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グッド・ジョブ媚薬7部   作者: 渡夢太郎
7/56

アンナの救助

同時に美咲が手配した刑事が入ってきて浩二と入江と酒井が逮捕

され連れていかれた。

「亮さん、私アンナさんと一緒に病院へ行きます」

「そうですか、病院の名前を後で教えてください」

「アンナさんは私を護るために為に浩二に注射を打たれたの」

顔にアザを作った裕子が答えた。


「そうだったんですか、孝子さんよろしくお願いします。

 入院の処理は僕の方でやりますので病院の方へ伝えてください」

亮は自分の名刺を孝子に渡した。

「私、アンナさんと友達になれそうな気がする」

孝子は亮に微笑んで小さく手を振って

救急隊員と救急車に乗って行った。


亮は警察に連れて行かれる入江と酒井を見ていた。

「おい、酒井。スーツとワイシャツと下着代、請求するからな」

そして亮は真由美に声を掛けた。


「真由美さんありがとうございます。助かりました」

「いいえ、面白かったわ」

「それより、その格好バニーの上にコートを

羽織っていただけなんですね」


「あはは、ばれちゃった」

真由美は恥ずかしそうにコートの前を抑えた。

亮は真由美のなりふり構わず入江を付けてくれた

行動に感謝した。


「このお礼は必ずします」

「お礼をいただけるなら私を有名にしてください。

そしてお金を稼ぎたいの」

「真由美さんの実家は神戸の神仁総合病院なのに

お金を稼ぎたいと言うのはやっぱり」


「分かりますか?」

真由美は亮にすべて見抜かれたような気がした。

「はい、お父様は陸さん、お兄さんは申さんと

雄さんそしてお姉さんが香さん

 考えられるのは、あなたは・・・」


「そう、私は愛人の子です。そして姉の香は

医学部に入れなかった落ちこぼれ、

 でも姉はあなたにチャンスを貰った」

「真由美さんもチャンスが欲しいわけですね」

「はい、父は香と私を優秀な医者と結婚させて

病院を立て直す道具だと思っています。

私は有名になってあの人たちを見返したいんです」

真由美の真剣な目には覚悟が有った。


「それだけの覚悟あるんですね明日ゆっくり話をしましょう」

「はい、お願いします」

「ところで、真由美さんの男性関係は?」

「無いわよ。結婚まで処女でいろと

 命令されていたわ。女の価値を上げるために」

「本当ですか?処女に価値が有るなんて男のエゴですよ」


「そうだよね。香なんてさっさとダンス仲間やっちゃったし」

「好きな同士なら良いんじゃないかな。

 悪い事じゃないし。逆に処女は・・・」

「だったらどうなのよ、この年で処女って

 馬鹿にしているの?」

「いや・・・」

亮は真奈美に素敵な恋をして欲しかった。

~~~~~

「もう大丈夫みたいですね。今から六本木に

戻ってみんなと話をします。

ロビンもキャシーもほったらかし

にしてしまいました。

裕子さん良かったら一緒にいかがですか?」

亮は殴られて赤くなった裕子の頬を指で撫でた。


「いいですけれど・・・お邪魔じゃないですか?」

「大丈夫ですよ、さっきメールが来て

和田さん親子も一緒らしいですから」

「じゃあ行くわ」

裕子は嬉しそうに笑った。


~~~~~

亮はタクシーで六本木のルーセントホテルに戻ると

警察官は去り13階の発砲の痕跡以外

何事も無かったように静かだった。


亮はロビンとキャシーと

ケイトと和田謙と梓沙。

森と早苗、智子、玲奈、一恵、祐希そして中村和美が

待っているホテルのバーに入って行った。


「お疲れさま、亮」

すべての事情を知っていた

みんなが亮を出迎えた。

「こちらこそパーティ会場に

いなくて済みませんでした」


「そう、みなさん亮と会いたがっていたわ」

一恵は亮の行き先を内村たちに聞かれ対応に苦労していた。

「一恵さんすみません、せっかく用意してくれた

スーツに穴を空けました」

「わかりました」

一恵はすぐにスーツを用意した。


「どうして?」

「亮さんがタキシードを着ると事件が起こるので

用意していました」

「ありがとうございます」


「みんなこのホテルで何が

有ったか知らなかったからな。

 会場は平和そのものだったよ。

一部の警察関係者を除いて」

森は亮を安心させるつもりで報告をした。

「それは申し訳ありません」


亮はテロを未然に防いだ満足感でいっぱいで

自分がテロを未然に防いだ

ヒーローである事などおくびにもださなかった。


「亮、すべて聞いた。大変だったな」

「はい。そちらの方はうまく行きましたか?」

亮は自分が居なかった時の事を

心配になったてロビンに聞き返した。


「ああ、葛原が逮捕されて

会場が一時大騒ぎになったが

一恵と玲奈の機転で

尚子の素晴らしい歌を聴かせてもらってその後の会見で

我々の会社の今後の

世界戦略の質問に答えた」


「それが好評で中々終わらなくて、

詳しくは團亮に聞いてくれって

 言っておいたから、明日あなたの

会社に電話がかかってくるわよ」

キャシーは会場の様子を詳しく話した。


「マジですか?」

「いいじゃない。我々二人は日本の

経済界にいい刺激になると思うわ、

亮がそれをフォローして

くれればきっとうまく行くわ」


「そうですね」

「そうだ、今日会った銀行家の連中が

ピーエヌエーの件で亮と話し合いと

 言っていた」

ロビンが銀行の頭取たちを銀行家と呼んだ。

「銀行家ですか・・・」

「ん?彼ら銀行のトップだろう違うのか?」


「まあ、アメリカのように銀行家が

自分で企業の分析をして己の裁量と判断で

投資をできる人たちではいないと思います。

 周りの人間の評価に判断基準を持っていくと思います。

 日本の銀行員はあと少しで会社がうまく行くと言うところでも

 返済日が来れば容赦なく金をとって行きます。

 たとえば夜も寝ずに働いて頑張っている

経営者と毎晩銀座で酒を飲んでいる

 経営者の評価は関係ない。

金を期日に返す経営者が優れていると評価する」

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