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強制的に転生させられたおじさんは公爵令嬢(極)として生きていく  作者: 鳶丸
本編

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875/1357

871 おじさん第一回チキチキ公爵家主催大食い大会の司会をする


 さぁ始まりました。

 第一回チキチキ公爵家主催大食い大会。

 

 今回の出場者はこの五名ですわ。

 学園を代表して出場したのは聖女エーリカ!

 

 小さな身体に秘めた食欲は無限大。

 カレーは飲み物とまで豪語するその実力はいかに!


「うおおお! 聖女ちゃーん」


 おっと。

 料理人の方からも人気のようですわね。

 

 もう一人の出場者は聖樹国からの留学生ケルシー!

 学園ではもはや知らない人がいない食いしん坊ですわ。

 

 大好きな甘味は栗と豪語する彼女。

 今日は噴水になるのは勘弁してほしいですわ!


「エルフ! その長いお耳を触らせてえええ」


 はい、そこの騎士さん、アウトですわよ。

 

「ぎゃあああ!」


 サイラカーヤ、いいパンチですわ。

 さて、次の出場者は競馬場の責任者、ホーウッド!

 

「ご紹介に預かり、光栄でございます」


 礼儀正しいですわね。

 ついで、ですわ。

 今回の大食い大会、優勝する自信はありますの?

 

「ふふ。こう見えても若いときには底なしと言われておりました。もちろん出場させていただいた以上、優勝以外は狙いません!」


 会場から温かい拍手が飛んでいますわ。

 牧場の皆さんからの声援もすごいですわね。

 

 さぁ次の出場者ですが騎士隊所属のハンブリング。

 今回の出場者の中では、いちばんの巨漢ですわ。

 

 戦いの前にはエーリカとケルシーにケンカを売っていましたが、その実力はいかほどか。

 

「えー公爵家騎士隊所属! ハンブリングであります! 絶対に優勝します! よろしくお願いします!」


 あら、丁寧なご挨拶をどうも。

 では、次の挑戦者といきましょうか。

 

 最後の一人も騎士隊からの出場ですわね。

 長身でスタイルのいい女性騎士メルトレーザ!

 アストリッドの同僚ですわね。

 

「今回は出場の機会を与えていただき光栄です。リー様の親衛隊に所属するため、必ず優勝いたします!」


 んー親衛隊ってなんですの?

 と言うか、そんなものが組織されているのですか?

 

「ばっか! それ言っちゃいけないやつ!」


 なんだか危険な言葉が聞こえてきましたわね。

 サイラカーヤ!

 

「ぎゃあああああ!」

 

 まぁそのことは後でいいでしょう。

 さて、今回の大食い大会はこの五名で争われ……。

 

「ちょっと待ったああああ!」


 どうしたんですの? シクステン!


「こんな面白そうなことをオレ抜きってのは薄情ってもんです!」


 出場したいということですか?

 

「もちろん!」


 いいでしょう。

 では、飛び入り参加はシクステン!

 

 護衛騎士の副隊長。

 おとぼけずっこけ騎士の実力を発揮できるか!

 

「おとぼけでも、ずっこけでもないんだけど!」


 では、今回の解説は薔薇乙女十字団(ローゼンクロイツ)から、アリィとパティの二人ですわ。

 アリィ、パティ、ずばり誰が優勝すると思いますか?

 

「はい! そうですね。体格から一押しはハンブリングさんでしょうか」


 アリィはハンブリングに一票ということですわね。

 では、パティはどうですか?

 

「はい! んー迷うところなのですが、やっぱりエーリカとケルシーの二人にはがんばってほしいのです」


 なるほど。

 同じ学園生ですものね。

 気持ちはわかります。

 

 最後に今回の司会はわたくし、リー=アーリーチャー・カラセベド=クェワが務めますわ。

 よろしくお願いしますわね!

 

「リー様ああああ! ステキですうううう!」


 ありがとう。

 イザベラ、ニュクス。

 

 さぁまずは第一回戦、六名の内通過できるのは四名。

 二人が脱落することになりますわね。

 

 勝負の品目はお肉の揚げパン。

 挽肉と各種の野菜を炒めたものをパンに挟み、油で揚げた一品。

 

 手の平サイズと小さめですが、食べやすいですわ。

 わたくしもさきほどいただきましたが、美味しかったですの。

 

 ピリッと辛めの味付けで後を引く美味しさ。

 この揚げパンを今から食べていただきますわ。

 

 制限時間は二十分。

 食べた量が少なかった二名が脱落になりますわよ。

 

 あ、手の空いている者は屋台を手伝ってくださいな。

 給仕の方もお願いしますわよ。

 

 それでは準備も整ったようです。

 では、大食い開始ですわ!

