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62 撃退

「うっ」

マギーのパンチが付き刺さっていた。

「デレデレするな兄貴、今度は太腿にナイフを刺すぞ」

マギーが耳元囁き亮は黙って頷いた。

「どうしました?團さん」

「いや、何でも」

「隣に座っているマギーちゃんは今日入店で昼間は宝石を

売っているのよ」

「本当ですか、今度買いに行きますよ、マギーさん」

「ありがとうございます。どなたに買うんですか?

美人の彼女かしら?それとも奥さん?」

「あはは、まだ独身です」

「ホント、それなら私なんかどうですか?」

さくらは自分をアピールした

「ありがとうございます」

「ズルい、私はどうですか?」

マギーは大きな胸を擦り寄せた。

「あはは」


そこへ楓のママらしき女性が男を二人案内してきた。

「さくらちゃんお二人に付いて」

「はい」

さくらが立つと美しい女性が深々と

お辞儀をした。

「この店のママをしています。吉野みずきと申します」

「はじめまして、だ・・・」

そう言うとみずきは唇に人差し指を当てた。

そしてゆっくりと亮の脇に座った。

「話は絵里子さんに伺っています」

「あっ、すみません」

亮が頭を下げると絵里子が会釈をして亮の前を横切った。

「あっ」

「絵里子さんの提案で武田さんを誘ってもらったのよ。

彼女が大阪に来ていたら、断ることが出来ないから」

「ご迷惑では?」

「良いのよ、元々この店は黒崎さんが作った

お店で私が安く譲り受けたの、反社の武田なんて

来ない方が良いに決まっているわ」

「そうだったんですね。それで絵里子さんが」

「お客様が少ない今のうちに、話をしてくださる。

用意がすんだらお呼びします」

「わかりました」


「マギー話わかったね」

「了解」

マギーがドレスをめくるとガーターベルトに

ナイフとピストル付いていた。

「いいなあ、それ」

亮がニヤニヤ笑った。

「エロ男」

「マギー、最近言い方キツくないか」

「別に、私も亮子供が欲しいだけよ」

「はぁ…」


******

「武田さん、お久しぶりです絵里子です」

「あっ、姐さんご無沙汰しています」

着物姿の妖艶な絵里子を見て武田は立ち上がった。

絵里子はイスに座る様に促した。

「絵里子さん。今日はどうして大阪に?」

武田は懐かしそうに話しかけた。

「正一郎さんが逮捕されたのはご存知ですよね」

「はい、ニュースで、正一郎社長の今後は?」

「そうね、余罪がかなり出そうなので、

社長復帰は無理そうね、それどころかFBIも動いているわ」

「FBIってアメリカだけじゃ」

隣にいた男が声を上げた。

「正一郎さんがアメリカに作った

会社の脱税容疑で、しかも関与した

人物を調べているみたい」

絵里子は武田と男を間接的に脅した。


「そんな…」

「それで私の黒崎ホールディングスの

取締役就任の件でまいりました」

「そうですか、それは良かった。

先代も絵里子さんに取締役になってもらうのが本望な筈です」

「私もそう思っています」

亮の存在が絵里子の口調を強くさせた。

「ぜひ、我々にもお手伝いさせて下さい」

武田が頭を下げた。

「さっそくだけど、正一郎の逮捕で祐希も取締役になったの」

「祐希君がですか?」

「ええ、20歳になったので」

「ああ、そうですか。早いものですね、もう20歳か…祐希君」

武田は祐希が男と思っていた

「私達、正一郎に命を狙われていたのよ、

自宅や店に盗聴器を付けられたし、

私達の持っている株が欲しかったのね、

私が死ねば祐希に相続され、

その祐希が死ねば叔父の正一郎が相続する訳だから」

「ホントですか?」

「ええ、武田さんは関係していませんよね」

武田は一瞬ドキッとした。

「とんでもありません、そんな事」

「今、警察が正一郎を調べているから何れ、分かると思うけど」

「そうですね」

