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裏読み  作者: 明日香狂香
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製作のIT知識は素人か

 専門家から見ると、ITやネット系の描写は疑問だらけだ。


 押井守は完全ビジュアル化したことで、仮想を実像に変換した。これは偉大だ。しかし、VIVANTでは中途半端な間違ったビジュアル化で、おそまつだった。(おそ松くんの意ではあるまい)


 ネットワークは猟師網ではなく蜘蛛の巣といわれるようにいくつかの中心から放射上に交錯している。情報は同じポイントに舞い戻りながら、進んでいく。それはまるで一進一退を繰り返すような動きである。それが、一本ではなく指数的に枝分かれして広がる。


 あんな、一本道を進むようなことはしない。ましてや、アドレスが定期的に変わったら、途中のルーターや踏み台PCのキャッシュをその都度リセットしなければならず、そんなことをしたら通信など確立できない。また中継器が内部サーバーへの接続を自動で切り替えるので内部サーバーのアドレスまで辿りつけないとハッキングは出来ない。


 ディスプレイは超低速I/Oである。いちいち表示していたら処理の足を引っ張る。表示というのは極力減らすべきである。とくに速度を必要とするGPUを使う処理ならなおさらである。


 また、以前にも書いたが、ハッカーはターゲット端末を直接自身が操作するわけではない。相手のPCの電源さえ入っていれば、遠隔で操作できてしまう。


 また、ハッキングはハードで行なうものではない。業者がハードを入れても、ユーザが必要なソフト類をセットアップしなければ、環境が整わない。どこかのクラウドにバックアップがあったとしても、環境を取り込むには時間がかかる。


 さらに言えば、ネットワークポイントのOSはさまざまで、ウィルスが直接作動しない。踏み台PCで作動する。踏み台PCのネットワーク構成が事前にわかるはずもない。だから、事前の接続図は作れない。


 このくらいはゲーマーでもわかることだ。まあ、サーバー室も色々リアリティがなかったけど。

 さらには砲弾のCGもお粗末。国境の表示も陳腐。この製作班がIT技術にうといことは疑いようも無い。

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