 

 魔法どーん、ですわね。

 

 エーリカ、ケルシー、メルトレーザの三人が速いですわね。

 いえ、ハンブリングがまさかの二個同時に口に入れていますわ!

 これはちょっと規格外ですわね!

 

「あっぢいいいいい!」


 シクステン、なにをしていますの?

 え? 急遽参加だから揚げたてだった?

 それは仕方ありませんわね。

 

「そりゃないぜ!」


 もう! わがままですわね!

 ちょっと魔法を使ってあげますわ。

 

「おお! すげえ! 一気に食べやすくなっちべてええええ」


 はしゃぎすぎですわよ、シクステン。

 

「お嬢! だって、これ凍ってる! シャリシャリいってる!」


 わざとですわ!

 

「いや開き直られても! ちょっとは誤魔化してくれよ!」


 観客から拍手がでていますわね。

 協力してくれたシクステンにはご褒美ですわ。

 

「おお! ちょうどいいくらいの温度になってる!」


 おおっと速い。

 ハンブリングは既におかわりですわよ!

 

 エーリカとケルシーもおかわり!

 メルトレーザもですか!

 

 ホーウッドは静かに食べていますわね。

 いえ、まさか。

 それはもうおかわりをした後なのですか!

 

 これは速い。

 予想外の活躍を見せてくれているホーウッドですわ!

 

「ケルシー!」


「わかってる!」


「このままじゃ負ける! やるわよ!」


「任せておいて! 合体技ね! 風よー! はいやー!」


 ちょっとケルシー。

 なんで魔法を使っているのですか!

 

「エーリカが言ってた! 魔法で妨害しないならいいって!」


 また、そんな無茶を!

 

 あーっと。

 ふわりと揚げパンが浮いた。

 

 待ち受けるのは口を開けたエーリカとケルシー。

 二人の口に……揚げパンが入りましたわー!

 

「もぐもぐ……なぢゅけて」


 エーリカ、無理に喋らないほうがいいですわ!


「……はう!」


 あーっとポコンとエーリカの口に揚げパンが吸いこまれたあ!

 次々に、揚げパンが口の中に。

 

「むぐぐ……」


 エーリカ、ケルシー。

 顔が真っ赤になってますわよ!

 

 無理やり魔法で詰めこむから。

 サイラカーヤ、サイラカーヤ!

 

「お嬢様! 任せてください!」


 いったー!

 サイラカーヤがいったー!

 

 あ……。

 

「ぼふう!」


 ケルシーの顔が真っ青ですわ。

 サイラカーヤ、急いでくださいな!

 

「……かっ……かかか」


「エルフのお嬢ちゃん! がんばれー!」


 ケルシーの顔が見せちゃいけないものになってますわ。

 ちょっと盛り上がっている場合じゃないですわよ。

 

「そっちの聖女ちゃんもがんばれー!」


 いや、そういうことではなく。

 

「お嬢様! やります!」


 いいですわ! サイラカーヤ!

 

「うらああああ!」


 そうそう。

 顔を下にむけさせて、肩甲骨の間に掌底をたたきこむ。

 それでいいのですわ!

 

「ぼへえええ!」


 ケルシーの口から、逆再生されるかのように揚げパンがでてきた。

 まだ咀嚼されていない丸ごとのやつだ。

 

「次! いきますわ!」


 ケルシーを寝かせて、聖女に移る侍女だ。

 

「ここだあああ!」


 聖女の口からも揚げパンがでてくる。

 ちょっとした悲鳴が観客からあがった。

 

 さぁみなさん。

 今のは見なかったことにしましょうね。

 いいですわね?

 

「はーい!」


 よろしい。

 それでは一回戦を終了とします。

 エーリカとケルシーの二人は脱落ですわ!

 

 勝ち残ったのは、メルトレーザ、ホーウッド、シクステン、ハンブリングの四人ですわ!

 

「うおおおおお!」


 サイラカーヤ。

 そのまま二人を連れてきてくださいな。

 

 イザベラ、ニュクス。

 エーリカとケルシーをお願いしますわね。

 

「畏まりました!」


 では、気を取り直して二回戦と参りましょう!


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