「それから、塩見さんは姿を消したそうよ」

「あの、塩見ですか?」

「ええ、彼は山田組と仲が悪かったわよね」

「ええ、聞いています。それで頼みたいという話は?」

「そうね、それでこちらの方は?」

絵里子は隣にいた男の顔を見た。

「はい、自己紹介が遅れました。東京で

おしぼりや清掃業務をしています。ホワイト総業の

入江と申します」

「そう私の仕事と満更無縁ではなぃのね」

「そうですね。よろしくお願いします」

入江は絵里子に名刺を渡し頭を下げた。

「連絡を取れなければならないので、ちょっと失礼します」

絵里子は武田と入江に頭を下げ立ち上がり

亮の前を通りウインクをした。


「相変わらず、色気がある人だ」

武田が囁いた。

「でも、黒崎社長が逮捕されたので我々にも警察が…」

入江がオドオドしていた。

「大丈夫だ、元々本部の指示で動いているんだ、護って貰える」

「そ、そうですね」

「しかし、團亮という男しぶといですね」

「ああ、今日も薬を飲ませて寝込んだところ、

拐うつもりだったんだが

逃げられしまうところか、秘書課長の方が

捕まってしまって、後始末に行った男は連絡が取れない」

亮は絵里子がテーブルに付けた、マイクの音を聞いていた。

「お待たせしました」

絵里子は席に戻った。

「武田さん、今度祐希の後見人兼社外取締役に

團さんが就任したのよ、團さんをご存知?」

「いいえ、團亮などは聞いた事ないですね。どこの何者ですか?」

武田は絵里子が言っていない亮の名前を言った。

「そうね、様々なビジネスを立ち上げている・・・

他になんて言えばいいかしら、とにかく素晴らしい人よ」

「ほう」


「それで、團さんの提案で黒崎ホールディングス

及び子会社は反社組織と一切関わらないようにと決めたのよ」

「黒崎の先代から汚いところは我々やって来た、

それを急に止めると言ってもビジネスが

成り立たんだろう。馬鹿馬鹿しい」

「それを彼はやれると言っている。従業員には

反社の関わっている、居酒屋だって入店を禁止すると言っている」

「ふざけるな!この大阪に組と関わりを持たない店なんて、

どれだけ有ると思っているんだ」

武田はテーブルを叩いた。

「とにかく、彼と話をして」

絵里子は後ろの席を見て亮を手招きした。

それを見た亮は立ち上がり二人の席の脇に立ち武田に頭を下げた。

絵里子は亮の後ろに立ち丁寧にお辞儀をして

店を出て行った。


「誰だ、お前?」

武田が不振そうな顔をして聞いた。

「あなたの嫌いな團亮です」

「武田だ」

武田はそう言って手を出した。

「名刺をよこせ」

「嫌です、何に使われるか分かりませんから」

「なんだとこら!」


絵里子と入れ替わりに、席に座っていた。

マギーはガーターベルトのナイフに手をやった。

「おい誰か外の連中呼んでくれ」

武田は大声で叫んだ。

「おい誰か」

「武田さん一人じゃダメですかね」

「なんじゃワレ」

武田は立ち上がって亮の胸ぐら掴もうと

手を伸ばすと亮は手首を掴んで捻った。

「うっ」

武田は痛みに耐え兼ねて膝を着いた

「何するんじゃワレ」

「それは私の言う言葉です。

暴れると腕を折りますよ」

「な何が目的だ」

「話がしたいんですよ」


「おい、この女どうなってもいいのか?」

入江がマギーの腕を掴んだ。

「どうなってもいいですよ、できるものなら」

亮が言った瞬間、マギーの右手の

ナイフが入江の首に触った。

「動くな!このまま、ナイフを引けば首から血が吹き出るよ」

「わ、わかった」

「彼女は私の部下で元ロス市警の警察官です。

逃げようとしない方がいいですよ」

「おい、團亮このままで済むと思うな」

「私もそのまま返します」

「お前に何が出来る」

「そうですね。あなたを殺人教唆で逮捕、

税務署の査察、あなたの一族全員に捜査が入るのはどうですか?」

「馬鹿な、証拠がない」

「それより腕が痛いでしょう、向き合って話し合いをしましょう」

亮が手を離すと武田は上着から

スマフォを取って電話を掛けようとした。

「往生際が悪いですね。好きなところに

電話してもいいですよ。子分のところでも警察でも」

「クソ」

武田は亮の手を払って外に出ようとした

「誰か!」

ホステスに声をかけても、

女性たちは無視していた。

「全くどうなっているんだ」

出口へ向かった武田に亮は素早く対応し

腕を掴んで床に叩きつけた。

「あわわ」

武田は床に座り込んだ。

亮はスマフォを持って電話を掛けた。

「やれ!」

中国で言うと楓の外で待っていた

武田の子分を闇鬼が一瞬で倒した。

亮はその映像を武田に見せた。

「もう子分は助けに来ないですよ」

「なんだと!」

「一対三弱いですねたった一秒

で倒されてしまいました。

これなら全組員倒すのに10分かかりませんね」

「どうすれば良い」

「私と私の家族に絶対手を出さないと

約束してくれるなら何もしません」

「わかった」

「もしも、約束を破った時は、武田さんとご家族、

奥様とサッカーと水泳をやっている

二人の息子さん今年薬学部に入った姪御さん、

広島で農業をしている叔父さんを消します。

本人は最後ですよ」

「消しますって…」

「組織は一族皆殺しにするので

世界中でおそれられている。それを覚えていて欲しい」

「ま、待て息子や姪は何も悪い事をしていない」

「そうですね。でも私も何も悪い事して

居ないのにあなた達は殺そうとした。

同じ事ですだから何もしない約束なので

何もしなければいい事ですよ。入江さんもいいですね」

「わかった」

「さもないと、あなたの娘さんの一歳の

お子さん弘樹くんも殺す事になりますよ」

「そんな事法治国歌の日本で出来るわけない」

「その言葉あなたの口から聞くとは思いませんでした」

「わかった」

「これから一年の間監視が付きます。と言うかもう付いています」

亮そう言うと

「分かった、何もしない」

「わかりました。信じましょう。

それとここのママも今日から私の家族です」

「わかった」

武田と入江は亮を睨みつけながら店を出て行った。


「お騒がせしました」

亮は頭を下げた。

「團さん、私もあなたの家族にしてくれるの?」

「ええ、まぁ。絵里子さんの友達ですからね」

「大阪に来た時はここによってくださいね」

「はい、必ず。今日ここで有った事は内緒ですよ」

亮は迷惑料に100万円を置いて出て行った。

100万円で家族が守れるなら安いものだった。

しかし、いずれ山田組とは話をつけなければならない、亮はそう思った。


道を歩く亮とマギーに小妹、蓮華、桃華が側に寄って来た。

「小妹、武田を信じられるか?」

「無理だね、やつは暗鬼の怖さ知らない」

「そうだよな、ちょっと脅しますか」

「うふふ」


亮は大阪府警田畑警視監に電話を掛けた。

「交渉が上手くいきませんでした」

「そうだろ一筋縄では行かない、奴らは証拠、

証拠と言うんだ。証拠を掴んだらこっちのものだ、

実行犯から依頼者、実行犯の管理者金の流れと

繋いで行かなければやらない、時間がかかる」

「やはりそうですか」

亮は武田とわかっていても、

逮捕に時間がかかるのがもどかしかった。


「やはり、皆動いてもらうしかない。小妹」

「殺る?拐う?」

「小妹、武田は子分が全員居なくなったら

どうなるかな?」

「何人?」

「構成員は二百人、武闘派幹部は五人」

そう話をしていると後から五人男が付いてきた。

「あっ、こっちから行かなくても向こうから来てくれた」

小妹は振り返らず気配だけで人数が分かり笑っていた。

「どうする私一人で充分なんだけど」

「それを言ったら私だって」

マギーも腕が疼いていた。

「こうしよう。敵がピストルを持っていたら僕、

ナイフを持っていたらマギー、

素手だったら小妹たちでどうだ」

「OK」

「おい、團亮」

後から来た男の一人が声をかけた

「はい、あなたは? 」

「な、名前!」

「人名を呼ぶなら自分の名を名乗るのが礼儀です」

「何言っているんだ」

「ということはあなた達は礼儀知らずと

いう事ですね。要件は何ですか?それくらい言えるでしょう」

五人は亮の返事に困っていた。

「あっ、後ろにいる武田組若頭西村さんですね。

組長の命令で僕の命を取りに来た?」

西村は突然名前を言われて激しく動揺した。

「あんたの返事次第だ」

「という事は返事が悪かったら

殺すという事ですね」

「クソ!さっきからヘラヘラと、殺っちまえ」

五人の中の若頭西村はピストルを

手に取り、四人はナイフを持っていた。

「私の出番ない」

「大丈夫よ、獲物を落としたら

素手と同じだから」

「そうか、サンキューマギー」

亮は真っ先に西村に向かって行き

引き金を引く間もない西村の手首を

捻って背負い投げをかけ、西村を

背中から地面に叩き付けた。

「さっさと引き金を引かないから

痛い目に会うんですよ、西村康二さん」

「なんで俺の名前を…」

「あんたの所の組長が教えてくれたんですよ、

西村と言う馬鹿な若頭が来るって」

「そんな馬鹿な」

「岡山で一人暮らしのお母さんが泣きますよ」


マギーは動きを良くするために、

スカートを捲り上げ太ももを顕にした

「さぁ、四人とも私が相手にしてあげる」

マギーは手招きをした。

「なに言っている、このあま」

マギーは振り下ろすナイフを持った

男の手首をひねり投げ飛ばした

マギーはナイフを取り上げると小妹

の方を向いた。

「後はどうぞ」

マギーは体を翻しあとの三人の方を見た。

「今度は私の番だよ、おじさん」

立ち上がった。男に話しかけた。

「なんだ、このガキ」

男は幼く見える小妹を舐めてかかり

足を蹴ろうとした。

「その緩いスピードどは何?」

小妹は男の支えになる左足を蹴ると

男体は宙浮き回転し。綺麗な側宙で

頭から落ちた。


「西村さん、これが武闘派の武田ですか?」

「馬鹿な…」

「では、若頭の強いところ見せてください。タイマンでやりましょう」

亮はニヤリと笑った。

「誰か仲間を呼べ!」

西村が声を上げた。

「はい」

ナイフを持っていた一人が電話を

かけた。

「亮今どこ今どこ?」

美咲からイヤフォンに連絡があった。

「今、武田組の西村若頭とその子分に襲われて居るところです」

「えっ、直ぐに警察官を向かわせるわ」

「相手が弱いので、銃刀法違反で直ぐに確保できます」

「分かったけど、あまり酷い怪我させないでね、あとが面倒だから」

「了解です」

「マギー、小妹酷い怪我されるな

という事です」

亮はイヤフォンに言った。

「了解、酷い怪我と言う全治1ヶ月以内だね」

マギーは勝手に決めつけていた。

「まぁ、亮があれだけの怪我で1ヶ月で退院したんだから」


「なんじゃワレ、舐めとんのか!」

一人の男が大声でマギーを脅かした

マギーは聞いた事の無い日本語に

ニコニコ、笑って答えた。

「なんじゃワレ、舐めとんのか」

「クソ!」

男ナイフをマギーに向けて手を

伸ばすと男の左に回った。

男は慌てて左に追うと背中が

マギーの方を向いた。

「なんじゃワレ、舐めとんのか」

マギーはそう言って男の背中を蹴った。

「小妹、このおじさん子供みたいに弱いよ!」

「いいから、早く私によこしなさいよ」

「そうか、弱い者いじめはいけないよね」

マギーは男の腕を掴んで抑え込み、首筋を強く押した。

すると男の腕がダラリとして動かなくなった。

「あわわ、何をした?」

「腕神経ブロックを麻痺させた

怪我させていないからね。ただ病院へ行かないと治らないよ」


「あっ、それいいなあ」

蓮華が羨ましそうに聞いた。

しばらくすると車が猛スピードで走ってきて

車から男達が降りて亮達を取り囲んだ。

「やれ!」


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